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書きたいものを書かず、理性で作る

書きたいものを書いて結果を出すより、安定した理性で「こういう書き方をしたほうが面白いのではないか」と読み手の反応を想像し、言葉を組み立てて文章を作成したら巧くいくことがある。

小説の一番最初の文は、短文作成の仕事と同じで、なにがしか印象を与えたい。
例えば


「ジャムパンをふたつに割ると、お母さんの匂いがした」


お母さんが作ってくれた、自家製のいちごジャムの匂いだーー。
と、文は続く。

短文作成の仕事は最初が決め手で、最初の取っ掛かりがイマイチだと全文読まれないどころか半分も読まれず、スルーされてしまう。小説も同じことが言えるのではと、私なりに考えた。

「ジャムパンをふたつに割ると、商店街の古本屋にいるエプロン姿のおねえさんから漂ってきた、あの甘い匂いがした」

これで、ジャムパンに特別感が増したように思う。

上記は文字数控えめで続きを読ませたい、下記は文字数多めで今後の行方に期待を持たせたい意図を込めてみた。
最初の文の続きから最後の一字まで余すことなく小説を全文読んで貰えるかは不明だが、工夫のひとつとして考えて欲しい。

書きたいと思う小説がないときは理性で文を作り、客観的に見つめて新たな発見をするのも手だ。

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