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俺をモブキャラと呼ぶな第四話・刑務所でBATTLE

「なるほど、さっき動いていた赤い点滅はこれだったのか。」

小型の機器が現在地を示す、チェイスが原型を留めない肉の塊を見て、梯子に視線を移す。

「ジム、あの巨大なワニをどうやって倒したんだ。」ズボンのポケットから取り出すと、チェイスとカイに見せる。

「手榴弾だよ。1番威力の低いやつだけどなぁ、そんなことより早く行くぞ」

梯子の元へ歩くと、ゆっくりと登りだすジム「おい、何ボケっとしてんだよ、早く行くぞ」ジムに言われると、急いで梯子に近づき登り始める。

数分かけて梯子を登ると、マンホールの蓋が見えてくる。ジムがマンホールの蓋を開け、外に出るとそこは調理場、ゴミ一つ落ちてない隅々まで綺麗になっている。

あまりの静けさに不気味さを感じていたジム、その後ろから登ってきたチェイスとカイは辺りをキョロキョロ。

「ここって、刑務所だよな……」

「あぁ、ここは刑務所で間違いない、だけど誰もいないかよ」

木のカゴに置いてある林檎を手に取ると、丸かじりするチェイス、その行動を注意するカイを
無視して1人調理場を出る。

左右を確認し、廊下を歩いていると刑務所の案内図を発見「この先に体育館かぁ」

後ろから2人が歩いてくると、「おいジム、勝手に行くなぁ」チェイスはジムを引き止める。

カイは立ち止まると「この先にワープゲートが発生する場所がある、急ごう時間がない」

小型の機器が示す場所へと足を進める。
数分後、体育館の扉の前に到着、ジムとチェイスが2人がかりで扉を開けると、体育館は暗闇と
静寂に包まれていた。

ジムとチェイスそしてカイは、一歩、二歩、三歩
体育館の中へ入っていくと暗闇から一転、一斉に照明が点灯、数十メートル先に高く積まれた人間が視界に入ると

「なんだあれは……一体どうなってんだ

ジム・チェイス・カイは混乱していると、コツコツと音を立ててこちらへ誰かが歩いてくる。1人ではない、2人、3人、いやそれ以上の足音が聞こえてくる。

「いやいや、君達よく来たね。ようこそ、ボス3人が来ましたよ。」と赤髪が言うと、

「おぉ、アイツを倒して来たとは驚いた。やるねえ、後はカイ、久しぶりだなぁ」

いつの間にか、高く積まれた人間の1番上に胡座をかいて、こちらを凝視する青髪。

「青髪」
青髪に向かって叫ぶと、苦虫を噛み潰したような顔をするジム。

「お前かぁ、お前がカイをしつこく追いかけ回してるのは?」

「おいおい、そんな言い方はないだろ?平和に行こうぜ、お三人さん」 

右手で顔を隠しながら笑う青髪。「おい、お前はなんでしつこくカイを追いかける」

チェイスは青髪に質問をすると、面倒臭そうに
「あぁ、そいつは我々が奪った三種の神器の一つを隠した。カイどこに隠した?答えろ」

カイは黙り込む。左右にいるジムとチェイスは
カイを一瞥して赤髪と青髪を見る。
「おい、お前ら」赤髪の一声に後ろからゾロゾロと赤髪と青髪の部下達が現れる。

「ボス、いいですか?」青髪は軽く頷くと、
「お前ら、ボスの命令だ、存分に暴れろ」
その言葉を皮切りにジム・チェイス、カイに襲いかかる部下達。

「カイ、後ろに下がってろ」
ジムの言う事を素直に聞き、邪魔にならないところまで下がる。

カイは道具屋から持ってきたマジックアーム・左腕にマジックシールド・靴はマジックブーツを装備、攻撃力と防御力と瞬発力が上がったジムは
襲いかかってくる部下達を倒していく。

