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140字のおはなし

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140字の物語をまとめました。
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2021年2月の記事一覧

僕達のルールは毎朝「おはよう、」を言うこと、ただこれだけ。前日喧嘩してても、朝機嫌が悪くても、起きたら必ず。
たくさんルールを決めなくても、僕達は無意識にお互いを想い合ってる。
「おはよう、」だけだと何か物足りなくて結局いつもこう続けてしまうから。
「おはよう、今日も大好きだよ」

明日ね。また明日。明日で大丈夫。
明日が来ることは当たり前だと思っていた。明日で良いよなんて、優しそうに見えて無責任だ。保証なんてないのになぜ信じた。なぜやらなかった。貴方のせいだ。
違う。全て私のせい。
一生記憶に残る感触を味わうことは
明日が今日になることはとうとうなかった。

面倒なことに巻き込まれたくないから、面倒なことを見たくないから、私はいつも下を向いて歩く。そんな私が下を向いて歩く"しか"なかった日。貧血で意識が飛ぶ直前に声をかけてくれたお兄さん。
私は人助けを面倒なことだと思ってしまっていたらしい。見て見ぬふりどころか最初から見ていなかった。

こたつの中にひとり潜る。
冷えた体には沁みるね。
でも体だけが温められて、心はすかすかで冷たいまま。

お餅、送ってくれてありがとう。
焼いて食べようと思ったけど、表面だけ焦げちゃって中まで火が通らなかったよ。
だって、料理担当は君だったからさ。
外は真っ白。君の足跡をつけてよ。