第104回全国高等学校野球選手権大会各都道府県大会予選の展望

初めてまして!note書く書く詐欺をしていたサーモンと申します!noteを書きたいな〜書きたいな〜と思いながら全く着手しませんでしたが、先日行われた春の甲子園を見て、着想を得たので書くことにしました。初めて書くnoteなので、稚拙な文章になると思いますが、どうか温かい目でご覧頂けると幸いです。
このnoteでは今夏の甲子園に出場しそうな49校の展望(予想)と優勝予想を行っていきます。では本題に入ります。

※印の見方、◎→本命、○→対抗、△→チャンスあり、☆→私的注目校

北北海道大会

◎クラーク記念国際 ○旭川実業 △旭川明成 ☆白樺学園

北北海道大会の本命はセンバツにも出場したクラーク記念国際。夏の甲子園に出場となれば、初出場した2017年以来5年ぶりとなる。投手陣は左の山中麟人(北海道栄シニア)と最速148km右腕の辻田旭輝(岩見沢シニア)の2枚看板が強力で攻略するのは至難の業。トップバッターの金原颯(石巻中央シニア)や下級生の新岡歩輝(弘前白神シニア)らが引っ張る打線が援護できれば、春夏連続出場もあり得る。対抗には昨秋の道大会準優勝の旭川実業が有力だ。旧チームから登板経験があるエース佐々木聖和(中学軟式)は安定感抜群で大崩れしない。外野兼任の右腕黒木巴瑠(旭川西シニア)、キレで勝負する左腕五十嵐翼(とかち帯広シニア)と投手陣は盤石だ。打線では小柄(160/66)でもぴりりと辛い2番打者の弓削智也(旭川西シニア)らしぶとい打者が多い。打倒クラーク記念国際の1番手だ。昨秋の道大会ベスト8組では旭川明成を推したい。エースの三上太士(中学軟式)はスライダー、カットボールを駆使して打ち取る本格派右腕。チームを率いる千葉監督の息子、左腕千葉隆広(旭川北稜球団)も下級生ながら主力だ。荒木隼杜(北見シニア)、石田隼太(中学軟式)の長打力にも期待したい。そして個人的な注目校として挙げたいのが、白樺学園。チーム力は2020年交流試合に出場した代と比べて少し劣るが、好選手が揃っている。エースの石上翼(南空知ベースボールクラブ)は176cm/57kgと華奢だが、140km近い速球と変化球で前評判の高かった札幌第一相手に1失点完投とスタミナ面も申し分ない。打線は下級生5人がスタメンに名を連ねる若いチームだが、きっかけ1つで大きく変貌を遂げる可能性がある。特に4番を打つ金丸翼(洞爺湖シニア)はチェックしておきたい選手だ。今夏の予選を制してプロ野球オリックスバファローズっぽさのある新ユニフォームを全国の高校野球ファンにお披露目したい。4校以外では旭川大高、名寄支部の士別翔雲に注目したい。

南北海道大会

◎東海大札幌 ○札幌国際情報 △札幌大谷 ☆知内

南北海道大会の本命は東海大札幌だ。旧チームから出場する選手が7人残り、プロ注目の149km左腕門別啓人(中学軟式)というスペシャルな存在もいる。投手陣は門別だけでなく、マウンドにも上がる捕手唐川侑大(旭川北稜球団)、下級生左腕の阿部堅心(釧路シニア)と計算できる投手がいる。切り込み隊長で守備も良い武田龍之介(札幌北広島ボーイズ)、佐藤利樹(札幌北シニア)、4番の唐川と続く打線は北海道でも有数。甲子園に出場できれば近畿や関東の強豪相手でも十分戦えると見ている。昨秋4強の札幌国際情報も悲願の甲子園初出場を狙う。主戦の三浦隼太郎(中学軟式)は右の長身アンダースローで高校生には中々居ないタイプ。秋に怪我で戦線離脱したエースの小泉太陽(中学軟式)が復帰すれば強力な2枚看板が完成する。打線はリードオフマンの高根稜真(札幌新琴似シニア)から9番の三浦まで切れ目がない。3番の佐藤大和(恵庭シニア)、2年生の5番尾崎来飛(中学軟式)は柵越えできるパンチ力がある。夏の戦いぶりが楽しみだ。昨秋に東海大札幌と壮絶な打撃戦を繰り広げた札幌大谷飯田星哉(札幌大谷シニア)、天野凰介(札幌豊平シニア)、丸山雄大(北斗ベースボールクラブ)ら一発のある打者が揃っており、相手にとっては脅威になりそう。課題の投手陣の整備が進めば上位進出もあり得る。公立校で注目したいのが郡部校の知内だ。奥尻島出身のサウスポー坂本拓己(中学軟式)は最速147kmのストレートを内角にズバズバ投げ込む本格派。外野兼任で4番を打つ馬躰光瑛(中学軟式)も140kmを超えるストレートを投げ込む。投手陣は計算できるだけに、課題は先発メンバー7人が左打者の野手陣。俊足の山本朔也(中学軟式)、中村颯佑(洞爺湖シニア)らの奮起に期待したい。4校以外では札幌第一北照北海札幌日大あたりの巻き返しに期待したい。

青森大会

◎八戸工大一 ○青森山田 △八戸学院光星 ☆東奥義塾

青森大会は度々好投手が出現する、昨秋東北大会4強の八戸工大一に期待したい。今年のエース廣野風雅(中学軟式)も例に漏れず好投手だ。140kmを超える速球とスライダーを淡々と投げる本格派で、東北大会を1人で投げきったようにスタミナ面も問題ないが、欲を言えば廣野の負担を軽減できる2番手の出現に期待したい。打線は日本代表経験のある砂頼人(三沢シニア)と強肩強打のキャッチャー葛西凜(???)ら主軸に期待できる。同じく東北大会4強の青森山田は投げっぷりの良い左の堀内友輔(佐倉シニア)、内野兼任の右腕馬場大河(青森山田シニア)、外野兼任の技巧派左腕木村虎鉄(青森山田シニア)、2年生の山村陽(青森山田シニア)らタイプの違う投手が多数控えている。選手層は青森県トップクラスなだけに、強力投手陣を打線が援護できれば4年ぶりの甲子園も見えてくるだろう。八戸学院光星は期待の逸材洗平歩人(佐倉シニア)が最終学年を迎える。140km超右腕宇田海希(寝屋川中央シニア)、左腕渡部和幹(志村ボーイズ)も好投手だ。打線は光星らしくパンチ力のあるバッターが揃っており、特に4番打つ野呂陽翔(弘前白神シニア)は注目のバッターだ。41年ぶりの甲子園出場を目指す東奥義塾は本格派の角田楓斗(藤崎桜城シニア)、木村駿介(???)、内野兼任の中田歩夢(中学軟式)と枚数が揃っている。打線はリードオフマンの高田知希(弘前シニア)を中心に率を残せるバッターたちが並んでおり、打ち取るのは容易ではない。4校以外では昨夏甲子園出場の弘前学院聖愛、多くのピッチャーを擁する弘前南、好投手がいる弘前工業柏木農業三沢木造、総合力が高い野辺地西青森商業八戸西大湊の戦いぶりも気になるところだ。

岩手大会

◎花巻東 ○盛岡大付 △盛岡中央 ☆花巻南

岩手大会の本命は春夏連続出場を狙う花巻東だ。投手陣はコーナーに投げ分けるサウスポー 萬谷大輝(盛岡北シニア)、右のサイドスロー工藤翔大(中学軟式)、次期エース候補の本格派北條慎治(中学軟式)とタイプの違う投手を3人揃えている。打線は佐々木麟太郎(金ヶ崎シニア)、田代旭(金ヶ崎シニア)、小澤修(中学軟式)の中軸が超強力だ。センバツでは拙守が目についただけに、守備力の向上が見られているかにも注目したい。昨夏甲子園出場の盛岡大付船生裕斗(西成ボーイズ)、中沢舟太(高崎ボーイズ)、柴田由庵(武蔵府中シニア)が伝統の強力打線を引っ張る。左腕武石圭哉(中学軟式)、川中翔斗(岩手東ボーイズ)、小野寺琉希也(岩手ボーイズ)の技巧派トリオが踏ん張れば2年連続の甲子園が見えてくる。149km右腕の齋藤響介(中学軟式)を擁する盛岡中央は大型右腕の藤田寛大(中学軟式)、小笠原彩(中学軟式)ら他の投手陣がどれだけ負担を軽減できるか。野手陣は佐々木優吾(中学軟式)、菊池快(中学軟式)ら経験豊富なメンバー達が相手投手を攻略する。公立勢では昨秋4強の花巻南に注目だ。エースの柿澤佑多(中学軟式)は最速140kmの速球と変化球を操る本格派で、公立ではトップクラスの素質を持つ。打線は強打の4番澤田航太(???)が勝負強い。エース柿澤の仕上がり、2番手の佐々木清尊(盛岡東シニア)の成長次第では2強をあっと言わせる展開になるだろう。秋に続いての旋風に期待したい。その他の高校では秋に花巻東と打ち合った黒沢尻工、春の東北大会出場の久慈に注目だ。

秋田大会

◎大館桂桜 ○能代松陽 △大曲工業 ☆秋田南

有力校が多く、大混戦が予想される秋田大会。4校に絞るのが非常に難しかったが、昨秋の東北大会1勝の大館桂桜の甲子園初出場に期待したい。注目選手はエースの福田春輝(中学軟式)は最速142kmの直球を軸に投球を組み立てる本格派。3番打つバッティングでも勝負強い。ナインは取れるアウトを確実に取り、粘り強く戦う野球が持ち味。スタメン9人中6人が大館市立下川沿中出身のメンバーで結束力も高い。昨秋県大会優勝の能代松陽はストレートに力があるエース三浦凌輔(中学軟式)と2年生の森岡大智(北鹿クラブ)の2枚看板が自慢。攻撃陣は小柄だがパンチ力のある田中元輝(中学軟式)、相澤海大(能代シニア)ら好打者が揃っている。今年こそ能代商業から校名変更後初の甲子園なるか。6年ぶりの甲子園出場を目指す大曲工業は今秋のドラフト候補にも挙げられている本格派の長淵星河(中学軟式)、遊撃兼任の143km右腕石山怜偉(中学軟式)の2枚看板は秋田でも屈指。打線は石山来偉(中学軟式)、加藤光陽(中学軟式)、下位では明平智快(中学軟式)に一本が出ればチームが乗る。右のパワーサイド塚田将正(中学軟式)、ヒットメーカー梶原彩人(中学軟式)と投打の核が残る秋田南も楽しみなチームだ。先述した通り大混戦が予想されるだけに昨夏の甲子園に出場したメンバーが残る明桜、好投手擁する本荘秋田中央金足農業、総合力が高い大館鳳鳴秋田商業秋田大曲農業あたりもチャンスがあると見ている。

山形大会

◎酒田南 ○日大山形 △山形中央 ☆鶴岡東

私学を中心に力のあるチームが多い山形県は酒田南を推したい。プロ注目の田村朋輝(町田シニア)は制球にばらつきが残るものの、140km台のストレートを投げ込む本格派。2年生のサウスポーの阿部勇翔(中学軟式)、同じく2年生サウスポーで技巧派の鈴木倖神(中学軟式)、外野兼任で中軸も打つ2年生中圭佑(泉佐野シニア)と3人の下級生が田村を支える。打線は桐花幸甫(水戸シニア)、黒川琉唯(泉佐野シニア)、恐怖の9番打者神原健人(泉佐野シニア)の2年生3人に1本が出れば面白い。昨夏甲子園出場の日大山形は甲子園のマウンドを経験した大類興雅(七ヶ浜シニア)がエースに成長。リリーフには内野兼任の花岡悠希(中学軟式)、外野兼任の八鍬誓心(新庄シニア)、左腕の宇治田宙(相模ボーイズ)が控える。打線は夏の甲子園経験した大場陽南斗(中学軟式)、梅津康生(山形東部ボーイズ)が引っ張る。2014年以来の甲子園出場を目指す山形中央は伝統的に左腕が育つ傾向にあるが、今年の主戦投手である瀬野舜介(中学軟式)とエースナンバーを背負う2年生武田陸玖(中学軟式)も例に漏れずサウスポーだ。瀬野はコントロール、武田は球威のあるストレートが持ち味で、ともに完投能力がある。打線は武田、3番の小原佳剛(金ヶ崎シニア)、2年生の4番木村祐葵(中学軟式)に注目したい。鶴岡東矢部充稀(村上シニア)、2年生の佐藤一汰(中学軟式)、橘春汰(中学軟式)、西村航希(東堺ボーイズ)のタイプの違うサウスポー4人、さらに速球派右腕の渡辺千尋(北摂シニア)、小林廉(佐久シニア)の計6人のピッチャーを適材適所で投入して戦う。投手陣の層は山形トップクラスなだけに武田虎白(河南シニア)、いやらしさ満点の濱田敦也(愛知津島ボーイズ)、長打が期待できる土屋奏人(佐久シニア)、小林昇一郎(本庄ボーイズ)ら野手が援護できれば、3年ぶりの甲子園が見えてくる。その他の高校では東海大山形創学館羽黒が楽しみだ。

