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【今日のバッハのカンタータは?】2024/3/21(木) バッハの誕生日(ユリアス暦)

WHICH BACH CANTATA TODAY?" (「今日のバッハのカンタータは?」)の 2024年3月21日の記事の和訳です。以下,一部訳注やリンクの追加をしている以外は,ほぼ直訳です。

バッハの誕生日(ユリアス暦)

2024年3月21日 -今日はバッハの誕生日…ということになっているが,実のところは少し後なんだ。今は使われていないユリウス暦に基づくと今日なんだけど,現在僕たちが使っているグレゴリオ歴に基づくと31日がバッハの誕生日になる。でも,見出しの写真に写っている,バッハの生誕地アイゼナハに飾ってある記念プレートを見ればわかるように、バッハの時代には、グレゴリオ暦はまだドイツ全土で使われていたわけではなかった。

今日のためのカンタータを、どのような機会や時期に初演されたかが不明なカンタータからいくつか選んでみた。まず,「裏切り者なる愛よ」《Amore traditore》BWV 203は、たった2曲しかないイタリア語の歌詞のカンタータの最初のもので、ケーテン時代に書かれた。

「我は己がうちに満ち足れり」《Ich bin in mir vergnügt》BWV204は,1726年から1727年の間に書かれた華やかなカンタータだ。バッハが色々な機会やカフェ・ツィマーマンでのコンサートで演奏したレパートリー曲だったようだ。

次は、バッハの世俗カンタータの中でも特に有名な曲の一つ,「コーヒー・カンタータ」だ。このカンタータは,バッハが1732年から1735年の間に、カフェ・ツィマーマンコレギウム・ムジクムによる演奏のために作曲したもので,魔法のような飲み物の美徳と、その中毒性を謳っている。コーヒー中毒は18世紀において危険性が指摘されていた。

最後に、「悲しみのいかなるかを知らず」《Non sa che sia dolore》BWV 209は、もう一つのイタリア語のカンタータだ。1734年頃とかなり後期の作品で、おそらく1747年に初演された。ライプツィヒを去ってアンスバッハに戻るライプツィヒの学者に関係する曲とも言われているが、憶測の域を出ない。

Music for today

  • Amore traditore, BWV 203
    (first performance 1720?, Köthen period)

  • Ich bin in mir vergnügt, BWV 204
    (first performance 1726?, Leipzig period)

  • Schweigt stille, plaudert nicht, BWV 211
    (first performance ? 1732-1735, Leipzig period)

  • Non sa che sia dolore, BWV 209
    (first performance 1734?, Leipzig period)

追加情報

オランダ・バッハ協会のウェブサイトに、BWV203と211についての詳しい情報と演奏が掲載されています:
https://www.bachvereniging.nl/en/bwv/bwv-203/
https://www.bachvereniging.nl/en/bwv/bwv-211/

Playlist

WBCF0321-Bach's birthday Julian calendar

このプレイリストは以下のストリームサービスからどうぞ。


Image of the day


アイゼナハのゲオルク教会の入口扉上にある、ユリウス暦によるバッハの洗礼を記念した木製の記念プレート。

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