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日焼けした笑顔に気おくれするのは変わらないけど。

 「海行こうよ」と陽気なお誘いをいただいても、泳げないんだ、ちょっとダイエット間に合わなさそう、日焼けも気になるし、とかいろいろ言って、海に近寄ることはあんまりありませんでした。海に憧れはあるけど、水が怖い。あと夏の海なんて"六本木のクラブ"並みに圧倒的な強者感がある。
 うじうじ言ってると、だいたいの海好きな人は、日焼けした顔でニコッと笑って「水に入らないで浜だけでも楽しめるよ」「生き物が好きならダイビングはまるよ」「サーフィンはストイックだよ」
 夏の強い光線に負けずキラキラ輝く人達を前に、頑固で臆病な自分が嫌になる、申し訳ない。この素敵な人達をがっかりさせたくなくて余計に海から逃げてしまう。今だってそこは大して変わらない。
 でも!二年前から海がちょっと好きになって、キラキラ光る海に近づけるようになりました。海が苦手な方、一緒に少しづつ克服しませんか。

ライフジャケットを着よう

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 足の着くプールなら25mはギリギリ泳げる。でも、海は怖い。私の泳力では波をかぶると溺れるので常に死の恐怖がまとわりつく。足元から何かに嚙みつかれそうな気もする。体験ダイビングでは潜水の恐怖で呼吸ができず、30秒で船上に逃げだした。
 けれども、高校の修学旅行では、友人とゲラゲラ笑いながら西表島の川を二人乗りカヌーで遡上した。千鳥ヶ淵のボートも好き。水遊びが全部だめ、というわけでもない。何の違いかと思ったけど、単純なことで、ライフジャケットの着用でした。泳げない人間は沈むのが怖い。でもライフジャケットの安心感があれば、恐怖心に蓋できる・・!

シーカヤックだった

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 ライフジャケットを着ていれば恐怖に打ち勝てることがわかったのですが、スノーケリングだと泳力が不足していて好きな場所へ移動できませんでした。あ、ニモ(カクレクマノミ)・・・と思いながら波に揺られて見失う。
 ところがシーカヤック。三保の海でお試しをさせてもらったら、案外簡単に乗れることがわかりました。ちょっと慣れたらわりと自由に移動できます。船体が低いので海面を滑っていくよう。こんなに近くで海を見たことはありませんでした。西伊豆でシーカヤックに乗った時は、水中まで見通せて小魚の群れも視認できました。初めて海で自由を感じた瞬間でした。
 陸の上から遠くに乱反射していた海面が目の前。そして海からしか近寄れない場所にもいける。

海での時間

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 シーカヤックで海面に触れている間は、ニカッと笑いかけてくれる人達に、素直に笑顔で「楽しいです」と答えられることがわかりました。(もちろんライフジャケットを着こんで、インストラクターさんに見守られながら、という限定的な状況ですが...)
 "夏の海"を特別視しすぎたあまり、「みんなのように浜辺で陽気にはしゃがなきゃ」みたいに楽しみ方を狭めていたのはよくありませんでした。自分なりに海での時間を楽しめばよかったのです。
 同じように海が苦手な方であっても、苦手の理由を分解して要因を避ければ、海を楽しめるようになるんじゃないかと思っています。溺れそうで海が怖い方にはシーカヤックは敷居が低そうです。あと陽気な感じに気圧されるなら、人の少ない早朝にビーチコーミングとか。水着が嫌ならTシャツ・ジーパンとかジャージでも誰も文句言わないですし。遠くで眺めるだけじゃなくて、近づいても楽しめるといいなぁ、とおせっかいな気持ちが湧いてきます。
 あ、これが海好きの無邪気な笑顔の根底にあるものなのか。

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西伊豆コースタルカヤックスさんのツアーにて。陸からみえない洞窟のなかがこんな場所だったのかと知り感動しました。

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