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【ポケカ】大会自粛期間がデッキ構築に与えた影響について

こんにちは。Ryoです。

今回は、大会自粛期間がデッキ構築に与えた影響についてお話をしていきたいと思います。

目次
1. 脳内三ザシ事件
2. ブルーとマリィ
3. デッキ調整の落とし穴
4. まとめ

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1. 脳内三ザシ事件

先日、久しぶりの大型大会であるCL横浜が開催され、
でかい会場でまたポケカができる喜びを配信越しに噛み締めました。

ムゲンダイナVMAXやセキタンザンVMAX、ピカチュウVMAXにマルヤクデVMAXまでもがデッキ分布に存在しており、
ポケモンVMAXが本格的に環境入りするようになったんだなあと感慨に耽りました。

入賞者のデッキリストを眺めてみると、
同じ名前のポケモンVMAXでも構築が異なるケースが多々あり、
ポケモンカードのデッキ構築の多様性を強く感じました。

VMAXは間違いなく強いということが証明された、
素晴らしい大会だったと思います。

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この日に至るまで、
ほとんど家でポケカをする選択肢をとっていた方も大勢いることでしょう。

最近でこそジムバトルやトレーナーズリーグが再開しましたが、
本当に世の中が壊れていた時期は、
誰とも会わずに部屋でポケカすることを半ば強制されていました。

そしてその際、
おそらく多くのプレイヤーが1人回しをしていたのではないでしょうか。

少なくとも私はそうでした。

普段から好きで1人回しをしている人も、
大会がなくなったことでむしろ1人回しの時間が増え、
デッキと向き合う時間が多くなったことと思います。

一口に1人回しと言ってもいろいろやりました。

デッキを2つ用意してそれらを対戦させたり、
脳内で仮想敵を動かしてデッキ1つを回したり、
特に仮想敵は考えず、デッキの動きだけを確かめたり。

三神ザシアンは最低限の動きが非常にシンプルで脳内で動かしやすかったため、
私はよく1人回しの仮想敵にしていました。

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こんな風に1人回しの時間が増えていき、
新カードで組んだデッキが三神ザシアンに勝てないと嘆きながらも、
怒涛の自粛期間を過ごしていました。

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そんなある日、1人回しをしていて盛大な手札事故を起こしたとき、
あることに気付きました。

それは、

脳内で仮想敵として動いている三神ザシアンが絶対に手札事故を起こさない

というものでした。

現役ポケカプレイヤーの共通認識とも言える、

1ターン目に三神に手貼り、
2ターン目に三神に手貼り、追加オルター、
3ターン目にアルティメットレイ、

のような動きを毎回必ずしてきます。

何度も1人回しをしましたが、
そのうち一度も脳内の三神ザシアンが事故を起こすことはありませんでした。

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「脳内で理想通りの動きをさせるんだからそりゃそうなるだろう」

そう思いますか?

でも実はこれ、とんでもないことなんです。

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脳内三神ザシアンが事故を起こさないことに気付いてからも1人回しは続けましたが、
その力が衰えることはありませんでした。

私は少し怖くなったため、
実際に三神ザシアンを(久しぶりに)組み、
三神ザシアンで1人回しをしてみることにしました。

するとどうでしょう。

理想的な三神ザシアンの動きを再現するどころか、
1ターン目に三神にエネルギーを貼れなかったり、
そもそも三神を引けなかったりすることが幾度もありました。

脳内では必ずうまくいっていたのに。

なぜ?

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前置きが長くなりました。

この「なぜ?」が今回の記事の本題です。

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2. ブルーとマリィ

脳内で動かしていた三神ザシアンと、
実際のカードを使って動かした三神ザシアンの決定的な違いは何か。

それは、

『科学』か『カードゲーム』か

に他なりません。

ここで言う『科学』とは、
誰がいつ実験しても同じ結果を再現できるという、
いわゆる再現性を持った事象のことです。

またここで言う『カードゲーム』とは、
ドローによるランダム性を保持しながら、
そのランダムな結果に対して選択を繰り返していくゲームのことです。

脳内で動かしていた三神ザシアンは、
誰がいつ動かしても理想的な動きを再現できるので、
科学的であると言えるでしょう。

一方、実際のカードを使って動かした三神ザシアンは、
1ゲームごとに違う初手、違う引き方を見せるので、
一方を科学的と表現するならこちらはカードゲーム的であると言えます。

