【今日のバッハのカンタータは?】2024/6/2(日)トリニタティスⅠ
WHICH BACH CANTATA TODAY?" (「今日のバッハのカンタータは?」)の 2024年6月2日の記事の和訳です。以下,一部訳注やリンクの追加をしている以外はほぼ直訳です。原文の著者Michealの許可を得て翻訳や画像引用をしています。
2024年6月2日 - 今日はトリニタティスI (Trinitatis )、三位一体の主日(Trinitatis)後の最初の日曜日だ。バッハはこの日のためのカンタータをライプツィヒ時代に3曲作曲した。
最初のカンタータ「貧しきものは饗せられん」《Die Elenden sollen essen》BWV 75は、バッハがライプツィヒのトマス・カントールに就任して最初に作曲し、演奏したカンタータである点で重要な作品だ。初演は1723年5月30日にニコライ教会でなされた。カントールとしての初めての公演だったので、バッハは14楽章からなる大変大規模なカンタータを作曲した。
ライプツィヒでの最初のカンタータがトリニタティスIの日のためのものだったので,彼の3年にわたるカンタータ・サイクルはこの日から始まる。1年後の1724年,トリニタティスIの日が2年目のカンタータ・サイクルの開始だ。この2年目は,プロテスタントの典礼歴の伝統に基づく賛美歌を元に各カンタータを作曲しているため、コラール・カンタータ・サイクルと呼ばれる。残念ながら、このサイクルは1725年3月に突然終了する。バッハのお気に入りの詩人アンドレアス・シュトゥーベル(Andreas Stübel)が、この年の1月に他界したことが原因だろう。「おお永遠、そは雷のことば」《O Ewigkeit, du Donnerwort》BWV 20は、この第2サイクルの始まりを告げる大変入念に作られたカンタータで,ヨハン・リストの賛美歌に基づいている。この賛美歌は、トリニタティスXXIV(1723年11月)の少し前に書かれたカンタータ「おお 永遠、そは雷のことば」《O Ewigkeit, du Donnerwort》BWV 60にも使われている。
1725年のトリニタティスI以降、3年目のカンタータ・サイクルが始まると、新しいカンタータを作るペースを半分の2週間ごとにした。このことを考慮すると1726年に作曲された「飢えたる者に汝のパンを割き与えよ」《Brich dem Hungrigen dein Brot》BWV 39も、まだ第3サイクルの一部ということになる。
Music for today
Die Elenden sollen essen, BWV 75
(first performance 30 May 1723, Leipzig period)O Ewigkeit, du Donnerwort, BWV 20
(first performance 11 June 1724, Leipzig period)Brich dem Hungrigen dein Brot, BWV 39
(first performance 23 June 1726, Leipzig period)
追加情報
オランダ・バッハ協会のウェブサイトに、BWV44についての詳しい情報と演奏が掲載されています。
https://bachvereniging.nl/en/bwv/bwv-75/
Playlist
WBC42-Trinitatis I or 1st Sunday after Trinitatis
Image of the day
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