宮城大会

◎仙台育英 ○東北 △古川学園 ☆利府

やはり仙台育英が選手の層、質ともに抜けている。エースナンバーを背負う左腕斎藤蓉(酒田シニア)は最速142kmの速球とカーブ、チェンジアップ、スライダー、カットボールを操る好左腕。甲子園でも投げた古川翼(中学軟式)の復活にも期待したい。技巧派の小林寛大(中学軟式)、期待の下級生田中優飛(横浜緑ボーイズ)の2人の左腕はリリーフで待機する。打線は1年春からレギュラーの齋藤陽(東北楽天シニア)、岡田大成(中学軟式)、遠藤太胡(新庄シニア)を中心に怖い打者が並んでいる。春の東北大会準優勝の東北は昨夏から主戦で投げている小倉勝貴(葛城磯城シニア)、野球関係者が熱視線を送る2年生のハッブス大起(上尾シニア)2枚看板に加え、高野秀(七ヶ浜シニア)、2年生左腕の秋本羚冴(大館シニア)ら3番手以降の投手の成長が著しい。選手層は仙台育英とも引けを取らないだけに、金井翔陽(盛岡姫神シニア)、マウンドにも登る伊藤千浩(中学軟式)、生方一成(調布シニア)といった野手陣が援護できれば、道は開ける。2強以外で注目したいのが、古川学園利府だ。古川学園は140kmを超える速球を投げる右腕の三浦龍政(南仙台ボーイズ)とキレッキレのスライダーが武器の今野一成(南仙台ボーイズ)の2人は宮城でも屈指。野手では小底拳翔(横浜瀬谷ボーイズ)、青沼勇心(南仙台ボーイズ)のバッティングに期待したい。利府は投打の中心眞木佳唯斗(宮城黒松シニア)、長打力のある石垣友希(宮城北部シニア)、遊佐裕太(宮城北部シニア)の上位打線が力を発揮すれば、秋の再現かそれ以上もあり得る。思い返せば昨夏の県大会、センバツに出場した柴田と仙台育英が4回戦敗退、東北が準々決勝で敗退と波乱が続いた。優勝した東北学院は甲子園で愛工大名電相手に勝利し、宮城の高校野球に新たな1ページを刻んだ。今大会もニューフェイスが甲子園切符を掴むのか、はたまた仙台育英、東北といった常連校なのか、楽しみでワクワクが止まらない。

福島大会

◎東日本国際大昌平、○聖光学院 △学法石川 ☆磐城

福島は東日本国際大昌平に期待したい。投手陣は経験豊富なエース鈴木飛呂夢(山形東部ボーイズ)、140km台中盤のストレートを操る草野陽斗(いわき松風クラブ)の2枚看板に力があり、園部寛太(中学軟式)、立花光(東京青山シニア)は粘り強く投げる。野手では出塁率の高い室塚幸一(中学軟式)、好打者佐藤壱聖(水戸青藍舎ヤング野球倶楽部)、主砲の斎藤夏輝(中学軟式)、渡部航史(中学軟式)を中心に細かいところを詰めて、好機で1本が出れば面白い。センバツ出場の聖光学院は抜群の制球力と多彩な変化球を操る佐山未來(東京神宮シニア)、小柄なサウスポー小林剛介(横浜南ボーイズ)はともに完投能力があり、安定感がある。打者では2年生の三好元気(武蔵府中シニア)、山浅龍之介(東北楽天シニア)の左右の強打者が良い。選手層だけならナンバーワンの学法石川は大型右腕の遠藤愛斗(中学軟式)、140km台中盤のボールを投げる阿部琉乃(金ヶ崎シニア)、二上心明(塩釜中央シニア)の右投手3人がゲームを作る。打線は巧打の権守玲皇(水戸シニア)、倉田春也(八王子シニア)、1発のある上野洸明(埼玉spヤング)、黒川凱星(京葉ボーイズ)ら経験豊富なメンバーが引っ張る。公立では秋に聖光学院と熱戦を繰り広げた磐城に注目したい。高校からピッチャーに転向したエース緑川優斗(中学軟式)は右のサブマリンで強豪校でも対応に苦労するタイプ。打線はリードオフマンの渡辺玄輝(いわきシニア)、1年秋から正捕手の野部福太朗(中学軟式)、2年生の折内康太郎(いわき松風クラブ)、2年生の水野旺亮(いわきシニア)ら小柄でもやれる選手が多い。この夏あっ!と言わせる戦いぶりを見せる可能性があるチームだ。4校以外にも甲子園を経験した只見、昨夏甲子園出場の日大東北、公立ではいわき光洋福島商業光南と力がある学校が多い。

茨城大会

◎明秀日立 ○土浦日大 △藤代 ☆鹿島学園

春夏連続出場を狙う明秀日立が1番手か。投手陣はエースで中軸を打つ猪俣駿太(喜多方ボーイズ)が大黒柱としてフル回転しているが、欲を言えば猪俣を支える投手が欲しい。外野兼任の左腕石川ケニー(瀬谷シニア)、高橋遼(宮城仙北ボーイズ)、岡部真之佑(横浜南ボーイズ)の台頭が待たれる。打線は武田一渓(大阪泉大津ボーイズ)、小久保快栄(和歌山ボーイズ)、佐藤光成(宮城仙北ボーイズ)らフィジカル自慢の打者達が並んでおり、相手投手を威圧する。土浦日大山田奏人(取手シニア)、河野智輝(東京城南ボーイズ)の右腕コンビの継投で勝負する。打線はともに2年生の太刀川幸輝(太田水門ボーイズ)、後藤陽人(流山ボーイズ)の1、2番コンビが出塁し、プロも注目する吉次悠真(前橋桜ボーイズ)、長打のある2年生香取蒼太(大洋ボーイズ)で返すのが得点パターンだ。昨秋準優勝の藤代は右の渡辺峻太朗(中学軟式)、左の新関颯太(中学軟式)、2年生左腕の大竹諄(取手シニア)の3投手が登板。エースナンバーを背負う新関は球速以上にキレのあるボールを投げ、渡辺は低めに集めて打ち取る技巧派、大竹は新関とタイプが似ている。打者では1番の川原翔(取手シニア)を含め取手シニア出身の選手が6人並ぶ。特に強打の4番園田嵩聡(取手シニア)は怖い存在だ。昨夏甲子園出場の鹿島学園は甲子園でも投げた速球派の大川塁(大野シニア)が一本立ち。ゲームメイク能力の高い左の小池一輝(匝瑳シニア)も成長を見せている。打線は船田琉斗(大野シニア)、平塚将馬(大洋ボーイズ)、羽鳥颯(なめがたシニア)、高久塁(栃木下野シニア)の4人が旧チームからレギュラーでチームを引っ張る存在だ。常総学院霞ヶ浦水戸商業竜ヶ崎一といった実力校も巻き返しを図る。

栃木大会

◎白鴎大足利 ○作新学院 △文星芸大付 ☆高根沢

秋の結果を見て最初に思ったのが、「この世代の栃木はどこの高校が甲子園に来るんだろう…」。例年以上に混戦が予想される栃木大会だが、個人的に気になるのが白鴎大足利だ。エースの齋藤祥汰(会津ボーイズ)は変化球を駆使した粘り強いピッチング持ち味で、打者としても4番を務めるチームの大黒柱だ。打線は1番の吉澤諒(県央宇都宮ボーイズ)、2年生の主砲阿部快俐(佐野ボーイズ)、林虎之介(東京和泉ボーイズ)ら楽しみな選手が揃う。昨秋は8強で終わった夏の王者作新学院川匂涼平(中学軟式)、横尾潤(足利シニア)の技巧派左腕2枚と右ピッチャーの鈴木康生(上三川ボーイズ)の3人の継投で勝負する。打線は斎藤綾介(栃木下野シニア)、磯圭太(栃木下野シニア)の2年生コンビに期待したい。昨秋準Vの文星芸大付は本格派エースの入江奏(中学軟式)、2年生左腕の澁谷優希(県央宇都宮ボーイズ)の投手陣の中心。打線は吉田翔(鹿沼ボーイズ)、2年生の曽我雄斗(鹿沼ボーイズ)、君島陽太(大田原ボーイズ)ら170cmに満たない選手が牽引する。個人的に注目しているのが高根沢。投手陣はエースナンバーを背負う薄羽啓之(中学軟式)、2年生の猪瀬空(中学軟式)、馬崎徳仁(中学軟式)のサウスポートリオの継投で試合を作る。打線は2年生のリードオフマン福山翔大(中学軟式)が出塁し、斎藤航(中学軟式)、栫流星(中学軟式)、五味渕翔(中学軟式)らが繋いで得点する。今夏も昨秋の再現なるか注目だ。4校以外では強打者揃いの佐野日大國學院栃木、好投手のいる茂木宇都宮南宇都宮工業もチャンスがあるとみている。

群馬大会

◎桐生第一 ○健大高崎 △関東学園大付 ☆利根商業

群馬の夏はこの世代の若駒杯優勝チームで、昨秋優勝の桐生第一を本命にしたい。旧チームから登板経験のある145km右腕北村流音(中学軟式)は完投能力のある本格派。2番手は右腕の飯野剛史(中学軟式)、2年生のハーフ右腕ドミンゴスキヨシ(桐生ボーイズ)、サウスポーの寺門京佑(水戸シニア)が務める。打線は強打の2番三塚琉生(八千代中央シニア)、4番の提箸優雅(佐野ボーイズ)、三森結大(横浜緑ボーイズ)の左バッター3人がキーになりそう。後は守備力が向上すれば甲子園でも十分戦えるだろう。健大高崎はカーブがキレる2年生サウスポーの加藤達哉(武蔵府中シニア)、井上修琉斗(高崎ボーイズ)、2年生の森柊太(武蔵狭山ボーイズ)、井上聖(久留米東ボーイズ)ら投手力に自信がある。打線は1番の佐々木流斗(新宿シニア)、関東大会で本塁打を記録した清水叶人(高崎ボーイズ)が中心か。昨秋荒れに荒れた守備が改善されているのかにも注目したい。ここ数年、県大会上位常連の関東学園大付は140km超えの直球を投げる堀越蒼空(足利シニア)、本格派左腕の須藤拓也(佐野ボーイズ)の2投手に注目。打線は栗本慎之介(中学軟式)、吉田壮汰(桐生ボーイズ)、小林黎空(加須シニア)が勝負強い。高橋輝(???)、野手兼任の内田湘大(群馬西毛ボーイズ)と2人の140km超え投手を擁する利根商業はダークホースになりそう。内田、眞庭和志(前橋中央ボーイズ)、大澤頼輝(前橋桜ボーイズ)の中心打者が打てば初の甲子園も見えてくる。21世紀枠関東推薦校に選出された県太田、巻き返しを図る前橋育英東農大二前橋商業前橋工業高崎商業といった伝統校。好投手擁する前橋東館林高崎商科大付も面白いチームだ。

埼玉大会

◎浦和学院 ○花咲徳栄 △大宮東 ☆上尾

やはり春の甲子園ベスト4の浦和学院が投打ともに抜けているか。センバツで打者を寄せ付けないピッチングを見せたエース宮城誇南(読谷ボーイズ)、本格派右腕の浅田康成(愛知名港ボーイズ)、内野兼任の金田優太(中学軟式)の3人の投手陣の攻略は容易ではない。センバツで打ちまくった打線は金田、鍋倉和弘(宮崎ボーイズ)、高山維月(福岡志免ボーイズ)の中軸を中心にフィジカルモンスターが揃う。秋に悔しさを味わった花咲徳栄は速球派右腕金子翔柾(新潟シニア)、技巧派左腕熊倉柚(中学軟式)、便利屋の鈴木羚也(久喜シニア)ら投手陣が豊富。藤田大清(中野シニア)、前田空(札幌真駒内シニア)、2年生の増田空(神戸須磨クラブ)、上田光浩(福南ボーイズ)、佐伯豪士(富山ボーイズ)ら野手陣も粒ぞろいだ。古豪大宮東も甲子園を狙える位置にいる。投手陣は清水慶斗(中学軟式)、高橋亮匡(中学軟式)、 吉田昂生(???)のサウスポートリオが根気よく投げる。打線は強打の1番菊谷伶央(久喜シニア)がチャンスを作り、木村壮吾(八潮ボーイズ)、山岸大吾(中学軟式)らで返すのが得点パターンだ。上尾は右サイドのエース川口翔太朗(行田シニア)と左腕倉持輝喜(行田シニア)の技巧派2枚を擁し、秋は浦和学院と善戦。今夏はヒットメーカー石川陽己(行田シニア)、元日本代表金丸健司(熊谷シニア)、2年生の4番駿河咲希也(東京神宮シニア)、野口大翔(中学軟式)ら打者陣が県内の好投手をどう攻略していくか注目したい。好投手のいる武南浦和麗明西武台、投打にバランスの取れた山村学園聖望学園浦和実業川越東あたりも上位進出が期待される。

