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櫻坂46 9th Single『自業自得』フォーメーション考察といくつかの期待

個人的な予想としては15人編成なら3列目センターに小池、という感じだった。小池は誰かとシンメとより、センター〜裏センターの真ん中が似合う。表題選抜の検討時期は不明だが、まだ小池のアサインは難しい段階だったのかもしれない。今は東京ドームに立ってもらうだけでも大きな前進だ。リベンジは10thからでいい。東京ドーム、BACKS曲&BACKSLIVEにおいて、真っ向勝負で選抜を勝ち取るぐらいの復活を期待している。

もうひとつ期待していたのはエイト制度の復活だった。賛否のある制度だが、未選抜の三期生たちにとって表題フロントメンバーと楽曲制作できれば、過去2回のBACKSLIVEとは違う刺激を得ることができるだろう。

いつからか櫻坂のフォーメーション発表は、冠番組内の必要最小限の尺でさらっと発表され、他坂と比べるとかなりあっさりした印象を受ける。表題選抜は大事ではあるけど、そこまで大きな意味を付加していないよというメッセージも読み取れなくもない。フォーメーション自体は概ね順当だと思うが、パフォーマンスの観点から松田と大園を入れ替えて、8thのシンメを継続させてもよかったかな、と思うぐらい。

センターの山下は、近い将来当然のポジションとなるだろうが、今回はまだ「お試し」要素が強いと思う。昨年・今年のリリース時期を考えると、『桜月』『何歳の頃に戻りたいのか』はツアーの、『承認欲求』と次の10thはアニラのリード曲となるが、『Start over!』『自業自得』は微妙な立ち位置の楽曲となる。それでも『Start over!』は、他の表題曲と一線を画すキラーチューンになったわけだが、9thはどうなるか。『静寂の暴力』や新参者の『語るなら未来を…』は山下のセンター能力というより三期生総体のポテンシャルの結晶だといえる。山下のセンター資質を問われるのはこれからだ。
また、6th〜8thの無敵センター路線というより、テレビや非ファンが多いフェス等で新規獲得に効果が見込める楽曲構成を予感させる。

三期生曲への期待

『そこ曲がったら、櫻坂?』の三期生フィーチャー企画は、山下と小田倉がまだ残っているが、表題センターが山下ということは、三期曲センターは小田倉なのでは、と淡い期待を抱いている。5月にリリースされた3rd YEAR ANNIVERSARY LIVEの映像を観ると、2月のシングル特典だった新参者の映像と比べて、同時期のライブなのに、小田倉はカメラマンやスイッチャー、編集に見つけられ、よく映るようになったと思う。映像ディレクターの好みに左右されているかもしれないが、8th Single BACKSLIVE!!の配信映像でもよく映っていた印象だったので、7th  Single BACKSLIVE!!あたりから遡って、再評価されているのかもしれない。ピンでも引きのアングルでも小田倉がよく映っている印象を受ける。

アニラ1日目の『静寂の暴力』を観ると、小田倉、そして遠藤の二人が他メンバーとは違う解釈でパフォーマンスしているように見える。当初は11人全員が静寂の暴力にさらされている感じだったが、ライブを重ねることで楽曲への理解を深めていった二人はその先にあるものを捉えている。

3rd YEAR ANNIVERSARY LIVE『静寂の暴力』
3rd YEAR ANNIVERSARY LIVE『静寂の暴力』

苦しそうな表情を浮かべるメンバーたちの中で、小田倉と遠藤は強い視線を投げかける。2日目の『マモリビト』においても、随所で楽曲のパフォーマンスというより、芝居の1シーンのように振る舞う。小田倉・遠藤が真価を発揮するのはもう少し時間がかかるかもしれない。でも二人の存在は今後の櫻坂楽曲において、深さと多様性をもたらすだろう。

BACKSはオルタナティブな櫻坂である

9thのBACKSには、小池、武元、上述の小田倉・遠藤、もう一人の遠藤が揃う。今の選抜が王道的な櫻坂46とすれば、彼女たちはオルタナティブな櫻坂46をつくる者たちだ。8th、9thで選抜入りした的野・村山は今の櫻坂のかっこいいところをストレートに継承しているのに対し、遠藤光莉は独自のスタイルを磨きはじめた。武元と井上を比べたとき、より変化に貪欲なのは武元だろう。そして小池こそは『二人セゾン』から『流れ弾』まで楽曲を自分のものにしてしまう表現者である。
古い例になるが、『流れ弾』中盤でメンバーが折り重なって武元が乗っかった後、弾けるシーンはいくつかのライブ映像で観ることできるが、3rd Single BACKSLIVE!!2日目は本当に小池がすべてを操っているかのような連携が生まれていた。これは彼女の対応力と表現力の高さを物語っている。

3rd Single BACKSLIVE!!『流れ弾』

「BACKSLIVEも櫻坂のライブとして観てほしい」とはかつての小池の言だが、その小池自身によって「もうひとつの」櫻坂が立ち上がってくる。それはどのように楽曲を伝えるかを一人ひとりが突き詰めた末に生まれるものである。この思いはBACKSメンバー全体に改めて浸透していくだろう。
8th Single BACKSLIVE!!に参戦したとき、BACKSLIVEとは櫻坂の「今」を切り取るドキュメンタリーだと感じたけど、9th Single BACKSLIVE!!が開催されるとしたら、未だ観たことのない櫻坂が生まれる瞬間に立ち会えるかもしれない。

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