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【ポケカ】マリィの撃ち合いを制す為のデッキ構築について

こんにちは。Ryoです。

今回は、マリィの撃ち合いを制するためのデッキ構築についてお話をしていこうと思います。

目次
1. マリィと歩む修羅道
2. ブランクカードの認識
3. 野生のブランクカード
4. まとめ

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1. マリィと歩む修羅道

本題に入る前に、まずはマリィというカードについて掘り下げていきます。

マリィは、博士の研究と同時に登場して以来非常に多くのデッキで採用されているドローサポートです。

自分のリソース管理や相手の手札への干渉等を1枚のドローサポートに任せることができるため、
博士の研究に次ぐ汎用ドローサポートとしてその立場を確立しつつあります。

最近では、特殊なデッキでもない限り、
デッキに採用されるドローサポートはほぼほぼ「博士の研究」「マリィ」の並びに固定化されてきているのではないでしょうか。

マリィの最も特徴的で強い点を1つ挙げるとすれば、

相手の手札に干渉できる

という点でしょう。

1回の番が非常に重要な昨今のポケモンカードにおいて、
相手の手札を弱くしてゲーム展開を遅らせるというのはシンプルに強力です。

また、手札が噛み合わず自分が出遅れてしまったゲームでは、
相手の足を引っ張ってゲーム展開に追い付く可能性を作り出すカードにもなり得ます。

ゲーム開始時点の先手後手や引きの良し悪し等をひっくり返す可能性を秘めたサポート、といえば、
その強力さが理解できるかと思います。

しかし、そのような強力なサポートが多くのデッキに採用されているということは、
マリィは自分が使うだけでなく多くの対戦相手から使われるカードでもあるということです。

実際のところ、溜め込んだ手札を使って強い動きをするズガドーンが大会環境に台頭した辺りから、
明確なメタ意識をもってマリィをデッキに採用する人が増えたと感じています。

たとえズガドーンが登場していなかったとしても、
「先手後手をひっくり返すポテンシャル」という博士の研究にはない強みがあるため、
マリィがサポートの定番になるのは必然的であったと言えるでしょう。

博士の研究にはない強みの話で言えば、もう1つ。

時折、「相手のマリィで止まって負けた」みたいな対戦レポートを目にすることがあります。

相手のマリィで止まって負けた

このフレーズは一見すると、「運が悪かったね」「仕方ないね」のような慰めの言葉をかけてあげたくなるようなものですが、
よく考えてみてください。

相手のドローサポート1枚でゲームが終わっているんです。

博士の研究やボスの指令は、適切なタイミングで使うことで自分を勝利に近付けてくれる強力なサポートですが、
1枚でゲームを終わらせることはできません。

しかし、ことマリィに関しては、
(それを期待して使うカードではないにしても)1枚でゲームを決定付ける可能性を秘めているのです。

ジムバトル等でマリィを撃ち合い、
お互いに手札をシャカシャカ混ぜて山札の下に置き、
「4枚です」「5枚です」と確認し合って手札にする光景を見ていると、
本当に修羅のゲームをしているなと感じます。

そんな果てしない修羅道を戦い抜くために、
運や割り切りで思考停止せず、
マリィで止まりにくいデッキ構築について考えることは決して無駄にはならないでしょう。

では、
「マリィで止まりにくいデッキ」とは一体どんなデッキなのでしょうか?

また、それはどうすれば組めるのでしょうか?

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2. ブランクカードの認識

マリィで止まりにくいデッキとは一体どんなデッキなのか。

それはずばり、

ブランクカードの出現率が低いデッキ

です。

「ブランクカード」とは何ぞや?という方もいると思いますので、
まず初めに、ブランクカードとは何かについて説明していきます。

ブランクカードとは、
「未記入のカード」や「白紙のカード」という意味の言葉です。

トランプや花札、UNO等を購入すると、
カードを紛失した際の予備として白紙のカードが数枚付属していることがあると思います。

あれがいわゆるブランクカードと呼ばれるものです。

しかし、世の中に商品として出回っているポケカには、
何も印刷されていない白紙のカードなんて存在しません。

理由はシンプルで、
白紙のカードには市場価値が付かないからです。

では、今回お話しするブランクカードとは一体何者なのでしょうか。

1つ例を挙げましょう。

上の写真を見てください。

自分は三神ザシアンを使用していて、
対戦相手のスタートポケモンが三神なので、
おそらくこの試合は三神ザシアンミラーであると推測できます。

こちらのスタートポケモンはカプ・レヒレと、
三神ザシアンミラーとしてはあまり芳しくありません。

初手も覗いてみましょう。

うわぁ……。

動けるカードがほとんどありません。

強いて言うなら、
エネルギーつけかえを引いているので、
後々他のポケモンにエネルギーを渡せることを考えると、
基本エネルギーが手札にあるのは唯一の救いかもしれません。

