ナイフのベクトル

今僕がナイフを握ったらどうするのだろう
保存を意味しない死体と
保存を容認する空気 / 世界観

君は笑っている
どうせ何も出来ないでしょうと
その白い細い腕を絡めつける
切っ先でなぞったら簡単に血管が筋肉が見えそうで
僕はナイフを模倣した指先でそれをなぞる

君はいつも僕を理解しつくしていて
それが時々性もなく理解不能で
僕は左手の指輪を草原に投げつけては見つけに行く

今僕がナイフを握ったらどうするのだろう
君は今も笑っている

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