開業から2年目で、2店舗目を出すということ。
弊社は現在、3期目に突入しています。そう、まだ3年生になったばかりのペーペーですが、おかげさまでなんとか日々の業務を続けることが出来ております。伊那市に店舗を構え、昨年は飯田市に新規出店。その新店も、先月末で半年が経ちました。ゆっくりではありますが、徐々にお客様も増え、今後に期待が持てる状態であることは、本当にありがたいことです。開業から2年目で2店舗目、と聞くと、さぞ順調な業績なんだろうと言われるわけですが、実際は非常に厳しいラインに立たされておりました。本来であれば、新規出店などしている場合では無く、足下を固め、堅実な経営計画を立てなければならないのが2年目です。飲食店に限らず、新規開業の場合は、3年目が一つのポイントになると言われています。3年続けることが難しい、ということですね。それでも弊社が出店を決めたのは、伊那店のすぐ近くにあの「スタバ」が出店することを聞いたからでした。誰もが知るブランドであるスターバックスが、自店の目と鼻の先に来る。それは、周囲に同業他社のいない僕らにとっては、未知の脅威です。そう、どんな影響がでるのかはまったくわからない。でも、影響が出る気がする。そんな不安は僕らだけでなく、銀行にもありました。銀行からは、「売上が激減する可能性も含めて、何らかの対策をすべき」という話。でも、その時の僕は、現店舗で張り合うことはまったく考えていませんでした。別の方法で勝負しよう、と。
長野県は、南北に長く伸びた県です。県庁所在地の長野市は北に有り、その長野市よりも存在感があるとも言われる松本市は、中部の真ん中。そう、いろんなものの中心が県の北半分に集中しています。弊社がある伊那市は、南部。高速道路や鉄道などの交通の便も、決して良い環境とは言えません。大手チェーン店も南部には無いところもあり、スタバも例外ではありませんでした。しかし、そのスタバが伊那市に出店するという。なぜだ、スタバ!南はほっといてくれ!それが当時の本音です。そんな都合の良い文句を言っていたのも、弊社がそれまで、あまり同業との競争に晒されていなかったからかもしれません。同業との競争が少ないと聞くと、楽に聞こえるかもしれませんが・・それはそれで大変なこともあるのです。ま、その辺りは別の機会に。。
そんなスタバ対策として僕が考えたのが、別地域への新規出店でした。狭い地域で顧客を取り合っても仕方がない。それに、チェーン店であれば、いずれは周囲へ出店範囲を広げていくことは間違いないのです。だったら、まだスタバが出店していない地域で、弊社のコーヒーを売り出していこう、と。思い立ったらすぐに動く。スタバが出てくる前に手を打ちたい。その日から銀行との話し合いが始まります。が、当然のように、話はうまくいかない。だってまだ2年足らずの零細企業。信用がないんだから。。本当に出店することでメリットがあるのか?新店舗で売上が作れる根拠は?うまくいかなかった場合はどうするのか?たくさんの疑問が銀行から出てきます。当たり前のことではありますが、借金を返せなさそうな計画に銀行は金を出しません。それに、2年目の弊社には決算書が1枚あるだけ。実績なんて証明できるわけがない。そりゃ無理です。あちらは慎重に事を進めようとします。テンションが低く、乗り気にならない態度にイライラした僕は「金を貸さないのであれば、このままウチは潰れる。スタバに潰される。いま借りてる金も返さないぞ!」と逆に脅しをかけて、銀行側に呆れられる事態にまでなりました。バカですね。まあ、感情論で押したところで結果は変わりません。幸いなことに、銀行の担当者はとても真面目で良い方でしたので、細かいケアをしっかりとしてくださり、なんとか融資は下りることとなりました。スタバのせいにして、スタバのおかげで出店できたとも言えるでしょう。ありがとう、スタバ。
出店計画が動き出してから数ヶ月。。待ちに待った新店舗が、2016年12月1日、ついにオープンを向かえました。スタバがオープンする4ヶ月ほど前です。先手を打つことに成功しました。が、それが事業の成功とは無関係であることをすぐに知るのです。予想していた明るい未来はどこへ。。厳しい現実が待っていました。
長くなったので、続きはまた次回に。。
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