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Weekly Pick UP! 2021/5/27

毎週木曜日は、特に気になった記事をお届けします。

1. 進化を続けるスマートトイレ

5月21日から23日まで開催された国際会議「DDW 2021(Digestive Disease Week 米国消化器病週間)」において、既存トイレの配管に後付けする方法で、パイプ内を通過する便の性状や血液混入の有無を解析できるAIツールが発表されました。

発表において研究チームは、3,328枚の便画像から畳み込みニューラルネットワークで構築されたAIアルゴリズムにより、トイレのパイプ内を通過する便の形態を85.1%の精度で分類することができ、加えて便中の肉眼的な血液の混入を76.3%の精度で検出できたとしています。また、研究チームは、この技術に便の生化学マーカー分析機能の追加も検討中とのことで、さらなる続報が待たれます。

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出典:The Medical AI Times
https://aitimes.media/2021/05/24/8050/


2. ワクチンはCOVID-19による死亡をほぼ100%防ぐ

フロリダ大学のJulia Shapiroらは、8種類の対Covid 19ワクチンについて、他の研究者のデータのメタ分析*を行った結果を発表しました。
結論として、コビッド関連疾患に対する有効性は、平均して約85%であり、重篤な疾患、入院または死亡に対するほぼ100%の防御に上昇したとのことです。
*二重盲検、プラセボ対照、後期ワクチン試験、および観察研究を経た製品のジャーナル記事とメディアレポートからのデータを比較

変異種に対する有効性も検証されており、有効性は高いものの、野生種に対してはいずれも減少する結果となっています。

メーカー別では、モデルナ、ファイザーのワクチンが好成績を残しているようです。

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出典:Bloom berg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2021-05-22/covid-shots-are-all-highly-protective-against-death-study-shows


3. FDAはワクチン接種後の免疫を評価するCOVID19抗体検査に反対している

FDAは、陽性および陰性の試験結果が誤解を招き、過剰な信頼が新たな感染リスクを高める可能性があることを指摘しており、ワクチンへの反応を評価する際に抗体検査を使用することに反対しています。主な指摘内容は以下の通りです。
・陽性の検査結果は、ワクチンではなく、コロナウイルスによる以前の感染に起因する可能性がある
・血清学検査がCOVID-19ワクチンに反応して生成された抗体を検出できない場合がある(mRNAワクチンに応答して形成された抗体は、nucleocapsid proteinsに対する抗体を探す血清学アッセイでは検出されない)
・陽性の検査結果がワクチンに対する人の免疫応答を反映しているとしても、抗体の保持がコロナウイルスからの保護と因果関係があるか、まだよくわからない

一方、米国ではベックマンコールター社が定量的なSARS-CoV-2抗体検査発売するなど、診断業界は抗体検査の結果とCOVID-19からの防御の因果関係を証明すべく動き始めています。

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出典:MEDTECH DIVE
https://www.medtechdive.com/news/fda-opposes-covid-19-antibody-testing-to-assess-post-vaccination-immunity/600496/


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