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櫻坂46がヘッドライナーになる日は来るか?@JAPAN JAM 2022

曇天の中はじまったJAPAN JAM 2022は、櫻坂46のパフォーマンス直後から本降りになり、これは、五月雨というより「春雨よ(by尾関)」だなと思いながら、フルメンバーとして2022年はじめてのステージとなるセットリストを振り返ってみる。

#1 Dead end
4th仕様の『Overture』からの1曲目。「これまでのバンドより音でかくないか!」ていう音量でスタート(たぶん気のせい)。爆音でこのイントロ流れると一気に上がる。『Overture』からの『Dead end』はもはや鉄板か。とはいえ、みいかりん推しからすると微妙なスタート…。ライブのオープニングは、どんな曲であれ、全員参加のフォーメーションになるといいのに。あれ、小林ポジに守屋…?、えっ、えっ、と思っている曲が終わってしまった。ドラマ撮影とかしてるんだろうか?

#2 流れ弾
『なぜ 恋をして来なかったんだろう?』と同様に、ギミックのイメージがなんとなくついてしまって(『なぜ恋』は糸、『流れ弾』は裸足)、フェスではやりにくい楽曲になってしまうのかも。
挨拶のあと、原田にMCをまかせたところは粋な演出。

#3 五月雨よ
唐突の初披露。リリース1カ月ぐらいだし「新曲です」と紹介するとか1曲目とかラス前とかに置いてもよかったのに。歌い出しの山﨑、森田・田村のハモリとか、サビの振りとか、Wow Wowのところとか、ラスサビの横1列に歩を進めるところとか、聴きどころ・見どころ満載。『流れ弾』とは対照的にフェス向きな曲だ。

#4 無言の宇宙
前のめりの2曲につづいて、3・4曲目は「歌を聴かせる」にシフト。オリジナルもいいけど、渡辺→松田になったのは地味にいい。守屋ポジは誰だったのか不明(BACKS LIVE! と同じ藤吉かな)。ソロパートが多いので、歌い手によって色が変わる楽曲だし、渡邉卒業後も歌い継いでほしい。

#5 Buddies
このあたりからバスドラが腹に響くフェス仕様?の爆音モードに。
この曲は、メンバーが自由に動ける部分が多い(2番の頭のところだったり、間奏で客席にアピールしたり)のに、サビの部分では観客に背を向けメンバーで円陣を組んで寝っ転がったりする。そこは振り変更してもいいのではと思うのだが、一貫してメンバーの輪を崩すことはしない。一番観客を煽りやすい曲だと思うのに。メンバーとバディーズが手を取り合って大きな輪をつくるのではなく、メンバーのサークルを核にバディーズが同一円を拡大させていくイメージなのか。「支配する」とまでいかなくても「私たちが高みに連れていく」みたいな強さへの志向がある。

#6 Nobody's fault
森田MCからのラスト2曲。「名前だけでも覚えてください!」は、若手芸人かいと思いつつ、午前中のモーニング娘。'22なら絶対言わないだろうMCから、櫻坂46に興味をもったなら、新曲じゃなく、まずこれから聴けといわんばかりにこの曲がはじまる。「名前だけでも〜」というようなルーキーさとは裏腹に、ラストに自己紹介的な2曲をもってくるあたり、実は超強気なセットリストなのでは。
今回、森田メインの内容だったが、今なら山﨑メインのセットリストも組めると思う。しかもかなり振り幅のあるものに。

#7 BAN
「僕は絶対BANされるものか」と強い言葉で終わる本曲は、切れ味するどくラストを飾るのにふさわしい。この曲そのものが強い。そして、BACKS LIVE! を通して一番センター経験者が多い曲なのも象徴的だ。

ラストは遠藤の最敬礼。なんて美しく清々しいんだろう。最後のおじぎは欅坂時代の石森からはじまったと、どこかのインタビューであったと思うが、フェスのなかでは一層輝く。


日向坂は「物語」だ。3年目のデビューとか、2年越しの東京ドームとか、センターの離脱・復帰とか。それらは何度も繰り返される「物語」として、日向坂のプロフィールとなり、彼女たちが放つ魅力の核となっているのだろう。
欅坂・櫻坂は「歴史」である。あのときこうだったら9thシングルはリリースできていたのかもとか、あのときこうしていれば改名しなくてもよかったのかもとか、“たられば”の繰言をいっても仕方ないけど、そんな悔恨が残り続けるが「歴史」だ。
「物語」と「歴史」の違いは、回収できるかどうか。回収された出来事は「物語」として再生産されていく、ということだ。ドーム直後のコロナショックからのリスタートもきっと「物語」になるだろう。日向坂への改名はほぼ唯一の「歴史」といえるかもしれない。
櫻坂がフェスのヘッドライナーになるとしたら、それは新しい「歴史」となる。

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