一方の対戦相手の初手はというと、
こんな感じでした。

最高とまでは言えませんが、
クイックボールやドローサポート、基本エネルギーを引いているので、
なかなかいい初手であると言えます。

ではこの2パターンの初手のうち、
明らかに初手事故を起こしている自分側の手札の中で、
現状使えるカードは何枚あるでしょうか。

実際にプレイする立場になってみれば一目瞭然ですが、
先攻後攻に関わらず、
どう頑張っても使えるのは基本エネルギーくらいです。

つまり、現状使えるカードは手札に1枚しかありません。

それは言ってしまえば、

実質的にこういう手札になっているということです。

このように、

手札にあるのに実質的に使えないカード

のことを、「ブランクカード」と呼んでいます。

ポケモンカードは白紙のカードでは戦えません。

ブランクカードだらけの初手は、
戦えない初手であるというわけです。

ではここで、
先程の対戦相手側の初手をもう一度見てみます。

なかなかいい初手だと評価したこちらの手札ですが、
ここで1つクイズを出しましょう。

この初手の中にブランクカードは何枚あるでしょうか。

これだけでは思考材料が足りないので、
少し条件を加えましょう。

①あなたは先攻で、
2ターン目にオルタージェネシスGXを追加効果ありで撃ちたい。
②ベンチにザシアンVを出して、
ふとうのつるぎを使って1ターン目を終えたい。

さあ、考えてみましょう。

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答え合わせです。

この加えられた条件を加味すると、手札6枚の内、

①基本鋼エネルギーor基本水エネルギー
②クイックボール

以上の2枚が現状使えるカードであることから、
この初手の中のブランクカードの枚数は残った4枚となります。

さすがに簡単すぎましたかね。

ではもう1問。

この初手の中のブランクカードは何枚あるでしょうか。

……え?さっきと同じ?

じゃあ加える条件を変えましょう。

①あなたは後攻だが、
後攻1ターン目オルタージェネシスGXは噛み合えば狙う程度で必須ではない。
②ザシアンVをベンチに出して、
オルタージェネシスGXを狙わずとも、
ふとうのつるぎを使って1ターン目を終えたい。

先程と同じように考えてみてください。

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答え合わせです。

条件を加味して考えると、手札6枚の内、

①基本水エネルギー
②クイックボール
③博士の研究

以上の3枚が現状使えるカードであることから、
この初手の中のブランクカードは残った3枚となります。

このように、
たとえ全く同じ手札を持っていたとしても、
条件が変わればブランクカードの枚数も変動します。

ブランクカードの枚数やその変動を把握すること、
すなわち「ブランクカードを認識すること」が、
より良いデッキ構築をするための第一歩となるのです。

普段のゲームでは、
手札に来た「使えるカード」をどう使うかに注視しがちですが、
より良いデッキ構築について考える際は、
手札に来た「使えないカード」に着目することも必要であるというわけです。

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3. 野生のブランクカード

ブランクカードの意味とその特徴について、
ご理解いただけましたでしょうか。

ここから先はいよいよ、
ブランクカードに着目したその先の、
マリィで止まりにくいデッキ構築について考えていきます。

前項では、マリィで止まりにくいデッキを

ブランクカードの出現率が低いデッキ

と表現しました。

では、ブランクカードの出現率が低いというのは、
一体どういうことでしょうか。

ブランクカードを「手札にあるのに実質的に使えないカード」と定義すると、

「手札に引いて使えないカードが少ない」

もっと端的に言えば、

「余計なカードが少ない」

そんなデッキであることがうかがえます。

では「余計なカード」とは何でしょうか。

具体的に言うなら、

・枚数過剰な環境メタカード

・枚数過剰なエネルギー、サポート、スタジアム

・使用タイミングが限定的で枚数過剰なグッズ

・1ゲームで使う枚数+1枚より多いポケモン

・レアケースで大活躍するオシャレカード

以上のようになるでしょう。

ブランクカードの出現率を減らすには、
これらのカードの枚数を調整する必要があります。

しかし、その枚数調整は非常に難しいことが多いです。

なぜかというと、
それぞれの丁度いい枚数がデッキタイプや対戦環境に依存するためです。

手貼りだけで動くデッキと、
溶接工でガシガシ加速するデッキでは、
入れるエネルギーの総枚数が同じはずがありません。

手貼りだけで動くデッキは手札にエネルギーを2枚以上引いた時点でどれかがブランクカードになりますが、
溶接工をたくさん撃つデッキは手札にエネルギーがないと溶接工がブランクカードになってしまいます。

