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正規分布の思い出 4

 ボクは山本七平の本で「事大主義」という言葉を知りました。

 徴兵検査の場所へ行くと、とても威張った態度で指図する軍人がいました。よく見ると、自分の家にも出入りしていた酒屋の御用聞きでした。愛想の良い御用聞きだった男が、検査に来た若い子たちを横柄に小突き回しているのでした。しばらくして終戦後、その男はまた愛想の良い御用聞きに戻っていました。

 この男が無節操なゲス野郎なのではなく、典型的な日本人〜事大主義者なのだそうです。

 ボクは嫌ですが、何代も続いてきた主義を簡単に捨てられないので、ある程度、事大主義者であるのは否めません。子は親を映す鏡ですから。でも、程度はかなり軽いのではないかと思います。

 そんなわけで次のようなグラフを思いつきました。

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 戦時中は勇ましいスローガンのもと「玉砕」とか叫んでいたのが、終戦後はケロッとしてマッカーサー元帥を崇拝してしまうボクたちの父母や祖父母の世代の人々。空襲や原爆で同胞が大量虐殺されたにもかかわらず、です。

 今は、感染爆発だとか医療崩壊だとかロックダウンだとか騒いでいますが、どんな結果にせよ終わればケロッとしているのでしょう。欧米諸国に比べて圧倒的に軽微な被害に終わるか、悲惨な結果になるかわかりませんが。

 大本営発表は、日本軍が負けているのに、勝った勝ったと言っていたそうですが、今は逆に、勝っているのに負けていると言っているように思います。

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