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では、科学とカードゲームが戦ったら、
一体どちらが勝つでしょうか。

実際のカードを使って例を挙げましょう。

次のような2つのルールがあると仮定します。

①特性を持ったポケモンとサポートをデッキに入れることができないが、
自分の番に1回だけゲーム外から「ブルーの探索」を1枚手札に加えてプレイすることができる。
②特性を持ったポケモンとサポートをデッキに入れることができないが、
自分の番に1回だけゲーム外から「マリィ」を1枚手札に加えてプレイすることができる。

プレイヤーはルール①とルール②のどちらか好きな方を選び、
60枚同じデッキでゲームを開始します。
(※オリジナルのルールですが、最低限のポケカは遊べることがわかると思います)

ブルーの探索はいわゆる確定サーチであるため、
ルール①は正に『科学』です。

一方のマリィはお互いの手札にランダムな結果をもたらすため、
ルール②は良くも悪くも『カードゲーム』と言えます。

どちらのルールの勝率が高いかと問われれば、
その答えは明白でしょう。

欲しいカードを欲しいタイミングで必ず引いてこれるルール①の方が断然強いです。

つまり、科学とカードゲームが戦ったらほとんど科学が勝つことになります。

もっと言うと、

科学とカードゲームが戦って、
カードゲームが勝てるわけがないんです。

残念ですが、これが現実です。(かがくのちからってすげー!)

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先程の三神ザシアンのお話にも同様のことが言えます。

脳内で動かした『科学』の三神ザシアンと、
実際に回した『カードゲーム』の三神ザシアンがありました。

脳内で動かしていた三神ザシアンは、
ただでさえ強力なデッキであるにも関わらず、
『科学』という名の最強のバックアップを手に入れた鬼に金棒状態だったわけです。

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3. デッキ調整の落とし穴

『科学』と『カードゲーム』の違い、
ご理解いただけましたでしょうか。

ポケカはポケモンカードゲームだから面白いのであって、
ポケモンカガクであってはならないのです。

しかし、大会自粛期間中、
やけに綺麗なデッキリストを目にすることが多々ありました。

おそらく、
大会自粛の所為で脳内の『科学』三神ザシアンと1人回しをする回数が増えたことで、
再現性を極限まで高めなければ勝てないと考えるようになり、
その結果やけに綺麗なデッキリストが出来上がってしまったのだと思います。

VMAXラインは上が引けないから4-4とする風潮や、
1枚入りのメタカードすら入れないデッキコンセプト最大化構築を正義とする考え方が広まったのもその片鱗でしょう。

もちろんそれ自体はデッキの再現性・安定性を高めるという意味では素晴らしいのですが、
それだけでは勝ちきれないのがポケモンカードゲームです。

CL等の大型大会で勝ち上がるメタデッキの中身を覗いてみると、
VMAXラインを3-4にしたりして再現性・安定性を許容できるラインまで下げ、
その枠に1枚環境メタカードを入れる等、
環境読みの要素をしっかり取り入れています。

何が正しいという話ではありませんが、
実際に勝ち上がっているのは環境読みの上手い構築であり、
やけに綺麗なデッキリストはどこかで不利対面に負けていることが多い印象です。

大会自粛が生み出したデッキ調整の落とし穴はここにあります。

皆、脳内の『科学』三神ザシアンと戦いすぎたのです。

科学と戦ってカードゲームが勝てるわけがないのに、
科学に近付きたい一心でひたすら1人回しを続け、
科学になりきれないままカードゲームに敗北していくのです。

ポケモンカードゲームは科学になれません。

これは今一度胸に刻むべき教訓であると私は思います。

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4. まとめ

いかがだったでしょうか。

今回は、『科学』と『カードゲーム』という切り口から、
大会自粛期間がデッキ構築に与えた影響についてお話してきました。

私が推奨することはただ1つ。

1人回しをするときは、
デッキを2つ広げて対戦させましょう。

一度に2つのデッキを練習できて効率的な上に、
脳内だけでは見えなかった2つのデッキの噛み合いが見えてきます。

そうやって勝てるデッキ調整ができるようになれば、
一人前の競技プレイヤーとして自信を持って大会に臨むことができると思います。

大丈夫です。

かけた時間は裏切りません。

ヨネダタクヤやイトウシンタロウになれなくても、
貴方がアナタになればいいんです。

さあ、今すぐデッキを回しましょう。

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最後まで読んでいただきありがとうございました。

今回はここまで。

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