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【ウェビナーレポート】最新の生成AI業界の動きとBtoB活用事例を徹底解説

株式会社デジタルレシピが毎月開催している大好評オンラインセミナー『Generative AIの最新トレンド徹底解説』、『Generative AIの企業における活用方法』について、2023年6月13日、6月20日に開催された内容を抜粋してご紹介します。


登壇者プロフィール

伊藤 新之介
株式会社デジタルレシピ 代表取締役

同志社大学生命医科学部医情報学科在学中に学習塾の立ち上げなどを行い、2013年にCOOの川崎と共に株式会社ラフテックを創業。
「笑うメディア クレイジー」を1200万UUまで成長させ、同社を株式会社ベクトルへ売却。
2018年にAIを活用したDX支援を行う株式会社デジタルレシピを創業し、CEOに就任。
2021年8月に同社よりパワポをwebサイトにするノーコードツール「Slideflow」をリリース。リリース1年でARR1億円を突破。
2022年6月30日に同社よりGPT-3を活用した「AIライティングアシスタントCatchy」をリリース後、わずか2ヶ月で会員数10,000人を突破させる。
(2023年7月現在会員数70,000人突破)NHK、日本テレビ、TBSなどのメディアでも取上げられ話題に。
2023年2月、一般社団法人ジェネレーティブAI協会GAIAの理事に就任。
海外のGenerativeAIの最新トレンドや技術をいち早く実務に取り入れることに定評があり、
AIだけに限らず幅広い知識から独自の視点で行うセミナーは常に参加者から満足度90%以上の評価がある。

Generative AI最新のニュース解説

Chat系AIユニコーン企業の動き

Character AIのアプリが1週間で170万ダウンロード
5月半ばにCharacter AIがアプリをリリースし、1週間で170万ダウンロードを突破しました。
これ何がすごいかというと、基盤としてGPT使っているんですが、ChatGPTのアプリが1週間で50万ダウンロードなので、いわゆるGPTをラップしたアプリが本家よりも3倍ぐらいの初速を出すという点でかなり大きいニュースです。

Character AI自体はすでにユニコーン化しており、以前から注目されていましたが、今回のアプリダウンロードでCharacter AIが本物なのでは、という空気感が出始めています。
この2〜3ヶ月はChatGPTが出てきてから、大きく盛り上がり出してみたものの、企業やベンチャーが大きいサービスをローンチするなど話題になることがなかなかありませんでした。理由はシンプルChatGPTが強すぎるからという理由です。

ヨーロッパやアメリカでもAIの規制論がかなり激しくなってきており、なかなか戦いづらいというところだったのが、徐々に法的にもクリアになり始めたし、Open AIのスタンスとしてChatGPTはどのような経済圏を作っていくのか、という方針も出始めてきたので、ベンチャーとしてはかなり戦いやすくなった環境が何となく見えてきたというところです。

セールスアシスタントCrestaのCEOに元 Googleの幹部が就任
CrestaというセールスアシスタントサービスのCEOに、元Googleの幹部が就任したというニュースも2〜3週間前にありました。

このGoogleの幹部というのが、元々GoogleCloudのAI部門を立ち上げた設立責任者の1人で、言ってしまえばGoogleAIの結構なエースプレーヤーポジションの人が他のAI系のスタートアップに行ってしまったということです。

Googleの人材が辞めるというのが、海外のニュースでは盛り上がっており、Google社内でもいわゆる人間に近いような振る舞いをするようなAIと、人間の仕事を急速に奪いそうなAIを本当にやるべきか、というの社内で意見が割れているというぐらい、ニュースの一環としてこういうのが出てきたっていうところです。

AI学習コンテンツの盛り上がり

GoogleCloudAIコースの開講
GoogleCloudにスキルブーストという学習コースがあり、そこにAIコースというのが、正式に開校され、続々とコンテンツが揃いはじめています。
Generative AIに関する基礎知識、LLMや画像生成などの技術的なことが学習できるコンテンツが揃ってるので、AIについてちょっと学習したいという方には結構おすすめのコンテンツです。
ただ難点としては英語なので、英語を読める人か、もしくはDeepLでテキストをちゃんと読める人向けになるかと思います。