千葉大会

◎木更津総合 ○八千代松陰 △市立船橋 ☆習志野

センバツ出場の木更津総合はエース越井颯一郎(千葉北シニア)、本格派の金綱伸吾(千葉市シニア)、右の変則ピッチャー金本琉瑚(大田水門ボーイズ)が甲子園で登板し、経験を積んだ。打線は恐怖の1番山田隼(大田水門ボーイズ)、菊地弘樹(千葉市シニア)、須永雄太(佐野ボーイズ)ら好打者が揃う。ショート空康輔(関ボーイズ)、セカンド渡辺陸(千葉北シニア)の連携、グラブ捌きにも注目。甲子園で悔しさを味わった金綱の奮起にも期待したい。毎年好チームを作ってくる八千代松陰はエースの森陽生(中学軟式)は両コーナーに質の良いストレートを投げる。リリーフでは水谷鑑人(中学軟式)、一色健也(中学軟式)の両2年生が控える。打線は1番の解良春翔(江戸川中央シニア)が出塁してチームに勢いを付ける。春優勝の市立船橋も甲子園を狙える位置にいる。投手陣は130km後半の速球を投げ込む左腕森本哲星(中学軟式)、 右腕坂本崇斗(中学軟式)の2枚看板を中心に力がある。打線は今秋のドラフト候補にも名前が挙がる片野優羽(白井中央ボーイズ)、黒川裕悟(京葉ボーイズ)が中心になってくる。投打が噛み合えば2007年以来の甲子園もあり得る。2019年以来の甲子園を狙う習志野古賀海音(中学軟式)、鈴木颯太(八千代ボーイズ)、関順一郎(佐倉シニア)、吉川凌平(白井中央ボーイズ)の右ピッチャーカルテットが強力。打線は2年生の栗山護一(松戸中央ボーイズ)、サーモンのイチオシ選手である竹内奏楽(白井中央ボーイズ)、栗原政梧(佐倉シニア)が牽引する。3年ぶりの甲子園を目指して頑張れ習志野、今年も1ファンとして応援する予定だ。好投手のいる東海大市原望洋暁星国際成田市原中央拓大紅陵、イチローから指導を受けた千葉明徳、バランスの取れた専大松戸千葉黎明、君津商業にも注目だ。

東東京大会

◎帝京 ○関東一 △二松学舎大付 ☆修徳

帝京は新指揮官の采配に注目したい。エースナンバーを背負うのは2年生の高橋蒼人(埼玉SPヤング)140kmを超える速球と落ちるボールを低めに集めて、打者を打ち取る本格派右腕だ。2年生左腕の安藤翔(江戸川南ボーイズ)、右の佐久間光正(中学軟式)も力がある。小島慎也(東練馬シニア)、渡邊礼(武蔵府中シニア)、大塚智也(桐生ボーイズ)の中軸は小柄だが、全員に1発がある。関東一は右の成井颯(取手シニア)、左の桝川颯太(千葉西シニア)がともに安定感がある。そこに一冬越えて成長した左の大場慎之介(足立ブラックキラーズ)、外野兼任の速球派右腕井坪陽生(八王子シニア)が割って入れば、投手陣はさらに盤石になりそうだ。打線は相手の警戒を掻い潜る超俊足の柳瀬冬和(小岩ジュニアナインズ)に注目したい。センバツを経験した二松学舎大附は左腕布施東海(世田谷南ボーイズ)、外野兼任の大矢青葉(長野東シニア)、辻大雅(湘南ボーイズ)ら投手陣がどこまで巻き返せるか。センバツで荒れてしまった守備ももう一度見直したいところだろう。打線は親富祖凪人(湘南ボーイズ)、瀬谷大夢(友部シニア)、小林幸男(長野東シニア)らが相手投手を攻略する。2013年以来の甲子園を目指す修徳は2年生の最速140km長身右腕篠崎国忠(中学軟式)に注目が集まっている。竹澤尚輝(中学軟式)、永島友貴(中学軟式)もリリーフで控える。打者はマン振りが持ち味の佐藤大空(江戸川中央シニア)に注目だ。4校以外では都立の強豪小山台城東、毎年好チームを作ってくる東亜学園日大豊山、好投手のいる郁文館淑徳東京成徳大明大中野に期待したい。

西東京大会

◎東海大菅生 ○國學院久我山 △日大三 ☆狛江

2年連続の甲子園出場を狙う東海大菅生の戦力が充実している。投手陣は秋に主戦として投げた多井耶雲(愛知名港ボーイズ)、2年生の長身右腕日當直喜(鐘ヶ淵イーグルス)、豊岡遥翔(尾道シニア)の3枚が強力。怪我からの復帰を目指す鈴木泰成(友部シニア)が夏にエースとして戻ってくれば、層はさらに厚くなるだろう、。打線は甲子園でホームランを放った鈴木悠平(忠岡ボーイズ)、スマートなキャッチャー福原聖矢(安仁屋ヤングスピリッツ)、サラブレッド小池祐吏(中本牧シニア)ら旧チームから出場している選手が引っ張る。夏に向けて細かいミスを極力なくす事が出来れば、今年も優勝候補だろう。センバツベスト4の國學院久我山はアウトコースの出し入れが上手いエース右腕の成田陸(中学軟式)、ストレートとスライダーのコンビネーションが持ち味の左腕渡邊建伸(墨田ウイングス)、140km近い速球が武器の左腕松本慎之介(田無シニア)のタイプの違うピッチャーを3枚揃える。ヒットメーカーの齋藤誠賢(京葉ボーイズ)、2年生の木津寿哉(中学軟式)、甲子園で1発を放った下川邊隼人(小金井シニア)、 大野良太(浦安シニア)ら打者でも楽しみな選手が多い。センバツベスト4のチームは夏の甲子園に帰ってこれないとかいうしょーもないジンクスを是非とも覆してほしいチームだ。日大三はチェンジアップが武器の矢後和也(志村ボーイズ)、しなやか系の左腕松藤孝介(都筑中央ボーイズ)、140km近い直球を投げる2年生安田虎汰郎(袖ケ浦シニア)ら将来性豊かなピッチャーが多くベンチ入りしている。野手ではサーモンイチオシの3番富塚隼介(世田谷西シニア)、1発長打が魅力の4番浅倉大聖(世田谷西シニア)、川崎広翔(上三川ボーイズ)ら強打者が揃う。昨秋ベスト8に進出し、都の21世紀枠推薦校に選出された狛江はエースで4番の山崎優(調布シニア)が大黒柱。脇を固める2年生の杉本裕世(武蔵府中シニア)、 海保将吾(???)の打棒もチェックしたい。好投手のいる創価明大中野八王子八王子早大学院、巻き返しを図る早稲田実佼成学園にも注目だ。

神奈川大会 

◎東海大相模 ○横浜 △横浜商大 ☆桐光学園

今年も2強を中心に大会が進行していきそうだ。昨夏の悔しさを晴らしたい東海大相模は甲子園でも投げた求航太郎(川崎中央シニア)、庄田聡史(県央宮崎ボーイズ)、庄司裕太(町田シニア)、武井京太郎(浮羽ボーイズ)の4人の投手陣は全国でも屈指。打線は伊藤航大(大田原ボーイズ)、2年生の及川将吾(佐倉シニア)ら高い能力を持った選手達が並ぶ。2年連続の甲子園出場を狙う横浜は甲子園を経験した2年生エース杉山遙希(東京城南ボーイズ)、田高康成(中本牧シニア)の左右の軸となる投手が残っている。打線は玉城陽希(中本牧シニア)、2年生の4番萩宗久(瀬戸シニア)、山崎隆之介(東京城南ボーイズ)ら体格の良い選手が打線を引っ張る。緒方漣(オセアン横浜ヤング)、鉾丸蒼太(中学軟式)の守備にも注目したい。2強以外で注目したいのが横浜商大だ。投手陣は安定感のある濱田大翔(横浜青葉ボーイズ)、本格派の石川涼太(旭中央ボーイズ)の2枚擁する。打線は三浦豪大(伊勢原シニア)、間瀬智基(横浜青葉シニア)、吉永友太郎(オセアン横浜ヤング)、木下騰吾(川崎中央シニア)、塩沼充(中本牧シニア)ら強い打球を放つ打者が多く並ぶ。2強の間を割って入れるか注目だ。桐光学園はエース針谷隼和(横浜緑ボーイズ)が力強い速球を投げる。安定感抜群の中平陽翔(横浜緑ボーイズ)、左腕高橋琉士(湘南ボーイズ)も針谷を支えたい。萱哲郎(調布シニア)、米山幸汰(秦野シニア)、 石井嘉朗(海老名シニア)ら野手陣のプレーにも注目。4校以外では昨秋準Vの向上、好投手がいる大師鎌倉学園平塚学園横浜商業藤沢清流、巻き返しを図る慶應義塾相洋三浦学苑日大藤沢武相横浜創学館横浜隼人、バッティングに自信のある相模原弥栄県相模原、川和と挙げればキリがない。大会を熱くさせるニューフェイスの登場にも期待したい。

山梨大会

◎山梨学院 ○東海大甲府 △帝京第三 ☆日川

春夏連続出場を目指す山梨学院が頭1つ抜けているか。エースの榎谷礼央(浜松シニア)は大崩れしない。右の山田悠希(中学軟式)、左の技巧派芦沢幸輝(中学軟式)もリリーフで控える。上位から下位まで切れ目のない打線は鈴木斗偉(横浜緑ボーイズ)、2年生の高橋海翔(世田谷西シニア)、相澤秀光(甲府南シニア)、 岩田悠聖(静岡裾野シニア)ら好選手が揃う。東海大甲府はジャイアンツカップ優勝経験のある山口優星(東練馬シニア)、2年生左腕田頭翼(大阪東ボーイズ)、貴島爽太(神谷ライオンズ)、森木千汰郎(豊島シニア)、今春入学の左腕山本翔斗(大田水門ボーイズ)らタイプの違うピッチャーが多数在籍している。夏の大会はどの投手がベンチ入りするのか気になるところだ。打線は乙黒颯斗(中学軟式)、センバツを経験した猪ノ口絢太(佐野シニア)、平野泰成(東練馬シニア)らバッティング自慢の選手達がスタメンに名を連ねる。秋に負けた山梨学院相手にリベンジなるか。昨秋準Vの帝京第三はカットボールが武器のエース三上大貴(所沢南シニア)、山﨑楓也(中学軟式)の右腕コンビが要所を締める。打線は2年生の松永翔亜(所沢南シニア)、中橋慶(愛知刈谷ボーイズ)、小泉天虎(志村ボーイズ)らが相手投手に全力で向かっていく。公立では9年ぶりの甲子園を狙う日川が面白い。投手陣は右のアンダースロー穐山博次(???)、左腕宿澤拓未(中学軟式)、丹澤塁(北杜ボーイズ)、白須一至(中学軟式)と4人揃える。打線は小澤亘生(中学軟式)、久保井悠成(中学軟式)、渡邊竜真(笛吹ボーイズ)らが繋いで繋いで点を取る。4校以外では好投手がいる甲府一身延、地力のある駿台甲府日本航空富士学苑の私学勢、甲府工業甲府商業青州といった伝統校、甲府西甲府城西といった公立校も虎視眈々と上位を狙う。

新潟大会

◎帝京長岡 ○日本文理 △中越 ☆北越

新潟大会は元日本ハムの芝草宇宙監督率いる帝京長岡に注目だ。投手陣は今秋のドラフト候補にも名前が挙がる茨木秀俊(札幌東シニア)が140km超えの直球とチェンジアップ、スライダーで打者を制圧する。奪三振能力が高く大崩れしないのも特徴だ。打線は主将水瀬匡亮(中学軟式)、 好打が光る3番幌村黛汰(日高シニア)、台湾出身の主砲ボーウェイジャン(中学硬式)らが茨木を援護する。日本文理は150km近いボールを投げる田中晴也(中学軟式)、右腕村越仁士克(中学軟式)の2枚看板が自慢。 竹野聖智(中学軟式)、2年生の高橋史佳(中学軟式)、玉木聖大(中学軟式)ら軟式上がりの強打者たちにも注目だ。中越は140km超えのストレートと変化球が武器の小幡拳志郎(???)が先発し、左腕小宮山久登(???)らがリリーフで控える。打線は吉井愛斗(長岡シニア)、2年生の山井祐希(長岡東シニア)の1、2番コンビが出塁し、かき回す。昨秋優勝の北越は打たせて取るピッチングが持ち味の山倉大武(中学軟式)、2年生の山田直輝(中学軟式)、外野兼任のスリークォーター西潟晴斗(中学軟式)のタイプの違う左腕3人の継投で勝負する。打線は長谷川泰暉(新潟ボーイズ)、齋藤心羽(新発田シニア)ら左バッターが中心だ。4校以外では新潟明訓東京学館新潟加茂暁星関根学園上越新潟産業大付といった私学勢、村上桜ヶ丘新潟工業新発田南といった実力派公立校に注目したい。

長野大会

◎東京都市大塩尻 ○松商学園 △長野日大 ☆岡谷南

例年通り好チームが多く、各校の実力差がほぼないが、楽しみなのは昨秋準Vの東京都市大塩尻だ。打者の手元で動くボールが持ち味の右腕今野瑠斗(新宿シニア)、 キレで勝負する左腕三澤俊介(伊北シニア)の2枚看板は旧チームから登板機会があり経験が豊富だ。打線はリードオフマンの小松大夏(伊北シニア)、主砲山岸高大(須坂シニア)、清水はく(丘クラブ)、清水みと(丘クラブ)兄弟らが2枚看板を援護する。2年連続の甲子園出場を目指す松商学園は甲子園でも好投したサウスポー栗原英豊(新潟ボーイズ)が130km台後半の速球とスライダーで打者から三振を奪える。齋藤新太(磐田ボーイズ)、大塚舜生(中野シニア)の二人の下級生左腕も登板機会をうかがう。小野直哉(塩尻シニア)、石田憲成(神戸西シニア)、金井創(長野東シニア)、吉水真斗(松本南シニア)ら打線も強力だ。長野日大はエースの長坂拓磨(中学軟式)、大屋快(長野東シニア)、2年生の木村凌士(須坂シニア)の3人の継投で試合を作る。3投手とも丁寧なピッチングを心掛ける右ピッチャーだ。打線は2年生の青木悠斗(千曲ボーイズ)、 主将青木翔夢(長野若穂シニア)、吉良尚喜(長野東シニア)の3人が楽しみだ。公立ながらここ数年上位に食い込んでいる岡谷南も期待が持てる。投手陣は長嶺翔(岡谷シニア)、ともに野手兼任の小澤翔(諏訪ボーイズ)、味澤拓未(中学軟式)の3投手がそれぞれ登板し、打者を打ち取る。打線は勝負強い小口航生(中学軟式)、味澤、小口太一(中学軟式)らが鋭い打球を飛ばし、得点に結びつける。昨秋の北信越大会出場の東海大諏訪上田西日本ウェルネス長野佐久長聖長野俊英の私学勢、松本深志小諸商業岩村田飯山長野商業、春準優勝の篠ノ井といった公立校も上位に食い込みたい。

