映画感想/『JUNO/ジュノ』

ジェイソン・ライトマン 2007

 『ヤング≒アダルト』『マイレージ・マイライフ』で大好きになったジェイソン・ライトマン監督の大ヒット作を鑑賞。

 ジュノが子供を養子に出すのをためらうところを一切描いていないところがすごく良かった。女性の「母」の部分を美化する話はゴマンとあるし。
 ジュノと周りの人との関係性もすごく自然で良い。ジュノとリアの悪友関係、マークとの趣味を通したフラットな関係、家族、特に継母ヴァネッサとの信頼のある関係。(あんまりグッとは来なかったけど)他の人には分からないかもしれないけど、私は好き、と言い切れる彼氏との関係。

 主人公/ヒロインだからと言って、周りの人を元気にする特別なパワーを持つような(”彼女が笑顔だとみんなが元気になる”みたいな、朝ドラヒロイン的)存在には描かれてない。ジュノは、自分が大切に思う人、自分を理解してくれる人、自分が自然体でいられる人との時間を大事にしているだけ。それがすごく等身大で、でも芯があって、クール。

 監督及び脚本のディアブロ・コーディが描く、周りから「ちょっと変」って思われている(ジュノのような)登場人物がすごく好き。
 変人だけど別にそれを直すわけでもなく自分の生き方を貫いて、色々トラブルを起こしたり巻き込まれたり、嫌われる人には嫌われちゃったりしながらも、最終的には自分を肯定して生きていく、みたいな。
 素直でいる勇気をもらえる作品でした。

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