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闇バイト

(事務所)今日からバイトをするために来た山岡

山岡「おはようございます」
椅子に座っていた上司の石田に話しかける。
石田「おう、おはよう」
山岡「今日からここで働く山岡といいます」

石田「俺は石田だ、よろしくなぁ、それじゃあ、数週間は仕事を覚えてもらうために、同行してもらう。武田!」

石田が武田を呼ぶと、面倒臭そうに歩いてくる。

武田「なんすか?俺は忙しいんすから」
ガムをクチャクチャと噛みながら、武田をジッと
見る。山岡は頭を下げる。

「よろしくお願いします。」

武田は舌打ちをすると、「何をすればいいんすか?」石田は武田に資料を渡すと「マニュアルを一週間みっちり彼に教育してくれ。それと集金も同行させてやれ」

武田「石田さん、全部俺がやるんすか?」
不満をぶちまける武田。

石田は「すまない、今は人手不足なんだ、頼む」
両手を合わせ懇願する。

武田「わかりましたよ。おいお前名前は?」
武田は資料をデスクに置くと、椅子にかけていた
黒のジャケットを羽織る。

山岡「山岡です。お名前は?」

武田「武田、ほら行くぞ」

武田と山岡は事務所を出ると
駐車場に停めてある車に乗り込むと
指示された場所へ車を走らせる。

数十分後、都内の一軒家に到着
お婆さんから、数十万のお金を受け取ると
そこから立て続けに、2件の家からお金を回収して
帰る途中

山岡「あの、武田さん」
武田「あ?なんだ」
山岡「この仕事、始めてどのくらいですか?」

武田「あぁ?なんでお前に言わないといけないんだ?」

山岡「す、すいません」

話が続かないまま、事務所に到着

武田「回収したお金です。」
武田は金が入った茶封筒を渡す。

中身を確認する石田
石田「ご苦労様、山岡くん、今日の仕事は終わりだから、帰っていいよ」

山岡「わかりました。お疲れ様でした」

山岡は帰宅すると、母親が玄関で待っていた
「あんた、どこに行ってたの」
面倒臭そうに
「うるせえなぁ、仕事だよ、仕事、それよりもまたパチンコ行ったのかよ、いい加減にしろよ。」
母親とケンカをする山岡、ケンカが終わると部屋に引きこもる。  

仕事を始めて2日後、朝起きて居間のTVをつけると
高齢者が詐欺に騙されるニュースを見て、なにも感じなかった。朝飯を食べると、部屋で寝ている母親に声をかけ家を出る。

