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【今日のバッハのカンタータは?】2024/5/20(月) 聖霊降臨節の月曜日

WHICH BACH CANTATA TODAY?" (「今日のバッハのカンタータは?」)の 2024年5月20日の記事の和訳です。以下,一部訳注やリンクの追加をしている以外はほぼ直訳です。原文の著者Michealの許可を得て翻訳や画像引用をしています。


2024年5月20日
- 今日は五旬節(ペンテコステ, Pentecoste)の2日目,聖霊降臨節の二日目(Whit Monday)だ。 皆さんに,今日のためのライプツィヒ時代のカンタータを3曲プレゼントしよう。

最初のカンタータ「高められし肉と血と」《Erhöhtes Fleisch und Blut》BWV 173は、バッハがケーテンで書いた祝典カンタータ「レオポルド殿下」《Durchlauchtster Leopold》BWV 173aのパロディ(訳註: 世俗カンタータが原曲になっているもの)だ。この作品は原曲とほぼ同じである点で、バッハの作品の中では少し例外的だ。バッハは,楽曲の構造を維持しやすいように,自筆譜には新しい歌詞を古い歌詞の下に書き込んでさえいる。1724年の原典版は失われているので,プレイリストにあるのは1727年に作成した版だ。

「神はかくも世を愛したまえり」《Also hat Gott die Welt geliebt》BWV 68は、1725年の作品で,ライプツィヒ時代の第二カンタータ・サイクルの最後を飾る作品で,クリスティアン・マリアーネ・フォン・ツィーグラー(Christiane Mariane von Ziegler)の歌詞に基づく。

「われ心より至高なるものを愛する」《Ich liebe den Höchsten von ganzem Gemüte》BWV 174の冒頭のシンフォニアは、聞き覚えがあるかもしれない。それもそのはず、この曲はブランデンブルク協奏曲3番の一部を再利用している。このカンタータの写本は、バッハが仕事から受けていたプレッシャーを物語っている。写譜係はブランデンブルク協奏曲の冒頭の数小節を写し、バッハが新しいパートを続けて書き込めるように5小節空けていた。別の写譜者は、アルトパートの最後に「1729年6月5日にライプツィヒで完成」"Fine d. 5 Junii 1729. Lipsiae"と、聖霊降臨の主日,翌日の初演にちょうど間に合う日付が記されている。

Playlist

WBC39-Whit Monday

このプレイリストは以下のストリームサービスからどうぞ。

Image of the day

オランダ人画家リンブール兄弟による時祷書「ベリー公爵の豊かな生活」("Très Riches Heures du Duc de Berry")より「聖霊降臨祭」。3兄弟とパトロンであったベリー公ジャンが過疎楽ペストで亡くなったため1416年に未完のまま残された。フランス、シャンティのコンデ美術館(Musée Condé, Chantilly, France)。


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