また、とにかく山札をたくさん引いて素早くゲームを決めたいデッキと、
どっしり構えて有利なロングゲームに持ち込みたいデッキとでは、
サポートの総枚数も異なってくるでしょう。

博士の研究を撃つ段階で手札に抱えているサポートは全てブランクカードになるため、
博士の研究をどんどん撃っていくデッキならサポートの枚数は控えめになることが多いです。

シロナ&カトレアはトラッシュから回収したサポートがその番ブランクカードになりますが、
有効なサポートの使える枚数を増やしてロングゲームを有利に運びやすくしてくれます。

1ゲーム内で見据えているターン数が違えば、
使う見込みのサポート枚数に差が出るのは必然と言えるでしょう。

結局のところ何もかもデッキによるとしか言えないので、
どんなカードでもブランクカードになり得るし、
どんなカードでもタイミング良く引けば有効に使えます。

「ブランクカードが少ないデッキ」ではなく、
「ブランクカードの出現率が低いデッキ」と表現していたのは、
ブランクカードが少ないデッキはそもそも組みようがないからだったのです。

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では、ブランクカードの出現率を減らすためには、
どのように考えていけばいいのでしょうか。

方法は2つあります。

1つ目は、信頼できる量の対戦データから科学的にブランクカードを導く方法です。

出現率を検証したいデッキで対戦を行い、
1ゲーム中に数回適当なタイミングでその局面での手札とブランクカードを記録し、
その情報を集積していきます。

すると、統計データとしてブランクカードが浮かびあがってくるので、
そのカードを別なカードに入れ替えることでブランクカードの出現率を減らすことができます。

手札を記録する際に、その時の盤面や「このブランクカードが◯◯だったら良かった」等の雑感も記録しておくと、
別なカードへの入れ替えがスムーズでしょう。

2つ目は、1つ目の方法の「対戦データの集積」を、
"体感"に置き換えてブランクカードを導く方法です。

信頼できる量の対戦データをとるためには十分な時間や人手が必要になるので、
そういったゲーム外リソースが十分でない人にとっては非現実的な方法と言えます。

ですが、このカード多いなとか、
このカード思ったより使わないなとか、
そういうちょっとした違和感は数回対戦すれば何となく見えてくることが多いです。

その違和感をブランクカードだと決めつけるのは、
試行回数も少なくカードやデッキに対してバイアスがかかっている場合もあるため、
基本的に好ましくないことです。

しかし、カードゲームにおける体感は、
膨大な量の試行回数をこなしてようやく見えてくる確率の収束を感覚的に捉えている場合もあるので、
完全に無視すべきかというとそうとも言いきれません。

なので体感でブランクカードを導く際は、
「違和感のあるカードをとりあえず変えて数回試してみる」というやり方が最も時間や人手を無駄にしない方法になります。

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このようにしてブランクカードと上手く向き合う努力が実ったデッキは、
必要なカードが必要な分だけ入っていて、
ブランクカードになりにくいカードや環境に刺さる1枚のメタカード等がバランスよく盛り込まれています。

そのような構築は、
相手のマリィで減らされた手札からでも対戦を続けていくことができるでしょう。

ブランクカードについて考えたデッキとそうではないデッキでマリィを撃ち合えば、
ブランクカードについて考えたデッキに軍配が上がるのは確率的に必然です。

そこまで来ればもう誰が見ても、
この構築は強いと言えるのではないでしょうか。

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このように、デッキを構築する際にブランクカードの出現率について考えながら組んであげると、
デッキに入っているそれぞれのカードの価値が高まり、
無駄のない洗練されたデッキになるのです。

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4. まとめ

いかがだったでしょうか。

今回は、マリィの撃ち合いを制するためのデッキ構築についてお話をしてきました。

ブランクカードという概念は、
普通にプレイしていればその時に使えるカードを意識するところを、
逆にその時に使えないカードを意識する考え方であるため、
言ってしまえばただの発想の転換でしかありません。

しかし、そういった「誰も見ようともしなかった部分」に目を向けることは、
気付きのゲームでもあるポケモンカードゲームにおいて非常に重要なことだと思います。

どう楽しむかはあなた次第ですが、
マリィは今後もしばらく使われるでしょう。

ジムバトルでもシティリーグでも、
チャンピオンズリーグでも、
変わらずマリィは撃たれます。

相手のマリィで負けるより、
撃ち合えるゲームをする方が絶対楽しいと思いませんか?

楽しんだもん勝ちです。

ゲームなんですから。

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最後まで読んでいただきありがとうございました。

今回はここまで。

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