富山大会

◎富山商業 ○富山第一 △高岡商業 ☆氷見

富山の夏は昨秋の北信越大会4強の富山商業が頭1つ抜けているか。エースの前田隼弥(富山シニア)はストレートの球速帯は130km前後だが、カーブ、スライダーで緩急をつけてバッターを打ち取る技巧派右腕。コントロールとスタミナも申し分ない。変化球がキレる浮田拓弥(???)、期待の下級生上田海翔(中学軟式)も控える。打線は中学時代に東京ドームでホームランを放った経験がある前田、福田慎之介(富山ヤングベースボールクラブ)、高田銀士(中学軟式)、2年生の毛利圭史(富山ボーイズ)ら1番~9番までどこからでもチャンスを作れる。昨秋優勝の富山第一は気持ちを全面に押し出してピッチングする右腕小林路春(中学軟式)に注目。野手陣はしぶとさのある放生大地(富山ヤングベースボールクラブ)、2年生のロングヒッター村亮佑(中学軟式)、1発のある菊地謙伸(富山シニア)ら率を残せるバッターたちが揃っており、投打が噛み合えば秋の再現も十二分にあり得る。ここ数年甲子園でも結果を残している高岡商業は昨夏の甲子園を経験した右サイドの桑名勝(富山シニア)、高い素質を持つ左腕横江壱吹(中学軟式)、185cmの長身右腕川尻啓人(富山ヤングベーズボールクラブ)と投手陣はコマが揃っている。打線は旧チームから出場している主砲近藤祐星(高岡シニア)、早上樹生(富山シニア)、 宮内一行(中学軟式)の3人が牽引する。昨秋4強の氷見は旧チームから主戦で投げている左腕中山翔太(高岡シニア)、ストレートに力がある内野兼任の青野拓海(???)、伊尾海遼(中学軟式)の両2年生コンビを中心にピッチャーの枚数が豊富。打線は青野、河原新之助(中学軟式)、2年生の大澤祥吾(???)に1発がある。個人的に全国で見たいチームだ。4校以外では投打にタレントが揃う砺波工業、新指揮官が就任した未来富山、北信越大会を経験したメンバーが残る富山北部、打撃の良い砺波富山国際大付属、伝統校の新湊高岡第一に注目したい。

石川大会

◎小松大谷 ○星陵 △日本航空石川 ☆金沢商業

2年連続の甲子園出場を狙う小松大谷が戦力的に抜けているか。投手陣は球威のあるストレートを投げる左腕岩野凌太(白山シニア)、右の南彰栄(中学軟式)の左右の2枚看板が力強いピッチングを見せる。打線は中谷慎吾(小松ボーイズ)、吉田創登(白山シニア)、北村怜士(小松ボーイズ)の旧チームから出場経験のある3人の活躍に注目したい。センバツ8強の星陵は巧みに変化球を操るエースのマーガード真偉輝キアン(宜野湾ポニーズ)、140km超の速球を投げる武内涼太(久留米東ボーイズ)、左の中山敦(取手シニア)と投手陣は盤石だ。春の大会では実績のある大型ルーキー佐宗翼(中学軟式)もベンチ入りするなど競争は激化している。打線は永井士航(福井永平寺シニア)、長打が魅力の角谷飛雅(中学軟式)、若狭遼之助(東京神宮シニア)、津澤泰成(中学軟式)ら好打者が揃う。今春から就任した田中辰治(前星陵中監督)の采配にも注目したい。秋からの巻き返しを図りたい日本航空石川は140km超のボールが武器のエース大久保真夢(高田ファイターズ)、しっかり試合を作れる矢川幸四郎(伊丹中央ボーイズ)の2人が投手陣の中心だ。打線は1番谷頭太斗(鯖江ボーイズ)、伊藤健(新潟ボーイズ)、4番を打つアーチスト内藤鵬(東山クラブ)、5番池内匠生(東山クラブ)、坂角拳楠(伊丹ボーイズ)ら長打力があるバッターが多い。金沢商業は秋は航空石川相手に4-5、春は星陵相手に4-5といずれも善戦している。その立役者が長身右腕の小橋拓巳(中学軟式)だ。夏を勝ち上がるためには宮山祥哉(中学軟式)、2年生の安藤敬也(中学軟式)、藤江真白(金沢シニア)、西竹悠喜(白山シニア)ら打線の援護が不可欠。商業高校らしく守備からリズムを作る野球は必見だ。復活を期したい金沢遊学館津幡小松商業といった公立の実力校。好投手のいる小松鵬学園の戦いぶりも楽しみだ。

福井大会

◎福井工大福井 ○敦賀気比 △啓新 ☆美方

夏の福井は昨秋優勝校の福井工大福井に期待したい。投手陣は147km右腕のエース向嶋大輔(福井中学ボーイズ)、安定感抜群の左腕鳴海仁哉(福井中学ボーイズ)、八木唯斗(大和高田シニア)の3本柱が自慢。打線は向嶋、尹勝顕(西淀ボーイズ)、森内大奈(京田辺ボーイズ)ら上のステージでも活躍しそうな選手が揃う。センバツ出場の敦賀気比は経験豊富なエース上加世田頼希(門真ビックドリームス)、キャッチャー渡辺優斗(門真ビックドリームス)のバッテリーがチームを引っ張る。2年生の濱野孝教(鯖江ボーイズ)、春山陽登(五條シニア)ら打線の奮起が夏を獲るカギになりそうだ。秋に敦賀気比の連勝を止めた啓新はエースナンバーを背負う黒田彰太(京都亀岡シニア)、外野兼任の速球派左腕田中太朗(中学軟式)、春にエースを務めた平井滉太(???)ら投手陣の枚数が揃う。打線は加藤駿英(静岡裾野シニア)、石本隼大(若狭高浜ボーイズ)の好打者コンビに伊関円蔵(愛知瀬戸ボーイズ)が一冬越えて大きく成長し、打線の厚みが増した。公立で気になるのが美方。キレの良い速球を投げる高田塁(中学軟式)、華奢な技巧派左腕安本青空(中学軟式)、内野兼任の丸山拓真(美方ボーイズ)、クセ強左腕坂口埈基(中学軟式)の4人の2年生ピッチャーの存在が面白い。打線は松井大輔(中学軟式)、柿本瑞生(中学軟式)を中心にミートのうまい選手が多く揃う。昨秋の初戦のような接戦に持ち込めば勝機がある。一戦必勝で上位まで勝ち上がって欲しいチームだ。4校以外では好投手を複数擁する北陸科学技術福井商業、総合力の高い坂井金津高志武生商工羽水、センバツでその打棒を披露した丹生あたりに注目したい。

静岡大会

◎浜松工業 ○静岡 △日大三島 ☆掛川西

夏の静岡大会は浜松工業に期待したい。投手陣は丁寧なピッチングを心掛ける右腕細窪優良(中学軟式)、左腕で外野兼任の太田涼介(浜松修学舎ボーイズ)のダブルエースが中心だ。打線はヒットメーカー神田丈一郎(中学軟式)、旧チームから4番を打つプロ注目の強打者近藤爽太(中学軟式)の前にランナーを置きたい。2年連続の甲子園出場を目指す静岡はプロ注目のエース吉田優飛(フジヤマベースボールクラブ)が投打の中心。ショート守備と巧打が光る山本和輝(磐田ボーイズ)、高林陽(中学軟式)、法月彰弘(焼津シニア)ら打線がどこまで援護できるか。昨秋の東海大会優勝校でセンバツに出場した日大三島はエースで4番を務める松永陽登(秦野シニア)が大黒柱。変化球を駆使したピッチングと長打力のあるバッティングは健在だ。出塁率の高い京井聖奈(羽曳野ボーイズ)、松永、池口奏(京葉ボーイズ)、永野陽大(中学軟式)の2年生コンビが打線を引っ張る。掛川西はボールの質で勝負する左腕岩澤孔大(中学軟式)、大型右腕山本柊太(中学軟式)の2枚看板が投手陣の中心。打線は経験豊富な河原崎琉衣(中学軟式)、狩俣藍生(焼津シニア)、今駒翔太(掛川シニア)、羽切佑太郎(中学軟式)の4人を中心に好打者が多い。4校以外では好投手がいる浜松西常葉大菊川、昨秋の東海大会準優勝の聖隷クリストファー、今春の東海大会優勝の浜松開誠館、総合力が高い科学技術静岡市立磐田東常葉大橘加藤学園、昨春のセンバツ経験者が残る三島南静岡商業浜松商業東海大静岡翔洋といった伝統校も楽しみだ。

愛知大会

◎享栄 ○愛工大名電 △東邦 ☆時習館

愛知大会の本命は昨秋の県大会を制した享栄に期待したい。安定して試合を作れるエース左腕藤本逸希(名古屋富士ボーイズ)、2年生ながら140km後半の速球を投げるサウスポー東松快征(東海中央ボーイズ)、右腕安藤瑠騎飛(岡崎中央ボーイズ)、2年生の中井創友(愛知衣浦シニア)、磯部祐吉(愛知尾州ボーイズ)ら投手陣は東海地区でナンバーワン。打線は2年生の強打者高田洸希(大野ボーイズ)、西田翔哉(蒲郡幸田シニア)、吉田遙哉(東海中央ボーイズ)の3人が中心だ。今年こそ甲子園切符を掴み取りたいところ。昨夏の代表校である愛工大名電は本格派左腕の有馬伽久(中学軟式)、本格派右腕の栢工力輔(三好東郷ボーイズ)、中日ドラゴンズで活躍した岩瀬仁紀氏を父を持つ右腕岩瀬法樹(中学軟式)の投手3本柱全員が140km超えのボールを投げる。加藤蓮(三河安城シニア)、伊藤基佑(東山クラブ)、山田空暉(オセアンJboys)、有馬らバッターも粒ぞろいだ。東邦は146km右腕三浦心空(東海中央ボーイズ)、2年生ながら140km台中盤のボールを操る宮國凌空(宜野湾ポニーズ)、左腕服部皇雅(名古屋富士ボーイズ)と投手の層が厚い。野手では率の高い早川侑希(名古屋コンドルズ)、長打力のある加藤楓太(愛知知多ボーイズ)、城幸佑(愛知西シニア)、強肩捕手落合智哉(愛知尾州ボーイズ)の4人に注目して試合をチェックしたい。公立で面白そうなのが県内屈指の進学校である時習館だ。旧チームから主戦で投げている右腕安田拓真(牟呂ベースボールクラブ)、外野兼任の山田莉久(中学軟式)、2年生の一ノ瀬虎汰郎(中学軟式)の3投手を好捕手持田龍樹(中学軟式)が懸命にリードする。打線は広角に打ち分けるリードオフマン木戸脇光(中学軟式)、攻守の要片桐丈太(中学軟式)、長打力のある森田蒼良(牟呂ベースボールクラブ)らスケールのある選手が揃う。4校以外でも東海大会に出場した至学館中部大春日丘、私学4強の一角中京大中京、好投手がいる愛産大工名城大付大府西尾東東浦刈谷栄徳、総合力が高い星城豊川科技高豊田愛産大三河豊田大谷と挙げればキリがない。上位を脅かすのはどのチームか要チェックだ。

岐阜大会

◎岐阜第一 ○大垣日大 △中京 ☆帝京大可児

岐阜大会は期待も込めて岐阜第一を本命にした。投手陣は現在は不調だが、ゲームメーク力が光る弘川泰暉(箕面ボーイズ)、春にエースを務めた古川晴翔(中学軟式)、使い勝手の良い後守叡(舞鶴ボーイズ)の3投手で夏は回す。俊足の浅野恵介(オール山城)、打撃に自信がある小澤侑二郎(南都ボーイズ)、福井一颯(橿原ボーイズ)、高橋翼(枚方シニア)ら野手陣が好投手を攻略する。1983年以来29年ぶりの甲子園返り咲きとなるか。センバツで1勝を挙げた大垣日大は技巧派左腕五島幹士(岐阜中濃シニア)、でっかいサウスポー三松将也(愛知名港ボーイズ)、2年生の速球派右腕山田渓太(豊田ボーイズ)の3投手が強力だ。打線も伊藤成大(関ボーイズ)、河村岳竜(名古屋富士ボーイズ)、西脇昂暉(西濃ボーイズ)ら長打力のある選手加え、1年生の権田結輝(新城ボーイズ)といった新戦力も台頭してきた。投打が噛み合えば春夏連続出場も現実味を帯びてくるだろう。中京はストレートに力がある瀬戸亮太(豊橋東シニア)、投げっぷりのいい堀下翔伍(中学軟式)、秘密兵器吉永聖也(春日井ボーイズ)、2年生左腕の菅澤宙(高岡ボーイズ)と投手陣の枚数が豊富。打線は古屋睦仁(糸島ボーイズ)、1発のある根津康生(中学軟式)、井上士門(生駒ボーイズ)らが相手投手に襲いかかる。初の甲子園出場を狙う帝京大可児は右の鈴木孝介(Sasuke名古屋ヤング)、左の山岡航大(小牧リトルシニア)の2枚看板が安定しており、失点が計算できるだけに、松尾優吾(岐阜中央ボーイズ)、佐野琉斗(バンディッツヤング)、安積杏汰(Sasuke名古屋ヤング)といった打者達が県内の好投手をどこまで攻略できるかがカギとなりそうだ。4校以外ではバッテリーに注目が集まっている大垣商業岐阜聖徳学園、好投手がいる海津明誠関商工美濃加茂市岐阜商、粘り強い戦いを戦いを見せる県岐阜商岐阜飛騨高山あたりにも注目したい。

