菊花賞2023のレース回顧・結果

菊花賞2023のレース回顧・結果

総評

 ルメール神様を信じる心が足りませんでした、精進します。淀の長丁場では最強騎手やな。

 まず第一にレースとして久々に面白いレースだったなという感じやね。語りたいことが多いし、見ていても手に汗握るというか。もちろん、タスティエーラ視点で見ていると、モレイラ下手だなぁと思ってずっと見ていたんだが、全体としてルメールの展開から途中で落として中弛み、後ろに引き上げさせて3~4角の勝負と動きの大きいレースをルメールが敢えて狙って作ったように感じたね。自分は今の京都の長距離戦でルメールはトップレベルで信用しているけど、それでもここまで神がかったレースメイクを大外枠からしてくるとまでは思ってなかった。大外から勝負所で内を狙うにはこれぐらい大胆に運ぶ必要があるんだよ、でもそれだけ京都の長丁場はこれが大事なんだよってのを教えてくれている、まさに教科書のようなレースだったと思う。なので予想的にはアレなんだけど、結構興奮している。理想に近いというか、今のルメールは本当に競馬を探求できているんじゃないかなと。

 予想的な敗因はルメールの評価をもっとしなければいけなかったのと、皐月賞組をそこまで高く評価してはいけなかった(古馬3勝クラス完勝レベルを優先しても良いだけの微妙なスタッツではあった)…と。大外枠で少し嫌ったのが結果としては…やね。最後に淀の長丁場経験の薄いモレイラをもうちょっと不安視すべきだった。

 気になったのは土曜で結構慎重に判断して、時計だけでなくラップも含めて見て標準ぐらいの馬場だという判断だったんだけど、日曜は明確に2段ほど上がっていた。これがどういうことなのか?やね。馬場造園課がGIで何かやってきたのか?とか思ってしまうね。正直ここまで劇的に良くなるとは思わなかった。金曜の雨もさほどでもなかったし。想定外だったのは確か。

 あと最後に、やっぱり川田は長距離向いてない。多分メカニカルな何かに問題があるんだと思う。サトノグランツも想定より馬場が明確に軽いしもうちょっとやれるかなと思っていたのに…全くダメだったからなあ。

分析

京都芝外3000m良
3:03.1 60.4-64.1(FA12.82)-58.6 S^2
12.7 - 11.7 - 11.1 - 12.3 - 12.6 - 12.9 - 13.1 - 13.0 - 12.8 - 12.3 - 12.1 - 11.6 - 11.7 - 11.4 - 11.8

 正直土曜から2段階ぐらいは馬場が軽くなっていて、普通には高速馬場だったと思う。その中で、ペース自体はかなりのスロー、ラップとしては前半はそこそこ速いんだけど、やっぱりスタンド前で落としにかかる。ここで赤帽2頭が前に出るのを想定した運びで一列下げてって感じ。そこからのコーナー勝負でL2最速11.4ともう一段。この競馬にロスなく持ち込めたルメールのファインプレーだったと思う。緩めるのも、ある程度捲りが起こるって想定をして準備をしてどこを通すかってイメージができていれば問題ないし、向こう正面でこの形になったときにヤラレタって俺は思った。というか他の騎手もそう思ってほしい。

ここから先は

6,333字
この記事のみ ¥ 100
期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?