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私のこと聞いてください…「愛と、利と」を観ながら

韓ドラのミカタ

「愛と、利と」を観ながら遠い昔が蘇った。

初回あたりですでに当ドラマのテーマをにおわす話題が話される。
「社会的階層が違う男女の結婚は後から面倒な事が多い。」と。

そうだったんだ。ピンときた。
彼もそう感じていたのかも知れない。

私は20歳代前半、その彼と2年半暮らした。
彼は大学卒業を機に故郷へ帰った。
私は既に働いていた。夏のボーナス後退社し、
彼の生まれ育った地へ引っ越す予定を立てた。

それはやがて結婚するものだと想像していたから。
私だけ?彼の気持ちは?
後から記憶を辿ると、私たちは声を出して
結婚の計画など、求婚さえ、どちらからも
していなかった。

私は彼を愛していた。
知り合ってから、ずーと。
別れてからも、だ。
彼のためなら死んでもいいとさえ思えた。

その反面、彼と過ごした年月、
私は、彼に愛されている実感は一度ももてなかった。

「君のこと、愛している。だけど、別れてほしい。ごめん。」
この手紙が届いたのは、5月の大型連休明け。

連休中は、私は彼の車で彼の故郷の観光ドライブを楽しんだ。
「じゃ、7月末に向かって、引っ越し準備、連絡するね。」
と別れた数日後に届いた手紙だった。

私は貧乏育ち。家族もいない。
食うために働かなくてはならなかった。
定時制高校もまともに出席していなかった。

彼の両親は教師の母と県会議員の父。
教育熱心で、息子は東京大学を目指した。

私みたいなものとの結婚は確かに
面倒臭いだろうな。と。

「愛と、利と」を見ながら、
なんてウブだったんだろう。と。
自分をわらった。





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