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【今日のバッハのカンタータは?】2024/5/19(日)聖霊降臨祭

WHICH BACH CANTATA TODAY?" (「今日のバッハのカンタータは?」)の 2024年5月19日の記事の和訳です。以下,一部訳注やリンクの追加をしている以外はほぼ直訳です。原文の著者Michealの許可を得て翻訳や画像引用をしています。

五旬節もしくは聖霊降臨祭

2024年5月19日 - 今日は五旬節(ペンテコステ, Pentecoste)または聖霊降臨日(ホイット・サンデー)と呼ばれる、復活祭から 50 日目の特別な典礼の祝日だ。というわけで、今日のためのカンタータは4曲以上ある。最初の「鳴りひびけ、汝らの歌声」《Erschallet, ihr Lieder, erklinget, ihr Saiten!》BWV 172は、ワイマール時代の非常に祝祭的な聖霊降臨祭用のカンタータだ。バッハ自身にとってお気に入りのカンタータで,後のライプツィヒ時代にもトマスカントールとして何度も演奏している。

「われを愛する者は、わが言葉を守らん」《Wer mich liebet, der wird mein Wort halten》 BWV 59 の作曲時期については不明な点もあるが,現在では、バッハがまだケーテンに滞在していた頃に作曲し、ライプツィヒ完全に引越す1週間前にライプツィヒのパウリナー教会で初演したと考えられている。トマス教会で最初に作曲したカンタータ("貧しき者は食し"《Die Elenden sollen essen》BWV 75)を演奏する2週間前のことだ。新しいトマスカントールとして,バッハは大学教会であるパウリーナー教会での音楽も年に4回作曲する必要があった。翌1724年の聖霊降臨祭でもトマス教会でこの曲を再演したことは間違いない。

さらにその翌年の1725年、彼は同名のカンタータ「われを愛する者は、わが言葉を守らん」《Wer mich liebet, der wird mein Wort halten》BWV 74を作曲した。この曲は、同名のBWV 59を拡大・改訂したもので、荘厳なトマス教会に相応しい曲に合うように,より祝祭的になっている。クリスティアーナ・マリアナ・フォン・ツィーグラー(Christiana Mariana von Ziegler)の歌詞に基づいている。

最後の「おお永遠の炎、おお愛の泉」《O ewiges Feuer, o Ursprung der Liebe》BWV 34は、それ以前の(未完成の)結婚カンタータBWV 34aのパロディ(訳註: 世俗カンタータを原曲とする改作)だ。

Music for today

  • Erschallet, ihr Lieder, erklinget, ihr Saiten!, BWV 172
    (first performance 20 May 1714, Weimar period)

  • Wer mich liebet, der wird mein Wort halten, BWV 59
    (first performance 16 May 1723, Leipzig period)

  • Wer mich liebet, der wird mein Wort halten, BWV 74
    (first performance 20 May 1725, Leipzig period)

  • O ewiges Feuer, o Ursprung der Liebe, BWV 34
    (first performance 1 June 1727, Leipzig period)

追加情報

オランダ・バッハ協会のウェブサイトに、BWV34についての詳しい情報と演奏が掲載されています。
https://bachvereniging.nl/en/bwv/bwv-34/

Playlist

WBC38-Pentecost or Whit Sunday

このプレイリストは以下のストリームサービスからどうぞ。

Image of the day

ギリシャ系スペインの画家エル・グレコ(1541-1614)による聖霊降臨祭、マドリード、プラド美術館。


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