事務所に到着
山岡「おはようございます」
石田「おはよう」
武田「おう山岡、今日のニュースを見たか?」
山岡「今日のニュースですか?何かありましたか?」

武田「お前、見てないのか?最初に集金しに行った、あの婆さんが死んだんだよ」

山岡「え?本当ですか、その話」

武田「調べてみろよ。ネットで」

山岡「わかりました。これか…噓だろ」

昨日、東京都内で1人暮らしの、75歳の女性が亡くなっているのを近所の人が発見する。警察は事件と事故の両方で捜査を始めているという。

山岡「そ、そんなぁ」

石田「何をそんなに落ち込んでいるのかな?山岡くん」

山岡「あの……」

石田「わかっていますよ。お婆さんが亡くなって落ち込んでいる、けどね、私達が殺したわけじゃぁない。死んだのは本人自身、ちがうか?」

真顔で言う石田に恐怖を感じる山岡に
Noとほ言えず

山岡「そうですね」

山岡は今日も指示された場所に行き、
高齢者から現金を回収しようとするが、
「山岡?山岡だよな?私だよ。覚えていないのか?」

突然のことに戸惑う山岡、

「もしかして、三宅先生ですか?」

黙り込む山岡、最悪だった。1番尊敬する
先生にバレてしまったことを

「山岡、今お前がやっているのは闇バイトなのか?」

山岡と三宅がもめていると
ドアを開け、武田が入ってくる。

「おい山岡、何をしてる」
三宅が武田を見ると、嫌そうな顔をしている。

「そうか、お前が山岡をたぶらかしたのか?」

「たぶらかした?何を言っているジジイ?おい山岡、わかっているよなぁ?」

ロープを山岡に渡す武田。

A.三宅を殺す
B.武田を殺す

A.三宅を殺す場合

ロープを持つ山岡は三宅を襲う
「先生、許してください。」

三宅は抵抗するが、ロープで首をしめ殺す山岡
我にかえるとロープから手を離す。
「何してる、ボサッとするな。」
山岡は三宅を背負うと、駐車場まで歩くと
後部座席に置くと、三宅と山岡は乗り込むと車を
走らせる。

事務所に到着、中へ入ると武田がさっき起きたことを全て話す。

「石田さん、すみません」
「それは困りましたね。今その遺体はどこにありますか?」

山岡は言いづらそうに「後部座席に」
石田は「わかりました。こちらで遺体は処理するので、山岡君は暫く身を隠しなさい、いいね?後、武田君もね?」

「わかりました」山岡は言うと、武田は山岡を睨んでいた。

その日は家に帰宅する山岡、その日の夜
「あれ?なんだよ。またパチンコかよ」
突如アパートの外で叫び声が聞こえる。
「誰か、誰か来て」

外に出て声がする方へ走っていくと、誰かが
倒れている「母さん、可母さん」
腹をナイフで刺され倒れていた。誰かが
救急車を呼んでいたのか、救急車が来ると、
一緒に乗り込み病院へ、母親は一命をとりとめる。

病院で山岡はある決意をする。
病院を出ると、近所のホームセンターで
灯油とロープとナイフを買うと、事務所へ向かう

B.武田を殺した場合

ロープを持つ山岡は三宅ではなく
武田を殺す。
山岡「先生、俺……」
山岡は泣き出すと、三宅は抱きしめる。

三宅「落ち着きなさい、」
三宅は山岡を落ち着かせると、山岡から
何故?こうなったのか経緯を聞く。
全て聞き終わると、

三宅は「君は家に帰りなさい。」
その言葉に驚く山岡
山岡「先生、何を言ってんですが?先生は関係ないですよ。」

三宅「君には未来がある、だから私の意見を聞いてほしい、安心してまかせろ。いいね」

力強い言葉に「はい」としか言えなかった。
山岡はトボトボと歩いて帰る。

三宅は木刀、物置小屋からポリタンクを出すと
ガソリンを入れると、山岡から貰った鍵で駐車場に停車してある車に乗ると、事務所に向かう。 
事務所のドアを叩く三宅、扉を事務所の人間が
開けると、木刀で滅多打ちにする。

動かなくなると、そのまま部屋の奥へ進むと、
石田と数人の男が、雑談をしていた。
「誰だ、お前は?」

石田は言うが、三宅は無視して床に灯油を
ぶちまけると、ライターで火をつけると
「おい、やめろ。おい」

いっきに火が広がると石田と男達は、逃げようとするが、三宅は木刀とナイフの二刀流で、男達を次々と倒す、石田を追い詰める。

石田「来るな、来るな、来るな」

必死に抵抗するが、木刀と頭を殴りナイフで刺す。
そのまま床に倒れると、三宅も床に倒れる。

三宅「ふ、ようやく俺も肩の荷が降りた。もう何の魅力もない。」
ゆっくりと目を閉じる

次の日、朝のTVやネットはこの事件で持ち切りだった。コメンテーターやアナウンサーがあることないことを話す様子を他人ごとのように見ていた。
警察は放火と殺人の容疑で都内在住の無職、三宅収蔵(68)を被疑者死亡のまま書類送検、他の遺体も身元が判明次第、書類送検する予定
そのニュースを見た山岡は、その場で泣き崩れる

終わり











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