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60点日記「10点日記」


私はnoteの中で、
「60点日記」
というシリーズを作っている。


気まぐれに更新する日記シリーズ。……とはよく言ったもので、1年かけてたったの5日分。(笑)  最後に更新した日からさらに半年が経ち、もはや日記でもなんでもない。というか、noteの更新自体が、半年ほど、止まってた。ワチャー


そんな今日、久しぶりに「60点日記」を書くと決めた。タイトルは「10点日記」。これまでが60点だとしたら、今日のこの日記は10点。だいぶ低い。
でも、これはうれしい10点です。 
今日はそんな話です。


・・・

(あー。もはやこの「・・・」も久々に打つ。てんたち。久しぶり。)


えー。さてさて。
私は、去年の夏に書いたnoteをきっかけに、書くことが仕事になりました。自分の書くものが知らない人にたくさん、そしてお仕事としても読まれるようになりました。

文章を書くことに、これまでよりハードルを感じるようになったけど、だらだらーっとした感じのものも、気軽に書きたいなー、と思った。

そんなわけで作ったのが、この「60点日記」というシリーズ。オチない、話の筋を気にしない、読み直しもそんなにしない、誤字脱字も気にしない。60点でもいいじゃないか、書きたいことを書きたいときに書き続けるぞ。そんな気持ちだった。そのときは。


でもある日、書くことで失敗をした。
大きな大きな、すごく大きな失敗だった。

今までみたいに、感じたままには書けなくなった。日常の中で書きたいと思う出来事が起きても、いろんなことを考え過ぎて、書くことがベストだと思えなくなった。それが続くと、「書くことが好き」だったのが、「書くことが好きじゃない」になっていた。


「書くことが好きじゃない」……になっている自分が全然が好きじゃなくて。その状態で書く文章は全然良くなくて。いろいろ考えた。
ひとまず、作家さんやライターさんのような「書く人」や、編集者さんのような「書くことを支える人」のそばにいさせてもらった。一生、いや、輪廻転生3周先まで、困った時には全力で駆けつけたいくらいお世話になった。し、今もなってる。


他にもいろんなサポートやアドバイスがあって、ちょっとずつ書くための気持ちが膨らんできて。自分や周りを支える柱のある体制のものや、公開方法がクローズドなもの、あるいはこどもを対象としたものなら、書けるようになっていった。あとは、一緒にご飯食べた人からの依頼は、なんでも書けた。(なぜか町中華を一緒に食べた人からの依頼が多かった🐼)



そして今日。
今日は、ガストのドリンクバーと共に原稿と闘ってた。温玉ドリアにからあげを乗せ、タバスコをキメてHP回復して。そのあと、こども向けイベントのzoomミーティングに出た。

で。

その画面越しに出会った、「M君」という大学生がいる。M君はこの、こども向けイベントのインターンをしている青年だった。


M君はミーティングの終盤に言った。
「僕、しまださんの記事、読みました!」

えー、知ってくれてたのか。うれしいなあ

「はじめて知ったのが、『お世話になっておりますをやめた日』で」

へー、そこから知ってくれたのか。めずらしいなあ

「もちろんユニクロの記事も読んだりして」

わー、あれは広がったもんなあ。ありがとうありがとう

「でも、僕、
 60点日記が、いっちばんすきなんです!」

えっ 60点日記?
あれが一番好きなの???

「特に『べべズエラ』が、あーーでも、すべり台の話も良かったなあ…!」


はじめてだった。
「そのシリーズ面白いね」って言ってもらうことはあったけど、「60点日記が、いっちばんすき」だなんて、はじめて言われた。60点を一番だと言われることが不思議で、M君にどうして?と聞いてみた。

「あの、偉そうな言い方になっちゃうかもなんですけど……しまださんが肩肘張らずに、そのままの感じで書いてるのが、僕は好きなんです。インターン先の、生徒の子たちにもおすすめしてて」

M君、すごく楽しそうに話し続けた。

「今いる生徒たち、みんなすごく熱心なんですけど、100点を目指すがゆえに、アクションまでがなかなか遠いというか。僕も昔、そうだったんですけど。でもほんとは、何度も、何点でも、失敗してよくて。そういうことを伝えるときに、しまださんの60点日記の話をしてるんです。とりあえずアウトプットし続けることの大切さというか」

泣きそうだった。うれしくて、ってのもあるけど、なんていうか、恥ずかしさに近いような。形容しにくいけど、とにかく泣きそうな気持ち。

だって、私、書いてないもん。60点日記。
60点日記どころか、書けてないよ、note。


ふと、書いていない人の「60点日記」をこども達が読んで、とりあえずやってみることの大切さなんて、伝わる?って思った。伝わるわけない。なんだなんだ。何やってんだ。こども達に胸をはれないのは何よりもいやだ。それに、目の前でM君が、60点日記を好きだと言ってくれてるよ。書こう。書くんだしまだあや。

私はM君に言った。
「ねえ、その今言ってくれたこと、60点日記に書いてもいいですか? すごく書きたい!」

M君は即答してくれた。
「えっ!! うれしい!もちろんです!読みます!!!」


うん、あー、うれしい。私もうれしい。それに、「すごく書きたい」という言葉が口から出たことも、すごくうれしかった。

こうして、今、この日記を書いている。M君や、M君に60点日記を教えてもらった生徒が読むかもしれない日を思いながら、書いている。


M君。ありがとう。
実はわたし、書けてないんよ。
最近あんまり、書けてなかったよ。
「10人中9人が面白くても、1人がトラウマになるくらい傷ついたり怒ったりしたら」
そう思って、くよくよして、全然書けとらんかった。もちろんそれも大切なことだけど。

でも、今日はM君のおかげで、書きたい!ってなって、今書いてるよ。これまでが「60点日記」だとしたら、この日記は「10点日記」。だいぶ低いね。笑 でも、これはうれしい10点です。

「10人中9人が面白くなくても、あなた1人が読んでくれたら」

そんな10点です。




[おまけ日記]

この日記は、家の近くの、ガストで書いた。いつもはコメダなんだけど、今日はなんとなくガストに行った。

閉店時間、23時半。お会計して、駐車場に移動。おうち帰ったら寝ちゃいそうで、でもこの日記を書きたくて、エンジンを切った真っ暗な車の中で、そのままパソコンを打ち続けた。

しばらくすると、ガストの全部の電気が消えた。スタッフのみなさんがあがりはって、次々と駐車場へ。(奈良は車出勤多め) 「あれ?」みたいな顔で、チラチラ見られたけど、粘って書いてた。

まもなく、最後に店長さんらしき人が出てきた。こっちへ近づいて来はったので、いよいよ出なきゃなと思い、ドアを開けて「ごめんなさい、すぐ出ますね!」と言った。そしたら。

「あーーいえいえ!違うんです。どうぞそのまま。あの、お疲れ様です、っていう。出口、ロープかけないでおいてますんで!」

これも、すごくうれしかった。
またここに来よう。またここで書こう。
書くの、やっぱり好きだなあ。

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