三重大会

◎津商業 ○三重 △津田学園 ☆海星

2015年以来7年ぶりの甲子園出場を目指す津商業が面白い。昨秋は県大会準優勝で東海大会に進出し、1勝を挙げた。投手陣は奪三振力のある左の変則古田宏紀(中学軟式)、しっかりゲームを作れる右の坪井将英(中学軟式)、潜在能力はチームナンバーワンの中西凌大(中学軟式)らが中心。打線は好守のショートストップ牧戸結都(中学軟式)、強打の山本雅斗(中学軟式)、2年生の樋尾龍誠(菰野朝上シニア)、赤田克海(三重ゼッツ)らが繋いで得点する。公立校ながら甲子園に出場すれば好ゲームが期待できるチームの1つだ。昨年の代表校三重の投手陣はともに甲子園で登板経験のある143km右腕上山颯太(奥伊勢松阪シニア)、谷公希(中学軟式)の2人のピッチャーを中心に春に主戦を務めた2年生の前田龍太朗(尾張ボーイズ)、小林颯斗(中学軟式)が食い込んでいく形になりそうだ。打線は甲子園を経験している宇佐美貴也(松阪シニア)、2年生の野田泰市(奥伊勢松阪シニア)らを中心に怖いバッターが並ぶ。昨秋東海大会出場の津田学園は右のサイドスロー越智晴也(奈良香芝ヤング)、左腕伊藤楓真(桑員ボーイズ)が投手陣の中心。伊達翔成(奥伊勢松阪シニア)ら4人の2年生ピッチャーも控える。打線はスラッガー神田剛志(神戸中央シニア)、2年生の岡田龍之介(神戸中央シニア)、杉本希成(愛知西シニア)の3人に注目してみたい。三重大会のダークホース的位置付けは海星だ。投手陣は右腕早川翔斗(宇都宮中央ボーイズ)、左腕伊藤佑真(中学軟式)、変化球がキレる高橋龍史(京都南山城ボーイズ)の2年生トリオが主戦。打者では森口晴音(中学軟式)、山川悟輝(鈴鹿ブルズ)、宝山瑛士(中学軟式)らが出塁してかき回す。健大高崎で機動破壊を演出した葛原美峰スキルアドバイザー仕込みの走塁も聖地でお披露目したい。4校以外では好投手のいる津西高田菰野四日市中央工相可白山、総合力が高い皇学館木本宇治山田商四日市工業鈴鹿に注目したい。

滋賀大会

◎近江 ○綾羽 △立命館守山 ☆彦根総合

今春センバツ準優勝校で春の県大会を制した近江が頭1つ抜けているか。なんといってもエースで4番の大黒柱山田陽翔(大津瀬田ボーイズ)の存在がチームにとって大きすぎる。今年に関しては山田高校と称しても良いくらいではないか(←何言うとんねん)。甲子園決勝で登板した星野世那(草津シニア)、センバツベンチ外の悔しさを県大会でぶつけた技巧派副島良太(住吉シニア)、191cmの大型右腕小島一哲(滋賀栗東ボーイズ)ら投手陣も枚数はいるので、夏は複数投手で戦って欲しいものだ。打線は山田の他に旧チームからレギュラーの津田基(大津瀬田ボーイズ)、横田悟(湖東シニア)、パワーのある岡崎幸聖(飛騨高山ボーイズ)、好打者中瀬樹(滋賀栗東ボーイズ)に期待が持てる。春3位の綾羽は力強いストレートを投げる野村亮介(湖北ボーイズ)、2年生の140km右腕野川新(京都ポニー)、川那辺葵斐(長浜シニア)ら投手陣が強力。2年生の熊木悠人(滋賀草津ボーイズ)、辻英盟(滋賀栗東ボーイズ)、谷川圭吾(大津瀬田ボーイズ)らが援護する。春準優勝の立命館守山はサーモンのイチオシバッター大西温太(大阪柴島ボーイズ)、白樫健太郎(ニューヤンキース)の2人が打線を引っ張る。夏は右の稲城大輔(中学軟式)、2年生のサウスポー加藤優芽(甲賀相模ボーイズ)ら投手陣がどれだけ抑えられるかがカギになりそうだ。春に引き続き夏にも旋風を巻き起こしそうなのが彦根総合だ。北大津で実績のある宮崎裕也監督が就任してからメキメキと力を付けており、今春の県大会ではベスト4に進出した。メンバーの多くが2年生なのも大きな特徴だ。投手陣はサウスポー野下陽祐(???)、140km超えの速球を投じる武元駿希(京都フレンド)、勝田新一朗(東山クラブ)の2年生トリオが試合を作る。藤田一輝(京都フレンド)、脇本悠月(和歌山御坊ボーイズ)、田代奏仁(彦根シニア)ら打線が援護できれば、この夏一気に覇権をとってもおかしくないチームだ。4校以外では総合力の高い滋賀学園八幡商業近江兄弟社水口、好投手がいる伊吹瀬田工業、バッティングが良い比叡山滋賀短大付が面白い。

京都大会

◎京都国際 ○京都外大西 △福知山成美 ☆西城陽

昨夏の甲子園ベスト4の京都国際は左腕森下瑠大(福知山ボーイズ)、右腕平野順大(関メディベースボール)の2枚看板が残る。春に投げた2年生の杉原望来(岸和田シニア)が3番手として名乗りを上げそうだ。打線は森大空(東海中央ボーイズ)、辻井心(京都宇治ボーイズ)、森下、平野、岩内琉貴也(京田辺ボーイズ)ら長打のある打者が揃う。コロナの後遺症などチーム状況はどん底に近いが、守備面を含めてなんとか夏に仕上げて2年連続の甲子園をつかみ取れるか注目だ。京都外大西は147km右腕の二刀流西村瑠伊斗(京都ポニー)が投打でチームを引っ張る。野手では中村友哉(???)、松下隼一郎(???)、松田拓都(???)の3人が打線の中心だ。キレで勝負する谷口天誠(鶴友クラブ)、189cm右腕丘田駿介(神戸ドラゴンズ)の2枚看板が強力な福知山成美神内蘭(中学軟式)、双子の江本泰佑(交野ボーイズ)、江本晋佑(交野ボーイズ)ら打線も期待できる。春に京都国際を撃破し、県大会を制した西城陽はバッティングも良い左腕藤川泰斗(???)、落ちる球が武器の坂尾航大(???)ら投手陣の枚数が豊富。2年生のリードオフマン森田竜大(京田辺ボーイズ)、スラッガー亘航(???)、西山幸一郎(???)ら打線も私学級だ。4校以外では秋準優勝の塔南、春準優勝の東山、伝統校の龍谷大平安、打線のいい京都共栄立命館宇治京都翔英、好投手がいる日星京都産業大付あたりが楽しみだ。

大阪大会

◎大阪桐蔭、○履正社 △大商大堺 ☆大阪電通大高 

春センバツ優勝の大阪桐蔭をどのチームがknockdownするかが見所になりそうだ。3度目の春夏連覇を狙う大阪桐蔭の投手陣はセンバツでも活躍した大型右腕川原嗣貴(北摂シニア)、誰が打てる?前田悠伍(湖北ボーイズ)、軟式出身の南恒誠(中学軟式)ら超強力。打線も伊藤櫂人(西濃ボーイズ)、谷口勇人(京田辺ボーイズ)、松尾汐恩(京田辺ボーイズ)、丸山一喜(大東畷ボーイズ)、海老根優大(京葉ボーイズ)ら1番~9番まで切れ目がない。2強の一角履正社は躍動感のあるフォームから130km台の直球を投じる左腕増田壮(寝屋川中央シニア)、右腕今仲巧(宝塚ボーイズ)の2年生コンビに加え、速球が武器の近藤拓海(兵庫伊丹)の3投手がマウンドを守る。打線はトップバッターの光弘帆高(神戸ボーイズ)、長打力◎の橘高純平(奈良ボーイズ)、三木太介(枚方ボーイズ)ら好打者が揃っている。森澤拓海(兵庫伊丹)のセカンド守備にも注目だ。2強以外の私学は横一線だが楽しみな2チームを取り上げたい。大商大堺はカーブで緩急をつける左腕武田桜雅(大阪交野シニア)、速球で押す左腕志賀陽太(中学軟式)、右腕中野太智(???)の3投手が粘り強くゲームを作る。打線は出塁率の高い北條智也(南大阪ベースボールクラブ)、長打力のある北島陽悠(兵庫フェニックス)、2年生の永田優介(兵庫フェニックス)の中軸に力がある。春に大阪桐蔭を苦しめた大阪電通大高はエースの的場吏玖(ジュニアセブン)が高校野球ファンに注目されつつある。連戦となる夏は右サイドの齋藤愛哉(???)、外岡大和(高槻オールブラックス)の活躍にも期待したい。野手は線の細い選手が多いが、中村康輔(???)、森川旭(???)の2人に1本が出ればチームも乗る。4校以外ではセンバツ8強の金光大阪関大北陽興国近大付星翔東海大大阪仰星初芝立命館東大阪大柏原と挙げればキリがないのが、大阪のレベルの高さを体現している。今年もレベルの高い野球を見られるのが楽しみだ。

兵庫大会

◎報徳学園 ○東洋大姫路 △須磨翔風 ☆社

今年も群雄割拠の兵庫は春季大会優勝の報徳学園が有力か。外野兼任でプロ注目のエース左腕榊原七斗(全播磨ヤング)、大型右腕正重恒太(兵庫夙川ボーイズ)、近畿大会で先発した2年生盛田智矢(中学軟式)の主戦3投手全員が130km後半〜140km前半のボールを操る。投手層は兵庫屈指だ。強肩強打が武器の2年生堀柊那(兵庫夙川ボーイズ)、パンチ力のある榊原、正重、丸岡優太(藤井寺ボーイズ)らが引っ張る打線も見逃せない。センバツ出場の東洋大姫路は4月に前履正社監督の岡田龍生氏が就任。就任後初の大会となった春季大会では準優勝と結果を残した。そんなチームを支えるのがエースの森健人(龍野ボーイズ)だ。130km台後半の球質のいいボールを両サイドに投げ分ける投球術は絶品。一冬越えて2年生左腕の内海誠揮(姫路西シニア)、3年生の右腕野々村航(中学軟式)も台頭。夏の大会でも使える投手が出てきたのは大きな収穫だ。野手では安定した守備を見せる岡部虎尉 (姫路ボーイズ)、小松聡真(滋賀南郷ボーイズ)、バッティング面で期待できる中島賢也(佐賀ビクトリー)、露本一惺(龍野ボーイズ)の1年生コンビに注目。夏までにどれだけ岡田監督の指導がチームに浸透しているかが、春夏連続の甲子園出場へのカギとなりそうだ。秋、春と共に惜敗した須磨翔風は共に140km超のボールを投げる槙野時斗(神戸ボーイズ)、北尾太一(尼崎北シニア)の2枚看板の存在が面白い。壷井太河(中学軟式)、勝部羽隼(中学軟式)ら打線が援護できれば、甲子園も夢ではない。この夏旋風を巻き起こしそうなチームの筆頭格だ。秋に県大会を制したはプロ注目のエース芝本琳平(播磨ボーイズ)、堀田柊(甲子園シニア)、吉田和哉(兵庫北播シニア)ら投手陣は安定。夏を制するためには後藤剣士朗(宝塚ボーイズ)、福谷宇楽(中学軟式)ら野手陣の奮起に必須条件だ。冒頭で触れた通り、4校以外にも有力チームが多く群雄割拠。上位校を破り、大会を面白くするチームの登場にも期待したい。