チェイスはジムの道具で買った、威力は低いが
弾が無限に出る無限銃と、木の警棒で部下達に
応戦するが、倒しても倒しても湧いて出てくる。

「おい、コイツラ倒しても倒しても、湧いてきやがる」「まずいなぁ、この展開は」

後ろにいたカイが、青髪のほうへ歩き出す

「カイ、どこに行く。後ろにいろ」

チェイスはカイの腕を掴むか、その手を振り払って進んでいく。ジムは連れもどそうと、前に出た瞬間。

「おいてめえ、何よそ見してんだよ。あぁん」

ジムの目の前に、ひときわ図体がデカイ緑髪の
男が立ち塞がる。
「そこをどけ、デブ野郎がぁ」
右腕に装着したマジックアームが緑髪の男の
顔面を直撃すると、一歩、二歩後ろに下がると
顔を右手で押さえると「

てめえ、痛てぇじゃあねーかよ。このモブキャラがぁ」緑髪は両腕を高く振り上げ、そのままの勢いよく両拳をジムに振り下ろすが、その拳を右手で受け止める。「噓だろ、こいつ防ぎやがった。」

ジムは押し返すと、バランスを崩した緑髪の無防備になった腹に、マジックアームを叩きこむ
「ぐはぁぁぁぁ」マジックアームが後ろの壁まで伸び、緑髪を壁に叩きつける。マジックアームは元に戻る。緑髪はゆっくりと地面の下に倒れる。 

「チッ、馬鹿が油断しやがって、おい、あいつを回収しろ」

青髪の命令に、数人の部下達が倒れている緑髪を青髪の前に運んでくると「あ、青…髪…」虫の息の緑髪に青髪は懐から拳銃を取り出すと、躊躇せず数発発泡すると「片付けろ」と一言いうと部下達は、緑髪を狭い窓から無理やり押し込み外へ捨てた。

「おい、何をしてる。」

チェイスは声を荒げるが、青髪と赤髪、そしてその部下達は無反応

「なんで仲間を殺して捨てた?答えろ」

手を叩きながら笑う青髪。
「仲間?何を言っている、使えない奴は捨てる。当たり前だろ?」

その言葉に切れたチェイスは、銃を青髪に向けて撃つが、青髪は左手で撃った弾を全部受け止める。

「おいおい、いきなりの攻撃はお行儀良くないね」

チェイスの目の前に赤髪が突如現れると、
「だから、お仕置きをしないとなぁ」
避ける暇を与えず、チェイスの顔に赤髪の左ストレートがクリーンヒットすると、数メートル後ろへ吹っ飛ぶ。

「おい、チェイス、しっかりしろ」
ほっぺたを何回も叩くが反応はない。
ジムは内ポケットに入っているエナジー・ドリンクを飲ませると目を覚ます。
「くそ…あいつ許さねえぞ」

ゆっくりと身体を起こし立ち上がろうとするチェイスを押さえると、「チェイスは休んでろ。俺がやる」

ジムはチェイスから、青髪・赤髪に視線を移すと
青髪にブッ飛ばされた黄髪が、後ろからひょっこり現れる。

「なぁに楽しそうなこと始めてんだよ、俺もまぜてくれよ。なぁ」 

細い身体で顔は爬虫類、その爬虫類特有の目つでジム・チェイスを見ながら舌なめずり、
「なぁ青髪、コイツラ殺していいか?」

「だめだ黄髪、遊ぶ程度にしとけ」
不服そうな態度をするが、両足に装着している
ホルダーから2本のナイフを両手に持つと、

「さぁ、楽しませてくれよ」」
ナイフを舐める黃髪は間合いをゆっくりと詰める。


「おい、やめてくれ、おい青髪、」
カイが青髪に懇願する、これ以上、これ以上2人を追い詰めるなら。
本気と悟った青髪は「おい黃髪、やめろ」


立ち止まり後ろを振り返ると「おい青髪、何を言ってんだよ。これから楽しくなるのに」


「いいから戻れ。黃髪」


ナイフをホルダーに戻すと、後ろに下がる
青髪は下に降りると、カイが青髪に近づいて来ると


「カイ、あれを渡せ」

カイは素直にポケットから小型の機器を
出すと、青髪に渡す。


「あともう一つ、三種の神器をどこに隠した?」
数秒間の沈黙の後「盗まれた」服の襟元を掴むと顔を近づけ「盗まれた?一体誰に」


「知らない奴にいきなり襲われて、奪われたんだよ」




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