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Weekly Pick Up! 2021.10.31

毎週、気になるニュースを3つ取り上げています。


新たな半導体の開発に成功、硫化ホウ素シート

東京農工大、筑波大学、KEK他が硫化ホウ素シートという新たな半導体物質の生成に成功したと発表しました。

依然から硫化ホウ素シートには安定構造があることが理論的に予測されていましたが、実際に合成してその性質を確認したのは今回が初ということです。

研究チームは、今回、これまで数例しか報告が無かった菱面体硫化ホウ素という物質を合成する方法を確立し、その物質を剥離させることで硫化ホウ素シートが得られることを発見しました。

合成した硫化ホウ素シートはn型半導体であることが分かり、重ね合わせることで最大1.0 eVのバンドギャップ(シリコンと同程度)が得られました。硫化ホウ素シートは軽い元素からなり、非常に薄いため、微小化が求められる電子デバイスの新たな半導体素材としての応用が期待されるということです。


Berry Oncology、6つのがんを早期発見する技術

Berry Oncologyが、複数のがんの早期スクリーニング検査に関する最新の研究成果を発表しました。

同社が開発したリキッドバイオプシー技術である「HIFI法」では、ステージIとステージIIのがんを併せると73%、そのうちステージIは69.6%、ステージIIは92.9%と早期がんとしては高い検出感度を誇っています。

また、発見が難しいと言われる膵がんに関しては、予測モデルのAUCが0.975と非常に高い感度・特異度が得られているようです。


国際共同研究による食道がんの全ゲノム解析

国立がん研究センターが、食道がんの全ゲノム解析を行った国際研究の結果を発表しました。

食道がんは世界で6番目に多いがんで、地域によって発症頻度が大きく異なることが知られています。この研究では、日本を含む8ヵ国の食道がん552症例の全ゲノム解析を実施し、地域的・臨床的な背景によってがん変異遺伝子や変異シグネチャーに有意差が見られるかを検討しています。

研究の結果、とりわけ日本人では飲酒による遺伝子変異機構が強く働き、がんドライバー遺伝子の異常を誘発することで、食道扁平上皮がんが引き起こされる可能性が高いことが明らかになりました。

一方で、食道がん好発地域においても特徴的な変異パターンは見られていないため、地域差の要因は直接遺伝子を傷付けるものではなく、炎症等の組織障害などの前がん病変の発症頻度によるのではないかと考察しています。


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