見出し画像

本やCDでヒプノセラピーをものにできるか?

こんにちは。ヒプノセラピー練習生のとしこです。

私がヒプノセラピーを学び始めたのは2019年の秋。

始めは単純に大きな組織で学びたいと思い、通えそうな距離にある日本ホリスティックアカデミーの門をたたき、入門講座の「ベーシックコース」を受講したのがスタートです。

その後はプロのなるための一歩目の講座となる「アドバンストコース」を受講。こちらは米国催眠士協会(NGH)のテキストと、一般社団法人日本臨床ヒプノセラピスト協会(JBCH)が作成したテキストを学びます。

これで、延べ 九日間です。

(2021年4月27日現在、受講日数が増えているそうです)

まあ、たったの九日間です。

これで人にヒプノセラピーができるのか?と聞かれれば、できません。

アドバンスまでにできるようになるのは、催眠へ入れて、催眠から出す、たったそれだけのこと。要となる「セラピー」部分はそれまでの講義の中で触れはしますが、技法にまでは迫りません。ですので、催眠には入れるけれども、セラピーはできない、というのがアドバンスまでの内容となります。

クライアントさんが望むのは、セラピー。だから、セラピー部分をこの後学んでいかなければなりません。

その部分については、本を探しても、ネットを探しても、まず無いです。催眠に入るためのCDや本、ネット上の情報はいくらでもあります。ですが、入った後にどうするの?というセラピー部分の情報は、そういった物には記されていません。記しておくことができないくらいに複雑であり、同じケースというものが二つと存在しないからなのです。肝心かなめのセラピーにおいては、セッションのポイントはあってもテクニックは存在しない、というのが実際のところだからと言えます。

本当にセラピストになりたいのであれば、アドバンスで知識と理論を学び、その後に、プロコースという臨床に繋がる講座で学ぶ必要があります。

そして、気を付けなければならないのが、米国催眠士協会(NGH)、と米国催眠療法協会(ABH)という名前。

日本でも所定の講座を受ければこれらの資格を取得できるスクールは多くあります。ですが、こちら、アメリカの民間資格に過ぎません。実はアメリカでは州にもよるのですが、ヒプノセラピーをドクターではない人間が人にすることはできないのです。つまり、アメリカでは療法として確立されており、それを大学や院で専攻していない人間は扱う事ができないのです。そのため、一民間資格であるNGHもABHも、セラピーにあたる部分は実は教えていないのです。NGH、ABHのテキストから学べることは、催眠に入って出る、それと療法に抵触しない事柄、イメージを使い気持ちをポジティブにする程度のテクニックになります。セラピーを期待して受講すると、そこに大きなギャップを受けるでしょう。実際に自分もそうでしたし、一緒に受講していた仲間たちもそうでした。アドバンスを受講しても、何もできない!それがアドバンスを終了したときの実際の感想です。

セラピーをできるようになるには、プロコースというような位置づけになっている臨床に沿った内容を学ぶ必要があります。

と同時に、カウンセリングスキルもとても重要です。

どちらのスキルもあって、初めてヒプノセラピーが成立します。

● ● ●

ヒプノセラピーについては、よく「催眠に入れないんだよねー」だとか「効果、どうなのかね」と言った声を聞きます。私自身も「は?」というセッション経験をしたことがありますし、「こんなんで、セラピーというのか?!」という講座を受けたこともあります。催眠に入るための暗示文も棒読み、とかね。それでお金を取られたり、驚いた。

おそらく、日本は制度としても心理ケアが恐ろしく蔑ろにされている国なので、催眠療法も正しく使えば素晴らしいものなのに、国には見向きもされていない療法がゆえに(今は)、その在り方、セラピストの質、技法、全てに質が定まらず、かつセラピーではなく、手軽なビジネスチャンスの手段として使われているのも現状なのだと思われます。

よくネットでは「〇日間でプロになる!」なんて文言を見かけますが、〇日間でプロになれるものなんて、世の中にはありません。


ヒプノセラピーの残念な体験で終わらず、どうか、このエネルギッシュな体験を必要な人にお届けできればなぁ、と思う次第です。







この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?