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果穂(かすい)について

 ツイッターなどで果穂の名前で検索しているとシャニマスじゃない果穂も検索されるのですが、そのなかに植物の実のような画像が出てくることがあります。あの実みたいなものは何?っていうのを調べています(全然シャニマスと関係ないけど果穂の誕生日記念で書きました)。

Googleで検索する

 googleで「果穂 植物」みたいなもので検索してみると、ツイッターでみたような画像がたくさん出てきます。まず、果穂の読み方は「カホ」ではなく「カスイ」だったとわかります。またカバノキ科のクマシデやハンノキによくみられる実であることもわかります。
 似た言葉に「花穂(カスイ)」という言葉も見つかります、果穂が実が穂のように生ったものだとすると、花穂は花が穂のように生ったものという感じでしょうか。
 またビールの原料であるホップは果穂とよく似た形状の毬花(キュウカ)をつけることがわかります。しかし毬花はルプリンと呼ばれる黄色い樹脂を有しているが実は持っていないため、果穂とは別物であることがわかります。
 いろいろと検索してみてなんとなくの意味はわかったもののちゃんとした用語の定義にはたどり着けないようなのでウィキペディアを検索してみます。

ウィキペディアで調べる

 ウィキペディアの検索で「果穂」で検索してみても、直接「果穂」に当たるページは無さそうです。「クマシデ」で調べてみてもページにはあまり情報はありませんが、「秋の果穂」の写真をクリックし詳細を見ていくとこの画像は「クマシデ」のページだけではなく、「果実」や「複合果」というページでも使われていることがわかります。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%9E%E3%82%B7%E3%83%87
写真の詳細を見ると、他の使われている項目が確認できる

 「複合果」は複数の花に由来する複数の果実のまとまった構造を表し、wikipediaのページでは複合果の様々な例が説明されています。クマシデの果穂の写真はその中の「ストロビル」という項目で使用されています。

軸に多数の(果苞、果鱗ともよばれる)がつき、その葉腋に果実(痩果または堅果)がついているまとまりは、ストロビル(ストロビラ[17]、果穂[18]; strobile, strobilus[注 4])とよばれる[2]

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A4%87%E5%90%88%E6%9E%9C

 「果穂」の定義はこれで説明できそうです。脚注が[2][17][18]と3つついているのでこれらを確認します。

本で確認する

 「身近な草木の実とタネハンドブック」には、植物の種類ごとに実や種の写真が載せられています。脚注のページはクマシデ、アカシデ、ハンノキの項目で、google検索ででてくる内容のとおりです。

 「花からたねへ 種子散布を科学する」には、「風散布」や「動物散布」など種子散布の方法を実際の植物の写真を用いながら詳細に解説しています。脚注のページではシラカンバ、ダケカンバなどの「ストロビラ」が果実を羽として種子を飛ばす例として紹介されており、クマシデ、アカシデなどの「果穂」が苞と呼ばれる花の下にある葉を羽として種子を飛ばす例として紹介されています。この本でのストロビラと果穂の使い分けについてはわからなかったが、果実とそれにつく苞の集合体であることは同じに見えます。

 「図説 植物用語事典」には、花、葉、種子、茎、根など植物の部位などについて、分類とその説明が詳細にされています。この本には「果穂」は書かれておらず、「ストロビラ」のみ紹介されています。どちらかというと慣用的な言葉なのかもしれません。

 3冊からはwikipedia 以上の説明は無いようです。というよりこれらに書かれた果穂の意味を要約したのがwikipediaに書かれているということでしょうか。

まとめ

 まとめると果穂(かすい)とは、複数の花に由来する複数の果実のまとまった構造である複合果のうち、果皮が比較的薄く乾燥しており成熟しても裂開しない果実と花の付け根の付く特殊化した葉である苞が多数ついたもののことを指すようです。
 植物の専門ではないので間違っていたら申し訳ないのですが、大体こんな感じだと思います。

 つまり果穂は「複数の花に由来する複数の果実のまとまった構造である複合果のうち、果皮が比較的薄く乾燥しており成熟しても裂開しない果実と花の付け根の付く特殊化した葉である苞が多数ついたもの」のように育ってほしいと名前が付けられた、、というわけではなく、果実が稲穂のように実る=実りの多い人生になるようにみたいなことかなと思います。

東御苑二の丸雑木林で撮影

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