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猫探偵という職業

以前飼っていたロシアンブルーが忽然と姿を消しました。

その当時、5歳。目に入れても痛くないほどの、可愛い真っ盛り。

マンションの4階に住んでいたのですが、ドカンという大きな音が聞こえて、網戸が少しだけ空いたベランダに駆け付けました。

そのロシアンブルーはベランダが大好きだったので、良く自分で網戸を開けて、脱走しようとしました。

嫌な予感が的中。家の中を隈なく探しましたが、猫はどこにも見当たりません。

ベランダづたいに隣の部屋に行ってしまったのではないかと思い、隣家のベランダを覗いて見ましたが、グレーの綿埃はどこにも見当たりません。

パニック状態で1階に降りて、猫が落ちたであろう場所を探しましたが、姿が全く見えません。

近所を駆け回り、ありとあらゆる窪みや物陰を探しましたが、影も形もありません。

結構遅い時間帯だったと思います。半べそを書きながら、ネットで猫の探し方を必死に調べました。

猫探偵がいることを発見!何軒か当たりをつけて電話しましたが、どこも予約で一杯。

そんななか、一人の猫探偵さんがとても親身になって下さり、ご厚意で、無料で捜索方法をアドバイスをいただけました。

心細いことや、分からないことがあれば、いつでも電話してほしい、と優しいお言葉もいただけました。

【猫探偵さんからのアドバイス】

1 隣家に行っている可能性もあるので、ベランダの通り道になるところを触って、猫の毛がないかどうかを確認すること。

2 もし階下に落ちた場合、4階の高さであれば、猫は運動能力が高くて、着地できる距離なので、生存している可能性が高いこと。

3 生まれたときから家猫ならば、行動範囲が狭いはずなので、どこか物陰に隠れていることが想像される。

4 猫は飲まず食わずでも1週間程度は生存できる。

5 その期間を過ぎると、衰弱死する可能性があるため、猫を早く発見することが重要。猫捜索ポスターを100枚くらい印刷して、近所のポストに投函、または近隣の店に協力を依頼してポスターを掲示すること。

6 車に轢かれて亡くなってしまうこともあるので、2日後に清掃局に電話して、猫の遺体が見つかっていないかどうかを確認すること。

随分前の話なので、細かいことは忘れてしまいましたが、全てのアドバイスを受け止めて、実行に移しました。

近所に住む姉と姪っ子にも捜索の協力をお願いして、猫缶をスプーンでカンカンと叩きながら、周辺をすべて渡り歩きました。

マンションの近隣を懐中電灯を持って練り歩いた3日目の夜。

真下(一階)の室外機置き場の影に潜伏している猫を発見しました

家に帰ると、真っ先に餌と水に飛びつき、その後、3日分のウンチとオシッコを放出(笑)。全くの無傷で、怪我一つしていませんでした。その当時5歳だったロシアンブルーが17歳の大往生を迎えて、この世を去ったことは、前述のとおりです。

猫探偵の白澤実さんに、早速報告し、御礼の品をお送りしましたら、著書の「この猫 誰の猫?」を送ってくださいました。失踪したロシアンブルーの捜索がきっかけとなり、このような出会いがあり、心がジーンと震えた瞬間でした。

世の中には知らない職業が沢山あって、その道のプロがいらっしゃるのだなあ、と改めて感心しました。