見出し画像

【NBA】2020 Chicago Bulls Preview

22勝60敗。これは2002年以来のCHIのワーストレコードでした。この間、一時はチーム7度目の優勝が現実味を帯びる時期もありましたが、結局はその時々の高い壁に阻まれ(主にレブロン)、チームは再び再建の道のりを行くことになりました。


日本時間の2018年12月3日、ホイバーグHCを解任し、臨時を経て正式にHCに就任したボイレンは、OKC戦で初陣を勝利で飾りはしましたが、次のBOS戦では56点差で大敗し、結局ボイレン指揮下の成績は17勝40敗でした。折角、有望な若手がチームに集まり、脇を固めるベテランの補強をうまく進めながらも、指揮を執るのはこのHCだと思うと、2020年も憂鬱なシーズンになる可能性が否が応にも高まります。

上掲の記事には、ボイレン時代に失望せざるを得ない理由がいくつも書いてあり、どれも納得させられる点なのですが、先に述べた通り、ロスターは年々整い、若手とベテランのバランスが取れたものに仕上がりつつあります。結局のところ、ダメな指揮官の許でも選手たちが奮起して勝ってくれれば、次の試合に負けるまで気分よく過ごせる訳ですから、この先はHCは置いといて選手たちの頑張りに期待するしかありません。

昨季は特にCHIについての記事を書かず静観していましたが、期待し得る理由がない訳ではないため、新シーズンはしばしば言及していこうかと思います。そして言及するにあたって、いくつか見所を挙げて、その成否をシーズンの成績とともにチームの完成度を計る指標にしていこうと思います。以下に現時点で個人的に思う所を列挙していきますが、シーズンが進むにつれて、見所は増減するかもしれません。

①ラビーンのAST及びマルケネンへの安定供給

ラビーンの昨季の平均ASTは4.5本でキャリアハイを記録しましたが、戦力が整いつつあるCHIにおいてはもっと上積みできるように思います。特にマルケネンへのASTは今後更なる増加を期待したい所です。マルケネンはルーキーシーズンに平均15.2PTSを上げて、このまま2年目には平均20点台に届くかと思いましたが、平均18.7PTSと微増するのみに留まりました。マルケネンのルーキーシーズンだった2018年はダンッがPGとして頭角を現しましたが、2019年はダンッが伸び悩んだことによりマルケネンへのASTの安定供給というところに停滞が生じました。その間、よりボールに関与するようになったのはラビーンであり、今季はダンッは先発から落ちてサトランスキー等にPTが食われることを考えると、ラビーンからのAST本数が高めに安定していけば、マルケネンが平均20点台の大台に乗り、コンビとして機能していくことが望ましいかと思います。

またマルケネンは昨季CHIでプレイし今季も所属している選手の中で、FGM%AST(ASTを受けたFGMの割合)が68.3%と高いことからも、ASTの供給がPTS増加と直結する選手です。これは自らボールを持ってショットをクリエイトするラビーンの37.5%と比べても高いことがわかるでしょう。

したがって、今季の見所としては、ラビーンは平均5本以上のASTを捌き、その中でのマルケネンへのASTの割合が増加し、結果平均20点台に乗せていくかどうかが重要になると思います。

②PGローテと役割分担

ボイレンはマルチボールハンドラーシステムと称する、複数のボールハンドラーを同時にコート上に置くシステムを多用します。チームにはシューターが少ない一方で、PGだけで5人も所属しており、さらにラビーンもボールハンドラーとなります。このシステムを使うならば、PG過多でもPTはシェアできるでしょうが、それぞれ持ち味は異なっているので、うまく役割を分担し、適材適所での起用が必要でしょう。

今季プレシーズンを見る限りでは、サトランスキーは平均4.8ASTでチームトップでしたし、ダンッは平均2.8STLで守備で持ち味を発揮し、ホワイトはチーム2位の平均19.2PTSでベンチスコアの核となりました。RSではアーチィとシャックまでPTが回ってくるのは難しいかもしれませんが、上記3名はそれぞれの特徴を活かして共存できる可能性を示しました。この先は適材を適所で用いるHCの仕事となる訳ですが、RSでそれが的確に実行されているかどうかは注目すべき点となるでしょう。

③ダンッ、バレンタインの捲土重来

今季プレシーズンにおいて、ダンッは5試合中3試合でベンチスタートとなり、先発PGについてはサトランスキーが指名されたこともあってこの起用法となることが確実です。先述のとおり、一昨年はマルケネンへのASTの供給源として機能したダンッですが、今季はセカンドユニットに組み込まれるため、二人が共存する時間は限られたものになるでしょう。したがって、従来の役割が変わることを強いられる訳ですが、その転身法としてBOSにおけるスマートのような存在になれれば、CHIでのキャリアも伸びるかもしれません。実際に先に挙げたチームトップのSTL数からはその可能性が窺えます。ただし、ファールは相変わらず多く、この点を改善しないとシャックにその座を奪われるかもしれません。

バレンタインは長い沈黙を破り、プレシーズンで久しぶりに元気な姿を見せました。しかしながら、5試合で平均4.8PTS、得意だった3ptは27.8%に落ち込んで、+/-においてはチームワースト2位の-11.4とまだまだ錆を落とし切れていないことが明らかでした。この先本来の姿に戻ることができれば、ベンチ陣の厚みは増しますが、現状ではかなり厳しいでしょう。ダンッ共々来季もチームに残っているか微妙ではありますが、少なくとも今季彼らが何ができるのかを示してくれるのかも見所の一つでしょう。

④ギャフォード=ネクストタージ?

長いウィングスパンにハッスルプレイ、ステイシー・キングがギャフォードのプレイにギブソンの面影を見るのも納得です。SLでも活躍したギャフォードはプレシーズン初戦で12PTS、5REB、3BLKと才能の片鱗を見せてくれました。特にハッスルプレイについては、プレシーズン5試合で2度4本ものOREBを奪取し、平均1.2BLKを叩き落とした点に持ち味が表れていました。WCJが復帰し、コーネットが加入し、フェリシオが未だに居座るCのローテでPTを得るのは難しいかもしれませんが、時間をかけて育てる価値はありそうです。特に、フェリシオは将来CHIからいなくなる可能性大なわけですから、最低でも3番手のCとして浮上してくるのは必定。ガーベッジタイムはギャフォードの成長を見守る時間として見るべき所かもしれません。

以上、現状思いつく4つの見所を挙げてみました。このほかはボイレン就任後各チームスタッツでリーグの下の方に沈んだものが、今季改善されるかどうかというのもありますが、ひとまずIn Game的な試合に表れる点に言及してみました。今季は気まぐれにレビューを書く中で以上の点について「答え合わせ」を行いたいと思います。それでは、本日より始まるCHIの2020年シーズンを一緒に楽しんでいきましょう。


☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

2018年12月23日 有料設定を変更しました。記事内容は無料にてご覧いただけます。記事を読まれた上でご購入いただける方は、100円にてご購入をお願いします。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

ここから先は

0字

¥ 100

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?