【Legacy Ocean Report】プロローグ~この世界を俯瞰する~
◆本記事では、Vtuber「カティア」の世界観小説であるLegacy Ocean Reportの舞台である、電脳都市群メガロチェインについて紹介します。少々分かりにくい内容ですが御容赦下さい。また、現時点で伏せられている情報がある点についても御了解願います。◆
20XX年。
世界中を網の目のように覆い、生活から軍事に至るまで人類文明に深く根差した情報ネットワークの海にあって、最も高度な電子空間体験として大きな発展を遂げたコミュニティがありました。
メガロチェイン・ネットワークス。
メガロチェインの実態は巨大なVR空間ネットワークで、人口規模はコミュニティフォーラムの統計によると世界中で約六百万人に達するとされます。
主だった演算処理をサーバーサイドで行っているシステムのため、クライアント側は比較的非力な端末でも、現実と見まごうハイクオリティな仮想世界体験を実現することを売りにしており、同時に基本オブジェクトの質量保存を含む高度な物理現象の再現を実現しています。
このネットワークは何千というコンティネント(大陸の意味。通称名の「電脳都市」で呼ばれることも多い)というサーバーの連合体で、各コンティネント同士はポータルというリンクによって繋がっています。ユーザーは所属を希望するコンティネントに登録申請を行い、その都市の仮想市民として承認されることでメガロチェインのサービスを利用できるようになり、様々な都市を訪れることが可能になります。
コンティネントは管理人であるキャピタルマスターによって様々にデザインされており、中世ファンタジー風な城塞や近未来都市、大自然が広がるジャングルのようなものまで千差万別に存在します。コンティネントの中にはアトラクションやショー、サロンなどを呼びものにしているところも多く、アバターファッションやパーソナルエリアなどと合わせて一つの経済が成り立つほどの規模にまで成長しています。
中には反社会的あるいは暴力的な内容のコンティネントが造られることもありますが、メガロチェインのコンティネントはあくまでプログラムであり、運用は分散管理型システムのためこのような悪質なコンテンツを削除できません。そのため極端に悪質な場合はポータル遮断やアクセス拒否によってネットワーク内で孤立、機能不全に追い込むことで間接的に排除するのが慣例となっています。こうしたメガロチェインの安定化を担ってきたのは有志により運営されるコミュニティフォーラムであり、各電脳都市には初期からの通例としてユニークナンバーが振られていきました。
コンティネントの規模はピンキリで、数十万のホーム登録人口を抱え何百という都市と繋がっている大規模なものから、数ヶ所としか繋がっていない隠れ里まで様々です。
ただし実際には、コンティネント運用に失敗して荒廃し遺棄されてしまうパターンも多く、現在実際に稼働している都市は二千前後とされています。
もっとも前述の特性上、ほとんどのポータルを閉じて閉鎖コミュニティとして生存している場合もあるので、この値も正確ではないようです。