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Corne Light V2を銅線でスイッチソケット化した


そうしろって囁くのよ、私のGhostが

上記記事で書いた通り、現在、Kailh x Lofree Full POM Switch(Shadow)が大変な評判を博している。
しかし、ほぼChoc V2互換とはいえ、元々Choc V2スイッチ対応のキーボードそのものが少ない上、中央の足(端子ではないプラスチックの柱)や爪などの寸法が微妙に異なり、互換性も完全ではない。

使ってはみたいが、Lofree Flowではなく慣れたレイアウトで使いたい。特に分割キーボード派にとっては、非常に悩みの深い状況だった。

しかし、ド定番キーボードCorneシリーズの作者であるfoostanさんが実験してくださり、Corne Light V2で使えることがわかったのだ。

現在はEtsyで購入できるが、当時は基板を購入できるストアがなかった。(遊舎工房で販売されているのはV1であり、Cherry MX互換スイッチにしか対応していない。はず)

オープンソースにしていただいているので工場に発注すればいいのだが、時間もかかるし何枚も使うかどうか……というわけでサクッとメルカリをキメ、さっそくGhost(リニア)を試してみた。

Ghostはすごい。が……

すごかった。スイッチだけでも異次元の滑らかさ。そして個人的に重要なことに、(ボトムプレートを付けなければ!)大変静かだった。

ただ、初期状態ではバネが強すぎるので、バネ調整は必須だった。
しかも、Ghostは思いっきり擦れるがそれが滑らかというタイプのスイッチで、遊びの大きいタイプに比べて押下圧の調整が難しい。
(ちょっとわかりづらいと思うが、アクチュエーションに辿り着くまで「不快ではない抵抗」があり、よりギリギリを攻める必要があるといえばいいだろうか)

いちおう、事前にバネ調整してからハンダ付けしたのだが、使っているうちに重く感じてくる。しかし、再調整するにはハンダ付けを剥がさなければならない。

そう。Corne Lightは、組立の簡略化のため、スイッチソケットに対応していないのだ。

Choc V2対応かつソケット対応のキーボードはレイアウトが合わない

いちおう、少ないとはいってもChoc V2対応キーボードの選択肢はある。以下は遊舎工房でキットとして販売されている製品だ。

このうち、Sparrow62とHelix rev3はソケットにも対応している。
がしかし、いずれも僕にとっては大きすぎる。Helixが列も削れれば間違いなく買っていたのだが。

「ソケット非対応の基板をソケット(いわゆるホットスワップ)化する」という用途では定番のmill-maxソケットも買ってみたのだが、スルーホールが小さすぎて入らなかった。

で、上記のポスト通りなのだが、要するになんか挟みゃいいんだろ!?と考え始めた。

ソケットのしくみ

そもそもスルーホールビアは、メッキされた壁がランドを通じて配線に繋がっている。そこにピンを差し込み、ハンダで物理的にも電気的にもくっつけるわけだ。

しかし、固定されるがゆえに、部品を取り外すのが難しくなる。キースイッチのように、頻繁に交換するような部品では大きな問題だ。
そこで、容易に取り外し可能な形で電気的接続を実現するソケットが使われる。

各キースイッチメーカーが提供しているスイッチソケットや、上記のmill-max社製ソケット、あとマックエイト社製コンスルーなどは、バネを用いて電気的接続と機械的半固定を実現している。
ソケットは、スイッチ等のピンをバネで挟み込む。コンスルーの場合は、バネ状のピンでスルーホールに突っ張る形だ。
それはお値段も張りますわな。

しかし、バネではなく、そこそこ柔らかい導電材料を挟み込むだけでも同様の効果は得られる。そこで、高価なmill-maxソケットの代用として行われるのが、リベットを挟み込む方法だ。

リベットを挟むほどの余裕はないが、薄い銅箔ならいけるのではないか……と思って値段を調べたらクソ高かったので、とりあえずハンダ剥がして、手元にあったポリウレタン銅線ごとピンを突っ込んだ。

いけた。

全部やった。

To be continued…

注意点

ポリウレタン銅線は、見た目にはわかりにくいが被覆銅線の一種だ。樹脂が表面に焼き付けられており、ハンダ付けの際に自然に溶解して導通する点がすぐれている。
つまり、極めて薄く剥がれやすい。この場合、ねじ込んだ時の摩擦で被覆が剥げていると思われる。
曲がりなりにも被覆されている分ショートの危険性は低くなるが、反面、スルッと入ってしまうと導通しないこともあった。といっても、36キー中2キーくらいだ。

当然、折り曲げた程度ではスイッチと一緒に外れたり落ちたりする。僕はめんどくさいのでやっていないが、接着剤などで固定してもいいだろう。

POMは柔らかい素材なので、強引にねじ込んだ時にスイッチのほうが壊れることもあった。数に余裕がない場合は注意が必要だ。

総合的には、裸銅線か銅箔のほうがいいとは思う。(銅箔テープは粘着面が不導体なのでダメ)
あとアルミホイルとか? 興味のある方は試してみて欲しい。

Corne Light V2最高ー!

というわけで、Conre Lihgt V2がLofree Shadow対応・ソケット対応のつよつよキーボードとなった。

Corneは定番ゆえにハードウェア・ソフトウェアの両面で先人の資産が多くあり、カスタマイズがしやすい。僕もこの機にVial対応をさせてもらった。
オススメです。
まあ、キーケットで色々出てくるわけですけど!

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