プロンプトエンジニアリングの個別指導が人気
海外では、プロンプトエンジニアリングで、ChatGPTをうまく使いましょうみたいな個別指導系のコンテンツがかなり増えてきている状況です。

元々Twitterなどで、プロンプトエンジニアリングを発信していた方々が、「本当はこういう4時間ぐらいのコースでこれだったら6万円です」であったり、「1回10万円」のようなコースが増えてきています。おそらく国内でもこの流れは来るかと思いますが、こういうものに興味ある方は海外のこういったコースを受けてみるというのも自分のスキルアップとして、アプリなど何か取り組んでみたらいいと思いますし、ビジネスチャンスという意味でもしてみるのがいいのかなと思っています。

世界的なAIの動向について

Open AIのCEO、サム・アルトマンが訪日し、かなり日本向けにパフォーマンスしてくれているというような状況が起こっています。
日本に来る少し前にイギリスにも行っており、イギリスがEU脱退している背景もあるのかもしれないですけど、世界的に見ても、「かなりうちは生成AIにもっと突っ込むぞ」って、国単位で言ってる国の一つです。

イギリスは鼻息が荒く、「失業率が高まるみたいな不安があるかもしれないが、そんなことはない」と大臣が言ってるくらい、かなりAIに突っ込もうとしています。逆にEUは、GDPRなど、いろんなプライバシー規制の背景もあり、なかなかAIに対して後ろ向きと言われてたりしますが、イギリスはEU脱退してる手前、タイミングが良かったのかもしれません。

また、インドが対Open AIになりえるLLM(大規模言語モデル)の開発を行い、しっかり投資をしていくという宣言もしています。日本でも、和製LLMを自国で作るという動きもあったりしますが、インドは明確に大きく投資をしていくようです。

現状、LLMはOpen AIのChatGPT-3、GPT-4の一強ですが、各企業や各国がかなりLLMを自分たちでも作りたいということで盛り上がっています。
なぜ盛り上がってきてるのかというと、国の事情で言うと例えば日本もそうですが、LLMを完全に海外製に依存してしまうと、いざ国防レベルの話なのかわからないですが、個人情報やあらゆる国のデータを海外のLLMに頼ることになるということはよく言われてます。例えば、日本の政府が重要な書類や、防衛に関わるようなものを、今後普及するであろうOpen AIのChatGPTに全て頼るのかと言われると、やっぱり自分たちでLLM作らないといけないよねというのが一部存在しているということだと思っています。

生成AIのBtoB活用事例の紹介

海外のAIサービス活用事例

マーケティング:Jasper
Jasperに関しては一番活用できるのが、記事作成になります。
マーケティングにおける記事作成をAIでやってもらったり、Google広告のようなテキスト系の広告を作成したり、メールの訂正など。あとはマーケティングだとプランニングが必要になってくるため、「どういったところにマーケティングするべきか」というブランディングを相談などの3つになります。
コンテンツマーケティングの領域、広告領域、プランニングの領域をカバーしたような、マーケティングAIアシスタントという立ち位置がJasperです。

やはり記事作成が手軽にできるということと、広告で使えるうえに人間が考えるより成果が出せるくらいの広告を生成できるなど、マーケティング全般のことをかなりカバーできるプロダクトのため、多くの人に受け入れられたサービスになります。

セールス:CRESTA

セールス領域でもかなりフィットし始めているという状況のなかで、一番有名なのが、セールスアシスタントのCRESTAというサービスです。こちらはかなり広いセールスの領域をカバーしているサービスで、どういうことができるかというと、大きく分けると二つです。

  • エージェントアシスタント機能

  • バーチャルエージェント機能

エージェントアシスタントについては、例えばZoomの会議でお客さんがお客さんと会話してる内容から、その場でそのお客さんに対してどういう質問をすればいいかというアドバイスを提示してくれたり、あとはお客さんから出てきたワードから聞いたことない単語を勝手に検索して教えてくれる、のように営業をリアルタイムでアシスタントするというツールです。

