私を構成する5つのマンガ④:『魔法騎士レイアース』

めっちゃ間が空いてしまった。

初めて読んだ少女漫画がこちら。
あまり少女漫画を読んでこなかった私だが、この作品は私にとって、初めての”ストーリー”漫画であり、”恋愛”漫画であり、”戦う”漫画だった。

『魔法騎士レイアース』:二次元への初恋と漫画世界のメタ表現との出会い

1)二次元への初恋

項目タイトル通り、二次元キャラに初めて恋をしたのがこの作品だった。
『~レイアース(無印)』で、フェリオを好きになった。
光たちより少しお兄さんで、分かりやすくキザで、強くて、風ちゃんのことをめちゃくちゃ優しく愛していて。

このマンガ、主人公3人の誰に自己投影するかって、

・自分がどの子に近いか
・どの色が好きか
・どういう子に憧れるか
などなど色々理由があると思うけど、

・どういう男性がタイプか。

っていう基準も大いにあったと思う。

当時はフェリオが好きだから風ちゃんが好きだったのか、フェリオが好きだから風ちゃんが好きだったのか、分からない。
分からないけど、とにかく風ちゃんがとても羨ましかったのを鮮明に覚えている。

その後、『~2』が始まって、ランティスとイーグルが登場、その後の二次元男性キャラの好みを決定づけた二人となった。

今でも、漫画に出てくる男性キャラでかっこいいな、と思うのは、
・黒髪ハイスペック
・柔和で最恐
のどちらかに大体当てはまる。

だから、最終回で光が二人をまとめてさらっていったときは子供ながらに本当にショックだったな…今もやや嫉妬するもの笑

1~2年前くらいに実家に帰った時本作を読み返したら、海ちゃんのことがすごく好きになった。クリフとの関係がすごくいいなあと。

クリフのこと、最初はわがままな小娘扱いしてくる嫌なヤツって嫌ってたのに、眠れない夜に少し甘えに行ける存在になるなんて。
その時の「わたし、本当に嫌な子だった」みたいなことを言う海ちゃんの可愛さ。それを温かく受け止めるクリフの大きさ。とても良い。

海ちゃんに追いつくために、必死で大人になるアスコットの存在も効いてる。海ちゃんの子どもな部分と大人な部分、どちらも認めて愛してくれる人がいて、素敵だなと思いました。

2)メタ表現との出会い

この作品の画集を姉が持っていたのだけど、このことを本当に姉に感謝したい。
何度も何度も見返していた記憶があるし、今でも見惚れる自信がある。

この画集の中で、キャラクターたちが本編では着ていない服を着ていたり、本編では出会ったことのないキャラが一緒に描かれていたりするのが楽しくて仕方がなかった。

それまで触れてきたアニメには、『セーラームーン』や『忍たま乱太郎』などがあった。マンガだと『スーパーマリオくん』『日本の歴史』あたりだったように思う。

これらの作品に関しては、あくまで本編を楽しむことしか知らなかった。
キャラクターについて、それぞれの世界の中で生きている姿しか知らなかった。

『レイアース』の画集で描かれた日常風景の中で楽しそうにしているキャラクターたちは、私の日常と地続きの世界に存在しているようで、とても新鮮で嬉しかった。

ゲームをしたり、スキーなどのレジャーに行く光たち。3人がウェイトレス姿でパフェを持っているイラストを今もよく覚えている(食べ物がめちゃくちゃ美味しそうなんだ…)。
一番好きだったのはミュシャ風のイラスト。あれでアール・ヌーボーに堕ちた同世代がたくさんいると思う…。衝撃的に綺麗だった。
あと、見開きのポスターか何かだった気がする、男性キャラがタキシードで勢ぞろいしているすっごい気合の入ったイラスト。超かっこよかった。
それぞれのイラストに、こういう表情するんだ、とか、この服着るとこんな雰囲気になるんだ!とか、新しい発見や喜びがあったなあ。

本編では見せない表情やシチュエーションから、キャラクターの人となりが見えてくる感じ。
もし戦う運命になかったとしたらこの子はこんな風に過ごしていたんだな、とか、もしこの人たちが一緒にいたら、きっとこういうやりとりをするだろうな、という空想。
キャラクター一人ひとりの造形が深掘りされていく・深掘りしていく楽しさを教えてくれたな、と思う。

しかも、キャラクターが立体的になってくると物語をより楽しめる。
このキャラ、ここでこういうこと言うのわかる!とか、ああ、確かにこのキャラならこういう選択をするかもしれない…とか。この状況で、きっとこのキャラはこういう思いだったんだろうな…とか。

キャラクターや物語の考察という楽しみ方の原体験が、この『レイアース』だったと思う。

まとめ

CLAMPさんの作品は、漫画好きなら何かしらには触れる機会があると思う。私のCLAMP初体験には、二次元キャラの好みが確立してしまうというかなり大きな衝撃があったようで…。自分でも気づかないくらい、大きな影響を受けていたんだなと、驚いてしまった。
今は猫目のサイコパス枠もあるので、少しずつ変わってきてるのかもしれないけど。

それに、二次元という自分とは違う世界に生きているキャラクターを「リアルにとらえる」という作業を初めてしたのもこの作品だったかな、と思う。
まだまだ人生経験の貧弱な私に、「人はいろんな一面を持っている」ということを示し、それを「楽しい」と思わせてくれたのは、CLAMPさんの素敵なイラストのおかげだな、と思う。

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