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CES2022 ~Innovation Awards 後半~

前回に引き続き、2022年度のCESのInnovation Awardsの内容を取り上げます。Health&Wellness部門から今回は化粧品などよりコンシューマ向けの製品を見てみましょう。

今回選ばれた製品の傾向として、プロダクトベースのパーソナライズ化が進んでいる印象があります。これまでのパーソナライズ化というとAIを活用したプログラム/アプリ上での提案が一般的でしたが、その日の気分などに合わせた選択ができる製品が登場しています。

○L'Oréal Colorsonic
まずは世界最大の化粧品会社L'Oréalから選ばれた2つの製品を紹介します。
Colorsonicは自宅でヘアカラーをするためのデバイスで、電動ブラシを活用することで髪に薬剤を効率的に塗布することができるデバイスです。その特徴はアプリ上から40種類の色調パターンから染めたい色を選択でき、デバイス上で自動的に調合してくれる点でしょう。これまでは、自身で薬剤を調合して色調を調整、混合するという手間のかかる工程でしたが、本デバイスとカートリッジを使用することで大幅に時間と手間を削減することができるようになります。
現時点では、デバイスやカートリッジの値段は不明ですが、2023年の発売に向けて開発を進めているそうです。

○L'Oréal Rouge Sur Mesure
Rouge Sur Mesureは、同社の子会社イヴ・サンローランから出された口紅の色を自動で作り出すことができるデバイスです。3本で1セットのカードリッジ (4種類) を使用することで何千種類の口紅を数分で作成することができます。
口紅の色はアプリで色味を選択することもできますし、服装や髪色などに合った独自の色味の作成することも可能です。
本製品は2021年にすでに欧米で販売されており本体(カーリッジ2種類付)が299ドル (35,000円ほど)となっています。

○Amorepacific Mind-linked Bathbot
韓国のAmorepacificが開発したMind-linked Bathbotは脳波データに基づいて個人にカスタマイズされたバズボムを作るロボットシステムです。ヘッドセットを装着した状態で香料サンプルなどを嗅ぎ、その時の感情指標を参考にしたバスボムを1分以内に製造してくれるシステムです。
香料の情報は定量化しづらく、商品開発においても調香師の感覚に委ねられている部分が大きいと聞いたことがありますが、このような脳波情報が集まってくるとより定量的な判断が可能になるかもしれません。

○Coptiq Breezm : Titanium 3D Custom Eyewear
韓国のCopticは3Dプリンターを活用したパーソナライズなメガネBreezm : Titanium 3D Custom Eyewearを開発しました。カメラを用いて顔の3Dモデルを作成し、オンライン上での試着、フレーム選択、そして3Dモデルを用いた鼻や耳の位置調整をすることでその人だけでのメガネを作ることができます。
価格も220ドルからということで、パーソナライズされたものとしては比較的安価に購入できる価格設定となっているようです。





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