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MOOD SWINGS/HAREM SCAREM

日本でのデビュー作であり、2ndアルバムとなる1993年の作品。もし自分がミュージシャンだったら(図々しい)・・・こんなアルバムを作りたい、と思えるぐらい自分にとっては理想的な作品のひとつ。

1stと比較して明らかに違うのは、楽曲のヴァリエーションが拡がり、ギターサウンドが前面に押し出されサウンドの「重さ」を増したことだろう。

ヘヴィでありながらメロディックな①・②は、ひねりの効いたギターリフや起伏のある展開と大胆なコーラスワークで一瞬にして聴き手を彼等の世界に引きずり込む。1stのハードポップ路線をさらに進化させたような③は、ブリッジからサビにかけての独特のキャッチーなメロディとヴォーカルハーモニーに心を揺さぶられる。そして、ハード・ロックのカッコ良さを詰め込んでスリリングな展開で聴かせる名曲④で前半のピークを迎える。

ちょっとブルージーな⑤で落ち着かせ、ドラマーのDarrenが歌う⑥はせつなさとキャッチーなメロディのブレンドが絶妙に響き、短いながらもエモーショナルなギタープレイに聴き惚れる印象的なインストの⑦、緊張感のあるギターリフで始まり若干ダークさのある⑧、雄大で劇的な展開が感動的すぎるパワーバラードの⑨、ハーモニーで聴かせるアカペラの⑩、そしてイントロのテクニカルなギターソロも聴きどころのアップテンポでノリのよい⑪・・・と、様々に表情を変えながらもメロディを中心に据え、それに分厚いヴォーカルハーモニーと、テクニカルでありつつも歌うギターが彩りを添えている。ハスキーでパワフルなのだが、親しみやすさを感じさせるHarryの声質も魅力を高めている。

今でも、LIVEでハイライトとなるのはこのアルバムからの曲であるだろうし、いつ聴いても色褪せることのない魅力を兼ね備えた作品。HAREM SCAREMの最高傑作は?と聞かれてこのアルバムを上げる人が多いのも納得の、90年代のハード・ロックシーンを代表する名盤。

1 Saviors Never Cry
2 No Justice
3 Stranger Than Love
4 Change Comes Around
5 Jealousy
6 Sentimetal Blvd.7 Mandy
8 Empty Promises
9 If There Was A Time
10 Just Like I Planned
11 Had Enough


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