見出し画像

clusterワールド制作記録【倉須田市猫魚川ジャンクヤード】

すでに多くを見てきたが、すべてを見る前に死にたくはないと思っていた。アトラスは返答する。惑星の数は18, 446, 744, 073, 709, 551, 616個。ひとつの生命体の一生で見ることができる限度を、遥かに超える。トラベラーが死ぬ前にすべてを見るのは、不可能なのだ。

ーHello Games「No Man’s Sky」

どうも、カティアです。今年に入ってからNo Man’s Skyに時間をもりもり溶かされています、作業に支障が出ないようにしないと。

というわけで新ワールドです。このところ乗り物ワールドを色々作ってきましたが、今回は手持ちアイテム重視のワールドです。

■どこまでも拡張する世界へ

四級河川「猫魚川」。川面には廃車が浮かび、ヌカめいた緑色の光が広がる。

カタリナ・プロジェクトが始まるはるか昔。近い将来実現する可能性があるコンテンツとしてカタリナ・プロジェクト制作陣が想定したものの一つに、「ユーザーがエリアを投稿、拡張できるMMO」がありました。

ただ冷静に考えるとステージ、エネミー、アイテムを自由に投稿出来たらあらゆる場所に最強の武器が乱立するのは明らかで、大半のMMOでは拠点カスタムやダンジョンクリエイト辺りが現実的。それ以上求めるなら、今ならTRPGやPBWの方が向いてるかもしれません。

そんなことを考えながら当時想像していたステージが水路街で、ボスが巨大ナマズでした。

■最高に治安の悪い場所を探せ

両手にリボルバー。もちろん弾が出る。

風呂敷を広げ過ぎた電脳都市カクルの要素を整理する中で、次回送りとなった路地裏要素。雨降る路地裏でコンクリート壁を前に、トレイルペンで落書きできるような場所。

ここから地下水路、倉庫、廃駅とモチーフを転々としてジャンクヤードに到達しました。汚れた川から廃棄物を引き上げて回る艀です。いつしか雨は止み、その代わり不穏な緑色の光があちこちに…。

今回はいわゆる「治安の悪い」場所。烏賊忍者屋敷の時に定義した「武器がある以上自分に飛んでくるかもしれない場所」です。

■虚空に描く

トレイルペンで描く。VR以外だとなかなか難しい

今回の主役、トレイルペン。

作り付けのキーアイテムは時に、ワールド設計の中心にもなりえます。手元を細かく操作するアイテムはどうしてもVR以外では難しいので、今回はVRありきと割り切りました。

落書き動画なども作れるかも、という目論見です。気が付くとゲーミング色ペンばかり使っている気も…。

■VR射撃場で遊ぶ

両手に銃、後方にちらりと見える的には緑色の弾痕が。

今回はVRで遊ぶことを想定して、他に銃アイテムをいくつか配置しました。

自動小銃とリボルバーは使うことでヌカ緑色の弾が出ます。着弾地点にも緑色の跡が3分間残るので、頑張れば弾痕芸ができるかもしれません。また、的に当てると煙のエフェクトが出ます。

グレポン。数秒のクールタイムで手りゅう弾が発射される。

グレポンとロケランは3秒のクールタイムでそれぞれ手りゅう弾とロケット弾を打ち出すことができ、どちらも当たると爆発します。ステージのどこかには火炎手りゅう弾があり、投げて爆発させることができますがこれもVR向きです。

金属光沢を輝かせる鉄パイプ

これ以外にステージの何か所かに鉄パイプと、金属棒が刺さったコンクリートの塊があります。何かできるわけではないですが振り回して遊べます。このコンクリートハンマーが最初の"最強の武器"のメタファーだなんて。

■場所を設計する

真ん中の小さな広場で

色々迷走しましたが、最終的にそれらしくなった気がします。次はどんなワールドを作りましょうか。かつての夢の、ささやかな顕現を手に。

■BGM

雑多にモノが転がる場所に、武骨で機械感のある音楽。