奈良大会

◎天理  〇奈良大付 △智辯学園 ☆高田商業

例年は智辯学園と天理の2強となっている奈良だが、今年に関して言えばそんな雰囲気はない。公立にもチャンスがあると前置きした上で本命に挙げたのがセンバツ出場の天理だ。完投能力のあるエース南澤佑音(大東畷ボーイズ)は失点が計算でき、大崩れしない。2番手投手は2年生左腕の中川輝星(奈良ボーイズ)、同じく2年生の村上洸星(大東畷ボーイズ)が候補か。野手では藤森康淳(羽曳野ボーイズ)、戸井零士(松原ボーイズ)、内藤大翔(生駒ボーイズ)らに力がある。春優勝の奈良大付は緩急で打者を抑えるエース左腕の幡剛志(奈良中央シニア)、近畿大会で先発した玉置睦(中学軟式)、2年生の森下元揮(???)らピッチングスタッフが豊富なだけに、バッティングの良い幡、荒川翔大(大阪東ボーイズ)、一発のある坂東泰樹(奈良葛城ボーイズ)ら打線が夏に県内の好投手を攻略できるかが勝敗を分けそう。昨夏の甲子園準優勝の智辯学園は右の大坪廉(高松ボーイズ)、左腕の藤本竣介(中学軟式)、2年生の中山優月(ヤング淡路)の3投手がマウンドを分け合う。下級生が多くスタメンに名を連ねる打線は数少ない3年生の中川友貴(奈良葛城ボーイズ)、2年生の松本大輝(奈良西シニア)、高良鷹二郎(奈良ボーイズ)に注目。守備連携も含めどこまで仕上げられるかがポイントになりそうだ。公立では2強と引けを取らない戦力を有する高田商業に注目。投手陣はエースナンバーを背負う鶴川内陽(中学軟式)、安定感抜群の中村真実(五条シニア)の2枚看板の継投で試合を作る。打線は1番〜9番まで思い切りの良いバッターが並ぶが、中でも1年夏から試合に出場する2年生東口虎雅(桜井シニア)の打棒は見逃せない。4校以外では3年生10人で戦う関西中央、好投手がいる奈良商工畝傍、打力がある奈良奈良北御所実業橿原、春に智辯学園を破った生駒、伝統校の郡山桜井あたりが楽しみだ。

和歌山大会

◎智辯和歌山 〇市和歌山 △和歌山東 ☆県和歌山商

昨夏の甲子園優勝校で今春の近畿大会を制した智辯和歌山がやはり有力か。投手陣は塩路柊季(紀州由良シニア)、武元一輝(藤井寺ボーイズ)の2人が中心。2投手とも140km台中盤の直球を投げる本格派右腕だ。打線は例年に比べると小粒かもしれないが、山口滉起(中百舌鳥ボーイズ)、渡部海(住吉ボーイズ)ら1発のあるバッターが揃っている。坂尻翔聖(紀州由良シニア)の守備は必見だ。センバツ8強の市和歌山はエースの米田天翼(貝塚シニア)、淵本彬仁(和歌山ビクトリーイズ)、宮本勇(和歌山岩出ボーイズ)ら投手陣は盤石。野手では150cm台の小兵堀畑樹(貝塚シニア)、入学後即ショートのレギュラーを掴んだ1年生の村上遥飛(和歌山岩出ボーイズ)の二遊間に注目したい。センバツで甲子園初勝利を挙げた和歌山東は右サイドのエース麻田一誠(守山シニア)、左腕の田村拓翔(和歌山岩出ボーイズ)、山田健吾(和歌山有田ボーイズ)らピッチャーを小刻みに継投して戦うスタイル。打線はリードオフマンの山田、長打力のある森岡颯太(和歌山ホークス)らが繋いで繋いで得点する。
春季大会準優勝の県和歌山商は右腕塙翔斗(和歌山ビクトリーズ)、内野兼任の左腕小川侑汰(和歌山有田ボーイズ)が投手陣の中心だったが、今春は入学したばかりのサブマリン木村健太郎(???)が台頭。タイプの違う投手が出てきたことより、投手陣の厚みが増した。打線は1番の浦野哲心(和歌山岩出ボーイズ)、2番の大松暖(和歌山有田ボーイズ)の2年生コンビが出塁してチームを勢いをづける。4校以外では好投手がいる近大新宮初芝橋本日高和歌山工業耐久田辺の番狂わせに期待したい。

岡山大会

◎創志学園 〇倉敷工業 △岡山理大附 ☆岡山東商業

今春の中国大会を制した創志学園が最有力だ。投手陣はエース岡村洸太郎(高川学園シニア)が右サイドから投げる140km超の速球でバッターを打ち取る。パンチ力のある木村政裕(オール岡山)、横井寿海(神戸ドラゴンズ)、金田恭汰(忠岡ボーイズ)が打線の中心だ。甲子園出場を決めて、今夏で退任が決定している長沢宏行監督を男にしたい。センバツ出場の倉敷工業は甲子園でも好投を見せたエース高山侑大(倉敷中央ボーイズ)、ゲームメークの上手い近藤悠成(中学軟式)の2枚看板の出来次第。打線は藤井虎道(MAKIBIクラブ)、福島貫太(中学軟式)、日向悠(MAKIBIクラブ)、若林晴斗(岡山メッツ)が振り切るスイングで長打を放つ。秋の再現なるか。好選手を上のステージに多く送り出している岡山理大附も今年は狙える位置にいる。エースの田本聖貴(ファイターズ岡山)は190cmの長身から投げ下ろす最速149km、常時130km後半〜140km前半の速球が武器の好右腕。2番手の西村太郎(岡山ボーイズ)も好投手だ。打線は水畑秀汰(備前ボーイズ)、山根秀太(鳥取ボーイズ)、余河航太(兵庫相生ヤング)らが鋭い打球を飛ばす。古豪復活を目指す岡山東商業も面白い存在だ。右サイドのエース長谷川大喜(???)はカットボールとスライダーを交えながら打ち取る技巧派。打線は池田遼太朗(倉敷中央ボーイズ)、光森茂貴(オール岡山)の2人に期待が持てる。4校以外では好投手のいる金光学園明誠学院岡山西大寺、総合力の高い岡山学芸館おかやま山陽、昨夏の甲子園経験者が多く残る倉敷商業、公立では玉野光南美作倉敷天城玉野商工、打線のいい就実、好選手がいる岡山商大附はチェックしたい。

広島大会

◎広陵 ○市立呉 △広島商業 ☆三原

秋、春の戦いぶりを見る限り、今世代の広島は広陵が頭一つ抜けているか。甲子園で好投を見せた森山陽一朗(広島南シニア)、、2年生の岡山勇斗(レッドスターベースボールクラブ)、松林幸紀(東広島ボーイズ)の投手陣は全員が最速140km超え、更に今春入学した高尾響(飯塚ボーイズ)がいきなりエースナンバーを背負い好投を見せるなど層が更に厚くなった。打線は注目の2年生真鍋慧(広島安芸シニア)、内海優太(広島北ボーイズ)らが中心だったが、阪神タイガースで売り出し中の西純矢の弟西凌矢(広島ボーイズ)が春季大会で大暴れし、レギュラー争いを激化させている。2番手以降は横一線だが、春に広陵と打ち合いを演じた市立呉を挙げたい。投手陣は技巧派右腕倉中利都(???)、堀本竜希(中学軟式)の継投で最少失点で乗り切る。打線は守備も光るリードオフマン時川大空(府中広島2000)、中村爽太郎(呉昭和シニア)、川岡龍聖(中学軟式)、西野悠朔(中学軟式)ら打ち出したら止まらない。市呉らしい小技を絡めた得点も必見だ。センバツで1勝挙げた広島商業は夏ノーシードだが、十分優勝を狙える位置にいる。投手陣は1人の投手に完投させるということは無く、継投で戦う。長身右腕の保川七星(八幡少年野球クラブシニア)、左腕伊藤祐輔(広島佐伯シニア)、秋のエースだった神野智(中学軟式)、怪我から復帰を目指す浴口光介(府中広島2000)、130km台後半の速球を投げ込む2年生左腕枡上空人(大野シニア)、2年生右腕佐藤大介(中学軟式)がベンチ入り候補か。打線はグラウンドを縦横無尽に駆け回る八幡大介(府中オーシャンズ)、田丸優斗(府中広島2000)、守備が光る植松幹太(広島廿日市ボーイズ)、強肩好打の松浦大河(中学軟式)が中心だ。そして個人的に注目しているのが春8強の三原だ。エースで4番の松田凜(三原浮城ベースボールクラブ)は左のスリークォーターから130km台の小気味のいいストレートとキレッキレのスライダーで打者を打ち取る好投手。春は武田を完封し、準優勝の崇徳を苦しめた。打線は中尾駿太(???)、太田凪葵(???)、2年生の清親昭斗(???)がどこまでエースを援護できるか。4校以外にも春準優勝の崇徳、打線の良い呉港、好投手がいる広島新庄尾道、総合力が高い盈進如水館尾道商業工大高と上位進出を期待できる高校が多い。

鳥取大会

◎鳥取城北 ○鳥取商業 △米子東 ☆倉吉総合産業

今年も例年通り混戦模様だが、選手の層、質を鑑みれば鳥取城北か。140km台中盤の速球を投げ込む梅澤纏(中学軟式)に加え、右腕福田圭祐(大阪球道)、技巧派サウスポーの酒谷時人(兵庫夢前クラブ)、2年生の新庄空(兵庫夢前クラブ)の3投手が一冬越えて大きく成長。試合で使えるレベルになってきた。打線は竹田宙(堺初芝ボーイズ)、坂根叶琉(倉吉ボーイズ)、大木修斗(東大阪北ボーイズ)、2年生の河西華槻(兵庫夢前クラブ)が中心だ。秋優勝の鳥取商業
共に2年生で技巧派の山根汰三(中学軟式)、条田大嘉(加古川ヤング)の2枚看板が投手陣の軸、外野兼任の速球派岩崎翔(鳥取ボーイズ)もリリーフで控える。打線は田中陸斗(八頭ボーイズ)、前田笑(鳥取ボーイズ)、山本皓太(鳥取クラブ)、木村海晴(米子ボーイズ)と1発のある打者が揃う。主力投手が技巧派だけに守備連携などをもう一度見直して夏の大会に挑んで欲しい。甲子園を経験している選手が多く残っている米子東は130km台後半のボールを投げ込むエース藪本鉄平(揖斐本巣ボーイズ)、長身右腕の山崎壮(大山ボーイズ)、共に2年生の後藤和志(鳥取サンフレンジャーズ)、下迫悠空(鳥取サンフレンジャーズ)と投手の枚数が揃っている。打線は長打力のある瀬川凛太郎(米子クラブ)、岡本陽希(米子ボーイズ)、左のスラッガー太田舷暉(倉吉ボーイズ)、徳丸航祐(倉吉ボーイズ)と上のステージでも活躍できそうな選手が多く居る。3年連続の甲子園なるか注目だ。私的注目校は21世紀枠推薦校にも選出された倉吉総合産業だ。本格派左腕の伊藤愛希(倉吉ボーイズ)が130km台中盤のボールを投げ込み打者を抑える。打線は安達楓真(倉吉ボーイズ)、右の大砲田村優(中学軟式)、盛山輝星(中学軟式)とクリーンナップが強力だ。4校以外でも米子北米子松蔭といった私学勢、打線が強力な鳥取東鳥取中央育英、伝統校の米子西倉吉東八頭鳥取西にも注目だ。

島根大会

◎立正大淞南 〇石見智翠館 △益田東 ☆大東

今年の島根は立正大淞南が頭1つ抜けている。投手陣は井上雄輝(青葉緑東シニア)、2年生の速球派山下羅馬(佐用スターズ)、小坂純輝(安芸高田ボーイズ)の3投手に加え、昨秋までのエース持田翔秀(中学軟式)が本調子なら、投手力はさらにUPする。打線は福島迅(鳥取ボーイズ)、清水タデウ健次(???)、谷川翔太(中学軟式)、興梠フェリペケンゾウ(???)ら好打者が揃うぞ。昨夏甲子園出場の石見智翠館原崎竜雅(京都宇治ボーイズ)、2年生左腕仲谷安紀彦(交野翔輝ヤング)、左サイドの山本由吾(南大阪ベースボールクラブ)が投手陣の中心。打線は甲子園経験している今泉秀吾(三河安城シニア)、右の強打者上翔曳(堺初芝ボーイズ)の2人に注目だ。2018年以来の甲子園を目指す益田東はエース後藤大地(???)、大野耕平(大阪城東シニア)、江頭志優(堺初芝ボーイズ)の継投で試合を作る。打線は佐野慶一郎(住吉ボーイズ)、2年生の藤井胡太朗(大阪柴島ボーイズ)、同じく2年生の藤田晃盟(大阪箕面ボーイズ)らが中心だ。公立で楽しみなのは春の中国大会出場の大東だ。投手陣はエースナンバーを背負う川上祐真(中学軟式)、難波巧(中学軟式)、内野兼任の2年生稲田大希(中学軟式)の右腕トリオが自慢。打線は1番キャッチャー稲田遥太(中学軟式)、攻守の要女鹿田康生(中学軟式)、マウンドにも登る4番藤原蓮太のバッティングに期待が持てる。4校以外では総合力の高い開星大社矢上安来大田飯南が楽しみだ。

