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大邱で賭け狂ってきた w/推しVTubers(中編)

カジノに入るまでの話は前編

しんでしまうとはなにごとだ!

 翌朝8時、目覚めた私はGoogle Mapで朝食スポットを探すもしっくり来ない。ホテルの人に朝食ができるレストランを聞いたところ西門市場に行けというので、行ってみた。

 土曜日だからか噂に聞くよりは静かであったが、それでも商売人たちの活気が凄まじい。

 カルビビン麺で寝ぼけた頭を叩き起こす。えげつなく辛いので汗と涙でくしゃくしゃになりながら完食していた。これにさらに写真左右のネギのキムチや青唐辛子で辛さを増すことも可能。韓国人はどれだけ辛さ耐性があるんだ……!?

 韓国の洗礼を受けたところでついに今回のメインコンテンツ、大邱カジノに突撃する。カジノが入っている高級ホテル「ホテルインターブルゴ大邱」へはなんと目の前まで直通の路線バスが走っており、たったの1250ウォンでアクセス可能。
 もちろんここでもしすぷらカードをタッチ。

 ところで韓国カジノに行き慣れた方なら疑問に思うだろう、何故わざわざ大邱なのか?
 大邱カジノは韓国内では比較的小規模であり、なんなら釜山のほうが大規模で煌びやかなカジノが二つもあるというのに。
 それは、大邱ではポーカーができるからである。
 カジノゲームの中で、己の実力で稼ぎを出せるゲームというのはポーカーしか存在しない(※1)。
 そもそも私は自らの意志で操作できないものに自分の金の行く末を託すということが許せない性分で、日本国内でもやっているギャンブルは麻雀だけである。
 ネットの前情報曰く釜山のカジノにもポーカーの設備はあるが、プレイヤーがおらず実際にはプレーできないようなので、卓が立つと聞いた大邱に赴いた次第である。

 というわけで、受付でプレイヤー登録を済ませた私はずんずんとポーカーのテーブルへと歩いていく……がいない。プレイヤーはおろかスタッフすらいない。
 キャッシャーのお姉さんに聴くと14時にならないとそもそもポーカーのカウンターが開かないようなので、それまでの暇つぶしとしてスロットを打ってみる。日本でゲーセンのゲームを作っているメーカーも参入しており、見慣れた社名もいくつか見かけた。

>-340000ウォン<

電○猫「どこかで立ち止まれなかったんですか?」
ぼく「フリースピンとかそこそこ入るし打ち続けてれば勝てる気がしたんだもん……」

 よく考えなくてもスロットとは一人のジャックポットのために多数が広く薄く損をするゲームである。こんなもの触るべきではない(戒め)

 ポーカーの卓につく前から所持金を半分近く消し飛ばしたので、できるだけ出費が少なく済む卓にしようと電子バカラの機械に座る。当たるかどうかは1/2なのだから理論上は勝ったり負けたりしながらゆるゆると時間をかけて金が減っていくはずである。
 というわけで、バンカー(※2)にミニマムの5000ウォンを賭けて、オートリピートをかけてあとは爆睡していた。目覚めたら少し勝ってた。

 18時ごろ、ポーカーテーブルの様子を覗くとちらほらプレイヤーが現れ始めていた。
 窓口でウェイティングしたい旨を告げ、トイレに行ったり水を飲んだりしていたら6人で卓が始まるとのこと。
 一旦有り金全部、433000ウォンをチップに替えてシートに腰を下ろし、初めての海外キャッシュゲームを始めた。
 
 まあ、程なくして有り金全てを失うことになるのだが。ハンドヒストリーを晒すので愚かな私を笑ってほしい。

NLH 1000-3000 6players Rake 10%/max 15000
Hero(MP) has As9s
UTG folds
Hero raises to 10000
CO folds
BTN calls 10000
SB folds
BB calls 10000
Flop: Ad 6s 5d
BB checks
Hero bets 15000
BTN calls 15000
BB folds
Turn:4h
Hero bets 25000
BTN calls 25000
River:4s
Hero bets 40000
BTN raises 400000
Hero is all-in 360000
BTN has 7h3h

