「お待ち合わせですか?」「いえ、1人です」

金曜日の夜、どうしても薄いタンが食べたくなった。近くの精肉店に買いに出かけようと思ったが、夕方まで会議が続いて営業時間中に買い出しに行くことができず、仕方なく夜に空いている焼肉店を探した。

雨の中徒歩10分、やっとの思いでたどり着いた焼肉店で店員さんに笑顔でドアを開けてもらい、温かい部屋でほっとしたのもつかの間。

「いらっしゃいませ」
「1人です」(人差し指をたてて)
「あ、お待ち合わせですか?」
「いえ、1人です」
「あいにく席が空いておらず・・・申し訳ございません。」

そうだ、金曜日だ、と気づく。しかも時短要請のため早くに閉める店が周辺に多いため客が偏ったのだろう、1人でも入れないとは・・・

肉への未練を残したまま繁華街をさまようが、その時間から1人で入れそうな店はない。仕方なくラストオーダー間際の回転寿司にはいる。

席に着き店員さんから暖かいおしぼりを受け取る。
お腹のコンディションを肉から魚にすぐにはスイッチできなかったので、
とりあえず熱いお茶を入れ一息つき、周りを見渡す。
他には1人の女性客何人かと、夫婦が1組。
ああなんだか落ち着く。。

私がどこで何をしていようが誰にも関係ない。
けど確かにここにいて寿司を食べようとしている。

みんな頑張ってるんだよね。
「楽しい」「幸せ」って思う基準はそれぞれだし
できること、したいこともばらばらだけど
みんな生きるために働いてるんだ。

そんなことを考えていると
「作りすぎちゃって」と店員さんがサービスで茶碗蒸しを持ってきてくれた。
人と触れ合うことに飢えていたこともあって、すごく嬉しかった。

ちゃんと見てくれる人がいるんだから、感謝の気持ちをもって生きよう。
そう思えた金曜日でした。




2日後、念願の1人焼肉達成

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