山口大会

◎下関国際 〇高川学園 △西京 ☆宇部工業

今年の山口は公立、私立共に有力校が多く読めない地区の一つだが、戦力だけで言えば甲子園経験者が多く残る下関国際が頭一つ抜けている状況だ。投手陣は甲子園でも登板した左腕エース古賀康誠(北九州若松アンビシャス)、技巧派右腕の松尾勇汰(八幡シニア)が中心だったが、今春に松谷徹平(大阪中央シニア)、方ヶ部諒久(住吉ボーイズ)の両2年生が大きく成長した。投手力は山口トップクラスと言っていいだろう。甲子園経験者が多く名を連ねる打線は仲井慎(兵庫北幡シニア)、賀谷勇斗(呉中央シニア)、水安勇(宇部ボーイズ)が中心だ。昨夏の代表校高川学園は旧チームとは違い継投が基本線。エースの永江航大(???)、2年生の德原丈仁(???)、衛藤巧大(???)の3投手で回す。打線は甲子園で活躍した山大輝(五條シニア)、隅田玄(忠岡ボーイズ)に注目だ。1997年以来の甲子園を目指す西京はエースナンバーを背負う2年生の井上心人(???)ら5人の投手が控え、場面場面で起用する。打線は1番長谷川竜己(???)、3番秋穂智哉(???)、191cmの4番松並稜大(宇部ボーイズ)、5番糸賀海希(???)が中心だ。春優勝の宇部工業は大会を通じて上田優太(???)が大きく成長。最速140kmのストレートで押すピッチングが持ち味だ。秋にエースだった2年生の山本智大(山口ミラクルクラブ)、境海翔(山口ミラクルクラブ)が2番手で控える。打線は寺戸翔哉(宇部ボーイズ)、2年生の久波賢真(高川学園シニア)、上田、2年生の水内祐太(山口ミラクルクラブ)ら好選手が並ぶ。春に続き夏も優勝と行きたいところだ。4校以外でも早鞆岩国商業萩商工徳山商工長門宇部鴻城と楽しみなチームが多い。

香川大会

◎英明 〇高松商業 △丸亀城西 ☆丸亀

実力的には英明高松商業の2校が抜けている。英明はエースの寒川航希(中学軟式)が140km近い速球と変化球をビシビシ投げ込む。2番手には2年生の左腕寿賀弘都(高松シニア)が控える。打線は長打力のある徳永光希(香芝ボーイズ)、逢澤杏哉(呉中央シニア)の2人に期待が持てる。昨夏甲子園出場の高松商業は左腕から140km超えの速球を投げ込む渡辺和大(中学軟式)、188cm長身サウスポー大室亮満(かがわ中央シニア)の2枚看板が自慢。打線はヒットメーカー林息吹(中学軟式)、プロ注目の強打者浅野翔吾(中学軟式)、小柄な4番山田一成(中学軟式)ら振れる選手が多く揃う。2018年以来の甲子園を目指す丸亀城西は140km近いストレートを投げる西岡幹大(中学軟式)が投手陣の柱。技巧派の河田凰希(???)が2番手で控える。打線は山下玲桜(高松ボーイズ)、2年生の藤田理玖(???)の2人が引っ張る。私的注目校は丸亀だ。2年生エースで打っても3番の中村勇翔(???)が投打でチーム引っ張る。右サイドの黒木雄太(???)も登板機会を伺う。打線は2年生の藤本悠人(中学軟式)、岡裕三(中学軟式)らが相手投手を攻略する。4校以外では尽誠学園四国学院大香川西寒川といった私学勢、伝統校の坂出商業志度三本松、好投手がいる多度津に期待したい。

徳島大会

◎鳴門 〇徳島商業 △阿南光 ☆城南

センバツで大阪桐蔭と接戦を演じた鳴門が大本命だ。ストレートとスライダーのコンビネーションが光るエース冨田遼弥(徳島藍住シニア)、長身右腕の前田一輝(徳島東シニア)の2枚看板は超強力。打線は強打の1番バッター井川欧莉(高松シニア)、三浦鉄昇(中学軟式)、前田、藤中温人(徳島東シニア)らパンチ力のあるバッターが相手投手に襲いかかる。古豪復活を目指す徳島商業中原海晴(中学軟式)、安藝庫聖(中学軟式)、幸坂征太郎(徳島東シニア)、2年生の森煌誠(徳島藍住シニア)の140kmカルテットが自慢。小柄な1番打者森龍門(中学軟式)、安藝、幸坂、2年生の森口圭太(中学軟式)が打線の中心だ。昨夏の甲子園出場の阿南光はエース森山暁生(徳島ホークス)が健在。常時140km台のストレートとツーシーム、スライダーで打者を打ち取る本格派サウスポーだ。打線は率を残せる矢野隆太(阿南シティホープ)、右の本格派右腕の一面も持つ4番木村一政(生光学園ヤング)に注目だ。私的注目校は城南。エース木内一希(???)は安定感抜群のピッチング見せる。野手ではキャッチャーの大西祐輝(中学軟式)に注目だ。好投手がいる徳島科学技術生光学園、総合力の高い鳴門渦潮富岡西池田も要チェックだ。

愛媛大会

◎西条  〇松山商業  △松山聖陵  ☆松山学院

今年の愛媛は有力校が多くチャンスのある学校が多い。そんな中で本命に挙げたのが2009年以来の甲子園出場を目指す西条だ。投手陣は打っても4番の本格派右腕高橋賢臣(西条ボーイズ)が大黒柱。130km台後半の速球と変化球を組み合わせてバッターを打ち取る。打線は佐々木大智(???)、2年生の山内球翔(新居浜シニア)、高橋賢、宇佐美文也(西条ボーイズ)らに力がある。好捕手谷野宮亜璃(西条ボーイズ)にも注目だ。春季大会優勝の“夏将軍”松山商業は粘り強いピッチングは持ち味の清家瑛(えひめシニア)が一本立ち。リリーフには遊撃の丸山日向(えひめシニア)が控える。欲しいところで点が取れる打線は日野竣介(愛媛松山ボーイズ)、丸山、勝負強い4番の西岡龍樹(愛媛エンゼルス)が存在感を見せる。2度目の夏の甲子園出場を松山聖陵は本格派左腕の喜納成龍人(うるま東ボーイズ)、2年生サイドの親川聖依(安仁屋ヤングスピリッツ)、変化球でかわす田邊慎之介(高槻ボーイズ)とタイプの違う投手を3人揃えている。打線は長打力のある森田剛至(大阪北ボーイズ)、新垣友喜(中学軟式)ら上位打線で大量得点が望める。甲子園初出場を目指す松山学院は本格派の2年生佐久間柊希(宜野湾ポニーズ)が楽しみ。次世代の愛媛ナンバーワン投手候補のピッチングはチェックしておきたいところ。沖縄出身者が多く並ぶ打線は照屋心海(中学軟式)、與古田敬(うるまボーイズ)、大城来気(中学軟式)の3人をピックアップ。4校以外では好選手がいる今治工業宇和島東、好投手がいる小松済美、総合力が高い新田帝京第五松山工業、個人的に気になる選手がいる大洲農業に注目したい。

高知大会

◎明徳義塾 ○高知 △高知工業 ☆岡豊

今年の高知も例年と同様に明徳義塾が強さを発揮するか。投手陣は昨年甲子園でブレイクを果たしたトルネードサイド左腕の吉村優聖歩(熊本中央ボーイズ)、速球派サイドの矢野勢也(球道ベースボールクラブ)、140km超のストレートが武器の2年生小林和生(オール岡山)の3投手がメイン。打線は明徳らしく粘り強い打者が多く揃っている。特に井上航輝(河南シニア)、池邉由伸(佐賀藤本BBC)、2年生の寺地隆成(城東ボーイズ)は粘り強さと率が残せるバッターだ。昨秋の四国王者でセンバツ出場の高知は小柄な右腕山下圭太(中学軟式)、速球で押す外野兼任の川竹巧真(中学軟式)、トルネードサイド右腕中嶋奏輔(野洲ブレーブス)の継投が軸。打線は左の長距離砲高橋友(生光学園ヤング)、川竹、右の好打者西野啓也(紀州由良シニア)らタイプの違う選手達が相手投手に襲いかかる。今春の大会で準優勝の高知工業はエースで4番を打つ和田伊織(???)が投打で躍動。外野兼任の2年生杉本翔(???)もマウンドに上がる。2年生が多く並ぶ打線は秋田真志(???)、小川凌生(???)の2人に注目したい。岡豊は本格派右腕の浜口颯一郎(中学軟式)が大黒柱として君臨する。打線は浜口、強打と走塁の上手い山本涼雅(中学軟式)、大寺達也(中学軟式)、堀口碧巴(中学軟式)ら中学時代から県内で有名だった好選手が相手投手を攻略する。秋、春と悔しさを味わっただけに夏に絶対王者を倒せるか注目だ。安定した成績を残している土佐高知中央高知商業、公立では宿毛工業高知南中村高知追手前の戦いぶりも楽しみだ。

福岡大会

◎九州国際大附  〇西短大附  △折尾愛真 ☆東海大福岡

春夏連続出場を目指す九州国際大附はゲームメークの上手い技巧派左腕香西一希(糸島ボーイズ)が投手陣の中心。2番手争いは1年生が加わりより熾烈になった。夏を迎えるにあたって誰が2番手、3番手投手を務めるのか気になるところだ。打線はプロ注目の強打者黒田義信(黄城ボーイズ)、出塁率の高い中上息吹(福岡門司ボーイズ)、高校野球ファンの注目を大きく集める2年生の4番打者佐倉俠史郎(球道ベースボールクラブ)などタレントが多く揃う。昨夏甲子園出場の西短大附は143km右腕の江川颯太(佐賀藤本BBC)、緩急と奥行きで勝負する左腕橋本尚樹(熊本宇城ボーイズ)の2枚看板がウリ。昨夏の甲子園経験者が多く並ぶ打線は1番江口翔人(筑後サザンホークス)、2年生の4番多久将太(???)、5番山口雄大(八千代ボーイズ)に長打が出る。2018年に初出場して以降、福岡の壁の厚さに跳ね返されている折尾愛真は奪三振能力が光る本格派左腕田端類(福岡福津ボーイズ)に注目。春は飯塚と福岡工業から2ケタ三振を奪った。2番手には在郷颯人(ダイナマイトボーイズ)が控える。野手では謝名堂太郎(北九州ヤング)、2年生の江崎蓮(筑後ドジャース)、2年生の長野伊吹(高田ファイターズ)の活躍に期待したい。私的注目校の東海大福岡は本格派右腕の入江将汰(宗像ボーイズ)、キレで勝負する左腕松山哲(福岡東コンドル)の他校が羨む左右のダブルエースがマウンドに上がり、相手打者と対峙する。打線はリードオフマンの清水一太(福岡ボーイズ)、強打者間世田真(上津役ボーイズ)、小技もできる生田碧空(福岡ボーイズ)に注目。4校以外でも東筑飯塚小倉工業など有力校が多く、何処が上がってくるのか非常に楽しみだ。

佐賀大会

◎佐賀商業 〇東明館 △有田工業 ☆唐津商業

佐賀大会の本命は昨秋の県大会優勝の佐賀商業だ。投手陣は共に完投能力がある本山裕大(中学軟式)、陣内海斗(???)の2枚看板だったが、一冬越えて2年生の鶴田晄永(中学軟式)が成長。夏は3人で回していくことになりそうだ。打線はスター選手はいないものの香月将真(中学軟式)、2年生の強打者長谷尾達也(筑後ドジャース)、岡部匡十(鳥栖シニア)を中心に粘り強く相手投手を攻略する。昨夏甲子園出場の東明館は巧みな投球術が武器の右腕今村珀孔(佐賀フィールドナイン)がエースとして君臨する。2番手には内野兼任の2年生左腕飛松航平(中学軟式)が有力だ。打線は成澤空舞(久留米ペトリオッズ)、久保諒太(筑紫野ドリームス)の甲子園組に期待が持てる。センバツ出場の有田工業はエースでリードオフマンを務める塚本侑弥(中学軟式)がマウンドで仁王立ち。打てそうで打てないを体現する選手だ。野手は小柄な選手が多いが、2年生の4番角田貴弘(中学軟式)、上原風雅(中学軟式)は体格が良く、長打が狙えるバッターだ。2016年以来の甲子園出場を目指す唐津商業はエース右腕桑原悠師(???)がボールを低めに集めて、懸命に試合を作る。2番手には岡部圭太(???)が控える。打線は左の長距離砲の雰囲気を漂わせる古舘桜介(唐津ボーイズ)、4番を打つ小才峻平(唐津ボーイズ)に期待したい。4校以外では好投手がいる伊万里北稜佐賀工業嬉野、充実した戦力を持つ佐賀学園佐賀北龍谷鹿島鳥栖が楽しみだ。

長崎大会

◎海星 ○長崎日大 △波佐見 ☆諫早農業

どの高校が全国大会に出場してもある程度結果を残すことが多い長崎県。今年も例年通り混戦模様で秋、春ベスト8あたりの高校全てに出場のチャンスがあると見ていい。その中で本命に選んだのが海星だ。投手陣はガッチリとした体格の宮原明弥(中学軟式)、向井恵理登(広島瀬戸内シニア)の2枚看板が中心。夏の前哨戦であるNHK杯で活躍した右腕塚本貴広(中学軟式)、サウスポー吉田翔(八幡南ボーイズ)の両2年生も登板が見込まれる。打線は長打力のある森誠太(長崎海星シニア)、2年生の田川一心(長崎海星シニア)、西村陽斗(長崎海星シニア)の3人に注目したい。センバツ出場の長崎日大種村隼(中学軟式)、川副良太(中学軟式)のダブルエースが健在。共にコントロールで勝負するタイプのため、大崩れの心配がないのが特徴。前田凱地(中学軟式)、2年生の平尾大和(自由ヶ丘ベースボールクラブ)、河村恵太(八幡南ボーイズ)、白川輝星(中学軟式)の4人が打線の中心だ。春優勝の波佐見は完投能力のある左腕渡辺大地(中学軟式)、右腕片渕優斗(西松ボーイズ)が投手陣の中心。夏はNHK旗で活躍した1年生の門田竜空(???)も登板機会がありそうだ。打線は俊足の1番得永祥志(中学軟式)、井上陽稀(中学軟式)、川添光稀(中学軟式)ら長打力のあるバッターが揃う。秋、春、NHK杯の3大会全てで好成績を残した諫早農業はどこが相手でも好投をみせるエース右腕浜崎拓真(中学軟式)の存在が面白い。球速は130kmに満たないものの抜群の制球力とチェンジアップを武器に打ち取るピッチングは最早芸術だ。甲子園を狙うなら浜崎に続く投手の育成が急務。夏までに2番手投手を仕上げておきたい。野手陣は守備の要平松春輝(中学軟式)、長打力のある大坪音丸(中学軟式)、女房役前田竣瑛(中学軟式)、ピッチャーとしての一面も持つ羽野輝(中学軟式)らしぶとさのある選手が名を連ねる。私が今最も気になっているチームだ。4校以外でも甲子園経験者が残る大崎長崎商業、元プロ監督が就任した九州文化学園、総合力が高い創成館長崎南山長崎西清峰など有力校がずらり。どこが夏を獲ってもおかしくはない状況だ。