細かいチップ量とかは覚えてないのでだいたい

現◯猫「何を見てコールって言ったんですか????」
ぼく「ブラフもそこそこあると思って……6ヒットとか7~10ポケとかフラドロ滑りとか……」

 とはいえトップヒットを降りられないのは絵に描いたようなお魚プレイである。というわけで一旦ポーカーテーブルに別れを告げ、週末に無料で支給されるビュッフェで涙ながらにチャハーンを貪っていた。(カジノで食事の無料提供は世界的によくあるらしい)

 ところで、多くのカジノではクレカでチップの購入が可能である。
 有り金がなくなったので残り2日何もしませんというのではわざわざ外国に来た甲斐もない。───本当はやりたくなかったが、やるか。

深淵が私を覗くとき

 意を決してキャッシャーにクレカを差し出し、three hundredsと言うと、30万ウォン分の「チップ預かり証」を出す。これを無くしたらやめにしようと思いながら、ポーカーのカウンターに預かり証を差し出す。
 3本のチップの塔を受け取り、人が増えて2卓になったポーカーテーブルにまた戻って来た。

 話は変わるが、ポーカーには自らの手札が相手の手札と混じったり間違えてディーラーに回収されたりしてロストするのを防ぐために、カードプロテクターという器具がある。
 無ければ手やチップでカードを抑えていてもいいので必須ではないが、ポーカーを嗜む者はたいてい何かしらかっこいいやつとか持っている。
 形も「一塊であること」「カード全体を覆わないサイズであること」さえ満たしていれば任意なので、プレイヤーの個性が出る部分でもある。
 とはいえライブポーカーはド素人の私がプロテクターに使えるものなど持っていn

 有るなあ……

 台座を外してキャラクター部分だけ使えば一塊の条件が満たせるので、景気付けにこれを使うことにした。
 世界広しと云えどもVTuberのアクスタをカードプロテクターに使ってライブキャッシュ打ってる人間が私の他にいるのだろうか。いたら会ってみたい。

 さて、舞い戻ってからは打って変わって敵を千切っては投げ、千切っては投げ。
 フラッシュにツーペアで突っ込んでくる相手、フルハウスにストレートで突っ込んでくる相手、セットにトップペアで突っ込んでくる相手、次々身ぐるみを剥がしているうちにいつの間にか目の前には148.5万ウォン分のチップが積まれていた。

 なんたる大逆転勝利。深淵に身を投げてこそ浮かぶ瀬もある。あるいは雪餅ののめが悪運をがおがおえがおしたのかもしれない。
 4時ごろにプレイヤーが減ったため卓割れ解散。ホテル前にスタンバっているタクシーで帰ろうとしたがGoogle Mapでホテルの位置を見せてもわからんと言われて断られるので、仕方なく徒歩10分のバス停から始発のバスで帰った。

 2日目の昼間は街でいろいろ食ってた。

 日本では発売されていない「KFCの皮だけ」が韓国では発売されているのでテイクアウトしてきた。まさに合法麻薬である。

 満腹になったのでさらに昼寝を重ねていたらもう19時。今日はカジノ無しでもいいかなという気分だったが、やはり一度深淵に身を投げた者、身が疼いてしまうのであり……

長いので3分割しよう。後編へ


※1 厳密にはめちゃくちゃ複雑な戦略の暗記と正確なカードのカウンティングができればブラックジャックもそうなのだが、数学の天才でもなければ現実的ではない

※2 バカラはルール上、バンカーの方が若干勝ちやすい。そのためバンカー勝利のときのみコミッション(寺銭)を取って期待値を等しくしており、どちらに賭けても期待値自体はほぼ同じなのだが、単純に勝つ回数が多い=いっぱいうれしいので精神の健康に良いという理由で私はバンカー推しである


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