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設計事務所つれづれ~知ってる?インスペクション~

こんにちは。設計事務所DesignLab.Merzです。

いきなりですが「インスペクション」って知っています??

漢字で書くと「既存住宅現況調査」です。

今日は利用すべきインスペクションについて書いてみます。

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1.日本では認識の少ない「セカンドチェック機能」

建築士という仕事を行っていると、常々不思議に思うことがあります。

なぜ、住宅を検討する人たちはプロに相談しないのだろう??ということ。

建築の業界にはそれぞれのプロが分業され存在します。土地や家屋を購入する際、相談できるプロは「宅建士」。少し前は宅地建物取引主任者でしたが今は士業として活躍されます。その名の通り、宅地や建物の取引のプロです。

私の仕事は「建築士」。皆さんが知っているようで意外と認識の低い建築のプロです。建築という分野は幅広く、生活スタイルの住環境デザインから建築基準法などの法律、地震など災害に対する構造など、見た目のデザインから見えない部分までを考える仕事です。

その他にも、土地家屋調査士や電気工事士など、様々な分野で専門的な知識を持つ資格者が存在するのが、大きくくくると「建築」になります。

私は建築士なので、土地の売買に関する知識はほんの少ししかありません。だから土地の取引には「宅建士」さんにお願いします。

皆さんが住宅を考える際、どの専門家に相談したいですか???

海外のお客様よりよく依頼をいただくのが「セカンドオピニオン」業務。いわば「第三者の目」を雇い、報酬をもってチェックする機能業務です。実際に設計された建築士さんが存在しますが、お客様からのご依頼により、設計された建築士以外の建築士(=私)に、専門家としての目をもって「しっかり建築されているか?」をチェックする業務となります。

ダブルチェックを行うことにより、設計された建築士さんもより厳しい感覚で建物を設計監理することとなり(同業者には文句を言われたくない心情ww)必然的に建物は良い方向に向かいます。ある意味抑制力ですね。

悲しいかな、日本では(言い方が悪いのですが)「ずぶの素人さんが、建築のプロを相手に勝負を挑むけど、話している単語すらわからないから、任せるしかない」状態にあります。しかも35年も払い続けるお金をかけて。

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2.インスペクションとは?

先に書きましたインスペクション=既存住宅現況調査と書きましたが、なにも既存住宅に限ることではありません。セカンドオピニオンを利用すると新築でも同様の対応ができます。

インスペクションは、既存住宅(いわゆる中古住宅)を取得する前に、専門家に調査してもらい、その結果をもって契約を行う。といったもので、中古住宅の状態を調査し、その報告書を「重要事項説明」として購入者に説明します。平成30年に法改正施行され、インスペクション調査は「建築士」が行うことと法律でも明記されました。(※法改正以前にインスペクション技術者として登録された建築士以外の方も存在します)

前の項目でも書いたように「餅は餅屋」でして、各業種の専門家がしっかりと調査を行うことにより、建物取得者としても「見た目以外の部分」の安心が得られます。建物を取得してから「こんなはずじゃなかった…」という失敗が無くなるように設けられた制度です。

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3.インスペクション→建物取得→リフォーム・リノベーションという方法

様々な理由で皆さんは建物を取得され住まいとされます。新築住宅も長年利用する大切なものですから、セカンドオピニオンを利用し、専門的な第三者の目をもってしっかり新築されることをお勧めしますし、中古住宅を取得する際も、この「インスペクション」を利用し、取得後にリフォーム・リノベーションを行うことで、より良い建物に生まれ変わらせることができ、長く使いやすい建物とすることができます。

建物は(特に中古住宅などは)メリットとデメリットが必ず存在します。

デメリット部分も理解することで、今後の計画(=改修時期)も立てやすくなり、長期の修繕計画をもって資金計画や住まい方が見えてくるわけです。

4.まとめ

今回は、セカンドオピニオンとインスペクションについて書いてみました。

大切な住まいです。取得する前に「しっかりと」自分の建物を知ることで今後の人生設計を行っていきましょう。

本日もありがとうございました。

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