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【NBA】2020 #BullsNation Review (2)

あけましておめでとうございます。2020年シーズンは年明けとともに序盤戦が終わり、中盤戦へと向かっていきますが、区切りがいいので、このへんでCHIの序盤戦について言及してみようと思います。今回もやはり開幕前に提起した諸問題の中から一つ選んで論じていこうと思いますが、そのテーマとしてはダンッとバレンタインの起用法を取り上げます。

【2.ダンッ、バレンタインの捲土重来】

前回のレビュー執筆時、ダンッについては3PGラインナップに組み込まれているということとそれによってバレンタインが干されているということを指摘しました。しかし、その後この状況に変化が生じます。その変化とは、夫の欠場によるローテ変更でした。

夫は11月のATL戦でのプレイを最後に長期の欠場となり、この間空いたポジションにはハッチやシャックが起用されることもありましたが、最終的には11月最後のPOR戦でダンッがSFのポジションに入って先発したことで12月の戦い方が定まったように思います。また、バレンタインは一時期ガーベッジタイムになってもPTが与えられないという酷い状態でしたが、11月後半に断続的にPTが巡ってきました。そして12月は全試合でプレイするまでに状況が一変しました。ダンッが先発に定着し、またバレンタインはベンチスタートとなってそれぞれ12月全試合でプレイした結果は、以下の月別のチームスタッツにプラスの効果を齎していることが看て取れます。

(1)ダンッの先発起用効果

①CHI Team Stats Traditional

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②CHI Team Stats Advanced

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まず勝敗から見ますと、依然CHIは大きく負け越しているとはいえ、負け越しているチームが12月7勝7敗で乗り切ったというのは明らかに進歩している証拠でしょう。またダンッが守備に秀でた選手であることは周知のことと思いますが、ダンッの先発起用は攻守両面にプラスの効果があったことがアドバンススタッツにおける12月のOffRtg、DefRtg、NetRtgから読み取れます。

12月のCHIというと、ラビーンが平均得点で25点以上を記録したり、丸金が開幕当初の不振から脱却したりとCHIの持てる武器が実力を発揮した月でもありましたが、チームの勝敗などを俯瞰してみた時に貢献度の高さが目につくのがダンッの12月の+/-がチームベストの+4.0という点です。個としての得点力ではダンッよりも夫の方が高いことは間違いないですが、チームの潤滑油となってプラスの効果をもたらしているといえるのはダンッではないでしょうか。

(2)バレンタインのPT増加

次にバレンタインについてですが、12月のPTは平均15.5分間で前の月の倍ほどにPTが増加しました。これは、ボイレンお気に入りのアーチィ(平均12.2分間)よりも上であり、HCがHCらしいまともな判断ができるようになった証拠と言えましょう。アピールに十分なPTが得られたことで、バレンタイン得意の3ptの成績も向上し、いずれも12月ではチーム4位の平均1.6本を39.7%の精度で成功させています。二桁得点も12月は6試合あり、ATL戦とLAC戦の勝利に貢献しました。

しかしながら、このバレンタインのPT増加については、バレンタイン個人のスタッツではない所にプラスの効果があったことを指摘したいと思います。それは、前回レビューで触れた3PGラインナップについてです。前回は10試合経過時点でのCHIの状況について言及し、すでにその10試合の中でもホワイトとアーチィを軸とする3PGラインナップのパターンが多数見られることを示しました。しかし、2番手PGだったダンッが先発に昇格し、埋もれていたバレンタインがローテに復活したことで、12月の3PGラインナップ(2試合以上、1分間以上試行)は管見の限りゼロでした(!)。

このように3PGラインナップが減少したことは、タデヤンのPTの増減如何にもよるかと思いますが、タデヤンのPTは11月と12月を比較してもほぼ同じであり、11月と12月で大きくPTが伸びたベンチプレイヤーはといえば、やはりバレンタインでしょう。前回、3PGラインナップが続く限りバレンタインの出番は絶望的であると指摘しましたが、それは言い換えるとバレンタインのPT増加が3PGラインナップの地獄から我々を救う福音であるいうことであり、12月はその相克関係が証明された月であったといえます。

12月を勝率5割で乗り切るという成果を出し、夫の復帰の目処が立たない中では現状の戦い方で年明けも戦うことでしょう。この調子でいけば東のPO進出基準が低いために、勝ち越せなくても8位に飛び込める可能性もあるかもしれません。ただし、戦術はすぐさま分析され通用しなくなるのがNBAであるので、ダンッ先発起用のブースト効果がいつまで続くのか、またアジャストされた時の二の矢、三の矢はあるのか(いや、ない)など、1月はそれらを見極める上で重要な月となるでしょう。


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2018年12月23日 有料設定を変更しました。記事内容は無料にてご覧いただけます。記事を読まれた上でご購入いただける方は、100円にてご購入をお願いします。

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