熊本大会

◎九州学院 〇熊本工業 △東海大熊本星翔 ☆熊本商業

春季大会と夏の前哨戦であるNHK旗を制した九州学院が夏も獲るのか。2年生右腕の直江新(???)、左腕の桑原颯汰(熊本東シニア)はともに安定感があり、失点が計算できる。打線は試合経験豊富な1番松下翔(中学軟式)、威圧感を漂わせる4番村上慶太(熊本東シニア)、勝負強さが光る5番の園村慧人(熊本東シニア)の3年生コンビに注目だ。昨夏甲子園出場の熊本工業は甲子園でも投げたエース松波勲典(中学軟式)を中心に、2番手には外野兼任の右腕山下陽生(中学軟式)、2年生左腕の沼千泰(熊本泗水ボーイズ)が控える。打線は率を残せる前高翔太(中学軟式)、強打者増見優吏(熊本東シニア)、米田雄大(兵庫夢前クラブ)の甲子園組が引っ張る。秋、春と上位に進出した東海大熊本星翔は140km超えの速球を投げるエースの合志太陽(熊本中央ボーイズ)が大黒柱。2番手以降は不透明だが、2年生の本格派右腕玉木稜真(大淀ボーイズ)、1年生の渡辺球斗(大阪此花ボーイズ)ら下級生も候補になりそうだ。打線はスピードタイプの林由(忠岡ボーイズ)、共に長打力のある斉藤尽生(忠岡ボーイズ)、稲葉陸斗(東大阪北ボーイズ)の大阪出身トリオに期待大だ。NHK旗準優勝の熊本商業は粘り強いピッチングを見せるエース左腕古庄英慎(中学軟式)が投手陣の柱。NHK旗を通じて試合経験を積んだ内野兼任の吉海竣貴(中学軟式)、2年生右腕の宮崎由羽(中学軟式)も夏に使える目処が立ったのはチームにとって大きな収穫だ。打線は2年生のリードオフマン安武翼(熊本泗水ボーイズ)が出塁し、吉海、池田雅弥(中学軟式)、工藤晴人(中学軟式)の中軸で仕留めるのが得点パターン。昨年の熊本北のような旋風を起こせるか注目したい。4校以外では文徳城北熊本国府熊本学園大付開新有明専大玉名といった私学勢、昨秋優勝の秀岳館、公立では昨夏の旋風が記憶に新しい熊本北菊池八代球磨工業水俣八代東熊本西千原台あたりが面白い。

大分大会

◎明豊 ○大分舞鶴 △柳ヶ浦 ☆大分商業

大分の本命はこのところ県をリードし続けている明豊だ。投手陣は変化球で勝負左腕坂本海斗(中学軟式)、中継ぎで待機する左腕江藤隼希(日田ボーイズ)、2年生の東家迅(八代シニア)らタイプの違うピッチャーを多く揃える。驚いたのは九州大会で甲子園でも登板した森山塁(日田ボーイズ)がベンチ外になっていたことだ。それほど投手層が厚く夏に向けてベンチ入り争いが熾烈さを増しているのだろう。小技の上手い後藤綾太(枚岡ボーイズ)、1発のある嶽下桃之介(熊本県央シニア)、宮崎元哉(宇佐ボーイズ)、岡元一晟(中百舌鳥ボーイズ)ら野手陣も粒ぞろいだ。入学後即ショートに入った1年生の芦内澄空(倉敷ビガーズ)も気になる存在。21世紀枠でセンバツに出場した大分舞鶴はナックルボールが武器のエース右腕奥本翼(大分シニア)、140km近い速球を投げ込む2年生の188cm右腕野上龍哉(中学軟式)の2枚看板が自慢。左腕では外野兼任の糸永遼太郎(大分七瀬ボーイズ)が控える。打線は小柄だが長打力のある2年生の阿部泰己(日出ボーイズ)、当てるのが上手い都甲陽希(日出ボーイズ)、甲斐京司朗(中学軟式)に期待だ。今春の県大会準優勝の柳ヶ浦は長身左腕の前田聖矢(愛知西シニア)、後藤竜生(???)、右サイドの吉次晟太郎(???)の3投手の継投で逃げ切る。打線は澳昇吾(名古屋北シニア)、小野晴輝(名古屋北シニア)、2年生の野口翔也(香芝ボーイズ)、切封嵐誌(???)の4人の前にランナーを置きたい。大分商業は本格派右腕の池田壮史郎(宇佐ボーイズ)がエースとして腕を振る。リリーフには球のキレで勝負する稲葉智也(中学軟式)、2年生右腕の児玉迅(???)ら4人の投手が控える。打線は仲石透羽(佐伯ボーイズ)、右の強打者福田紘史(大分七瀬ボーイズ)、加藤拓眞(大分明野ボーイズ)、2年生の渡邊公人(湯布院ボーイズ)ら好素材が揃う。4校以外でも好投手がいる大分雄城台藤蔭国東、好選手が多い佐伯鶴城日田林工高田中津東の戦いぶりが楽しみだ。

宮崎大会

◎小林西 ○宮崎学園 △日章学園 ☆小林秀峰

今年の宮崎は全国で1、2を争うほどの激戦区だが、そんな中本命に挙げたのが春季大会準優勝の小林西だ。投手陣は試合をしっかり作れる左腕仲間晴(中学軟式)、速球派左腕の原田稀大(都城ボーイズ)、技巧派左腕の川関正樹(???)のタイプの違う左腕トリオに加え、右腕の島袋功平(中学軟式)、内野兼任の仲田巧(中学軟式)の5人を擁す。打線はパンチ力がある1番の岩根陽向(熊本菊池北ボーイズ)、強打の2番バッター上原口凌佑(中学軟式)、4番の藤幸輝(福岡春日ボーイズ)ら好打者たちが相手投手を攻略する。春季大会優勝の宮崎学園はエース右腕の浦田夢剣(北熊本ボーイズ)がこの夏もフル回転の活躍を見せそうだ。とはいえ1人の投手が投げ続けるのは日程的にも過酷。個人的に1年生の大型左腕河野伸一朗(南宮崎ボーイズ)が気になるが、夏までに2番手投手の台頭に期待したい。中村優貴(???)、斎藤崚雅(宮崎ボーイズ)、川越魁斗(宮崎中央ボーイズ)の2年生クリーンナップが打線の中心だ。秋季大会準優勝、春季大会4強と安定した成績を残している日章学園は安定感抜群の左腕村上雅敏(中学軟式)とリリーフ起用が主のエース右腕古川莉玖(都城ボーイズ)の2枚看板が自慢。打線はパンチ力のある濵砂飛雄馬(中学軟式)、野口恭平(???)、4番の小八重幸四郎(中学軟式)、下位では大谷真聖(中学軟式)に期待が持てる。秋に県大会を制した小林秀峰はエース右腕田口瑛竣(中学軟式)が試合を作る。春季大会で先発した2年生の岩元彪真(中学軟式)は夏も先発で登板機会を伺う。共に右腕の鹿嶋謙真(中学軟式)、田中悠斗(中学軟式)はリリーフで待機する。打線は久徳啓太(中学軟式)、長打力のある坂元翔星(中学軟式)、九州大会で1発を放った2年生の江田隼大(中学軟式)に注目して観たい。4校以外では好投手がいる都城商業宮崎商業都城東宮崎西、選手の層が厚い延岡学園日南学園聖心ウルスラ都城、公立では総合力の高い都城泉ヶ丘富島高鍋宮崎大宮とチェックしておきたい多数存在する。

鹿児島大会

◎神村学園 ○大島 △樟南 ☆国分中央

今年の鹿児島は好投手の宝庫だ。場合によってはここで挙げた4校全てが早期敗退してもおかしくはない。本命は選手層が頭一つ抜けている神村学園だ。投手陣は共に試合が作れる右腕朝吹拓海(京築ボーイズ)、左腕内堀遼汰(球道ベースボールクラブ)の2枚看板が強力。打線は田中拓真(桜島ボーイズ)、福田将太(西田川ボーイズ)、花倉凪海(中学軟式)ら1発のある強打者揃いだ。センバツ出場の大島は絶対的エース大野稼頭央(中学軟式)が健在。常時130km台の速球と変化球は相変わらずのキレ味だ。打線は甲子園で3安打を放った2年生の有馬航大(中学軟式)、長打力のある中優斗(中学軟式)、投手も務めるキャプテン武田涼雅(中学軟式)、1発のある美島永宝(中学軟式)が中心だ。甲子園での悔しさは甲子園でしか晴らせない。チーム初となる春夏連続出場を掴めるか注目だ。2年連続の甲子園出場を目指す樟南は先発を務めるエース右腕の永吉浩志(中学軟式)、尾形翔冴(中学軟式)、2年生の小峰康矢(ガッツ鹿児島)ら4人の投手が控える。打線は甲子園を経験している町北周真(寝屋川中央シニア)、西窪大翔(谷山サンボーイズ)の2人に注目して観たい。秋、春、NHK旗で好成績を残している国分中央はサーモンイチオシのサウスポー安藤奈々利(中学軟式)、右腕前田悠成(???)のダブルエースが安定感抜群。打線は棈松蒼生(中学軟式)、猩々琳太(???)、宇都大樹(???)、前田らが相手投手を攻略する。エース安藤を中心に守備からリズムを作る野球は必見だ。4校以外では総合力が高い鹿屋中央鹿児島商鹿児島城西鹿児島実、好投手がいる鹿屋農業鹿児島工鹿児島玉龍川内鹿児島情報頴娃に注目したい。

沖縄大会

◎沖縄水産 〇興南 △沖縄尚学 ☆前原

春季大会を制した古豪沖縄水産はエースナンバーを背負う比嘉晟那(???)、上原昂也(沖縄中央ポニー)、平田李維(中学軟式)、鳩間琉己(中学軟式)の右腕カルテットがマウンドを分け合う。打線は川端南海斗(うるま東ボーイズ)、圧倒的な長打力が武器の知念琉月(中学軟式)、内村水軌(???)、芳山海斗(沖縄中央ポニー)の4人に注目だ。秋季大会優勝の興南は本格派のエース生盛亜勇太(中学軟式)、速球派右腕安座間竜玖(沖縄中央ポニー)、2年生の技巧派左腕平山航多のレベルの高い3投手が安定感のある投球を見せる。打線は遊撃守備が光る1番仲程雄海(宜野湾ポニーズ)、3番禰覇盛太郎(宜野湾ポニーズ)、プロ注目の4番盛島綾大(中学軟式)らパワーのあるバッターが並ぶ。昨夏の代表校沖縄尚学は春季大会でノーヒットノーランを達成したエースの吉山太陽(中学軟式)、中学時代から県下で名を馳せていた仲宗根大斗(安仁屋ヤングスピリッツ)、先発起用が多い右腕比嘉佑斗(浦添ボーイズ)、左腕赤嶺大地(???)の4人が投手陣の中心。野手では2年生の1番打者知花慎之介(中学軟式)、旧チームから正捕手の前盛魁来(浦添ボーイズ)、2年生の4番玉那覇世生(安仁屋ヤングスピリッツ)の4人が打線の中心だ。秋季大会準優勝、春季大会ベスト4と好成績を残している前原はエース横田琉空(中学軟式)、上原望生(中学軟式)のダブル本格派右腕、変則右腕の金城陽(中学軟式)の3枚を擁す。打線は長打力が武器の目取眞悠月(中学軟式)、4番の好打者新里紹舜(中学軟式)、1発のある島袋優汰(中学軟式)のクリーンナップが楽しみだ。4校以外では好投手がいる宮古北山中部商業浦添商業、総合力が高い未来沖縄日本ウェルネス沖縄知念首里豊見城、今年から新加盟の
エナジックスポーツ高等学院も楽しみだ。

最後になるが、昨年夏は県大会でセンバツ優勝の東海大相模が夏の甲子園では大会中に宮崎商業と東北学院が、そして今年の春は大会開幕の数日前に京都国際、大会中に広島商業が大会中に新型コロナウイルスの影響で出場を辞退することとなった。感染者が日に日に減少しているとはいえ、コロナの影響はまだまだ残っている。もう二度と試合以外で敗戦する姿は見たくない。今夏こそ県大会、甲子園期間中通じて1校も出場辞退が無い事を願ってやまない。


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