もう一つのバーチャルエージェントに関しては、シンプルにチャットボットで、チャットボットがお客さんから問い合わせが来たものに対して返信するとか、それを単純に自社商品の情報を与えるというだけではなく、自社の過去のセールストークなどの音声データを参考にして答えてくれる機能です。

実際に、うちも営業マンにも話を聞いてみたことがありますが、やはり商談中にクロージングに向かう中で、「その商談の目的を達成するために、どういう質問がクリティカルなのか」、ということはや考えるけど、なかなかいい質問ができず、引き出せないまま商談が終わるみたいな経験も多くあったため、こういうリアルタイムアシスタントというのは面白いんじゃないかと思います。

セールスロープレという機能もありますが、「いやこんな提案駄目だよ」や、「これもっとこういう言い方したらいいんじゃない」のような先輩からフィードバックをAIでやるというのがこのセールスロープレの機能です。
営業側にとっては、何回でも練習できることで、着実に営業スキルになっているっていう点で、かなり組織的な営業や営業会社にかなり受け入れられているっていうようです。

カスタマーサポート:ADA
3つ目は、カスタマーサポートに特化したサービスのADAです。
Webサイトについてるチャットボットを、より柔軟にChatGPT形式で返してくれるというものだったり、メッセージアプリ、日本でいうとLINEとか、そういったところに組み込めるようなサービスです。
また、サポートを全てAIにやらせるということもできるし、カスタマーサポートが返信すべき内容を代わりに選択肢として提示してあげるみたいな、いろんな使い方ができます。

これまでのチャットボットだと、いわゆるルールベースや辞書系のものが多かったと思いますが、やはりChatGPTの登場で、ADAは「ギリギリAIとばれないレベルのコミュニケーションが取れます。」ということを言っています。TwitterやFacebook、Instagramなどのいろんなプラットフォームのメッセージを自動化していきます、といったカスタマーサポートのかなり広範囲なところをChatGPTでカバーする。というのがADAの強みです。

BtoBで法人化が進む領域

現状この3ヶ月間、海外の状況を見て思うのは、やはりこの四つが法人で重点的に使われています。

  • 大量生成

    • 記事作成、広告作成

  • パーソナライズ

    • 返信、メルマガ

  • コールセンター

    • ロープレ

  • 意味翻訳

    • 資料作成、フィードバック、リライト

大量生成というのは、多少の違いがあるものを、人間だったら今まで1時間、1個しか作れなかったものが、1時間で1万個作れますというレベルで生成できるようなところが3年前からかなりフィットしているものです。

そして1年半ぐらい前からかなり増え始めてきたのが、パーソナライズ化という文脈です。
顧客ごとに違う返信をしていくとか、メルマガがかなりわかりやすいと思いますが、あとコールドメールのような営業メールですね。一斉送信してるような営業メールはぱっと見でわかると思いますが、一斉送信感のない、送った人の、一定の情報をもとにして、この人にこのメール送ってます。感を出すためのメールも、GPTはかなり得意だったりするので、特にセールス領域ではこういったパーソナライズ化した文章を生成するところもかなりフィットしてきたと思ってます。

ロープレ的な使い方音声と組み合わせた使い方っていうのが本当にここ3ヶ月で新しく出てきて、かつ短期でかなり市場にフィットしてきた分野の一つだと思っています。ロープレで顧客になりきって自然な会話ができるっていう点も、AIと人間がわからないレベルまでもう少しというのもあります。さらに、レストランなどの特定のシチュエーションで、コミュニケーション取ってクリアしてくださいのようなロープレが結構世界的にフィットしていたりします。

意味翻訳については、資料作成やフィードバックの割合等みたいなのを、子供でもわかるようにこの文章をリライト、変換してくれとか文章の要約のようなものです。
例えば、「クライアントこういうクライアントがいます、僕たちの会社の商品はこういうことです。この商材をこのクライアントに提案するとしたらどんなものがいいですか」という情報を基にして、何か行為に翻訳したりとか提案のフレームワークに落とし込むような使い方もできますし、ここの領域も少しずつ盛り上がってきてるのかなとは思います。

実際のウェビナーでは、より深掘りした内容の解説をしておりますので、ぜひリアルタイムでご参加ください!

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