香港スプリント 2019 レース回顧・結果

香港スプリント2019のレース回顧・結果

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1:08.12 34.64-33.48 M
23.71-21.86-22.55

展開分析・総評

 ん~まず第一印象としては、これはレースの途中で感じたけど、パートンが日和ったなという感じでは見ていた。結構外から楽に行けちゃったのでそこからのコントロールを意識的に入れてきた。前走時と比べると入りの23.71は落としてきている。まあ馬場差があったので一概には言えないけど、前半でコントロールの意識が働いての平均ペースでL2-1区間でもさほど落ちていないんだよね(ハロン平均で11.28)。そこまで前半の基礎スピードの質も問われなかったし、後半各馬が余力を持って入れてしまったというのはある。そして、地味に平均でラストまで落ちなかったからダノンスマッシュにとってもかわいそうな流れではあったかな。

1着3番枠ビートザクロック(モレイラ)

 やや出負けも押して押してリカバーしようとして3列目の内で進めていく。そのまま3~4角で我慢しながら3列目の内で最短距離を通して直線。序盤で進路がなかったが、上手く中目に誘導しながら外に出してそれでも3列目。L1で粘りこむエセロ、内から伸びてくるホットキングプローンを相手にしっかりと抜け出しクビ差の勝利。

 ん~やっぱり割と後半型の競馬のほうがビートザクロックはあっているね。総合的に強い馬で、ある程度流れてもやれるしスローでも良いんだけど、このバランスはベストの状況に近かったと思う。平均で流れた中での3列目なので自身ではややスローで入れているはずだし、そうなればこの馬としても後半の決め手の質量で上回れる。ちょうどいい位置取りだったのはあるかな。枠が良かったのと、モレイラの判断も含めて流石という感じ。

2着1番枠ホットキングプローン(ティータン)

 五分のスタートから押して押しての追走でしっかりと2列目のポケットを確保、エセロの後ろで前にスペースを置きつつ、3~4角でも最短距離を通して2列目で直線。序盤で2列目の内からエセロの出し抜きもあって進路は楽に作れるも1馬身半。L1で踏ん張ってジリジリと伸び始めて前のエセロは捕えるが外からビートザクロックに交わされ2着惜敗。

 この馬としてはL2でちょっと離されていて、ここで少し加速ラップになっていたのかな?と感じるところではある。L1で落ちたところを捕えてきた感じはするんだよね。この辺は1Fずつではないので判断が難しいけど、加速が苦手な感じのダノンもL2で動けていなかったからL2では少し加速があったんじゃないかなと。ただ、そこで置かれ気味な分だけスペースができて進路は苦労しなかったし、最後もジリジリと伸びていてビートザクロックには交わされてという感じで自分の力は発揮したのかなと。エセロも含めて今の香港1200路線は意外と実力自体は伯仲していると思う。

3着8番枠エセロ(パートン)

 まずまずのスタートから押して二の足で楽にスピードに乗って1馬身半ほど開いた。ただここで余裕を持ったかコントロールし始めて3角では手綱を引きながらペースダウン、平均でコントロールして直線に入る。序盤で一瞬は脚を使って寄せ付けないも、L1で後続に末脚の絶対量で見劣って3着。

 パートンレベルでもやっちゃうんだから、日本の騎手はもっとうまくなるチャンスはあると思う。これこの手のタイプで一番やっちゃいかんよね。モズで結構良いペースを作った松若なんかはもっと自信を持っていいと思う。エセロはタイプ的にゴリゴリ基礎スピード特化型ってほどではないけど、前走の内容が快足を引き出して良さが出ていただけに、今回楽に行けたからって日和過ぎて良さが出なかったと思う。L2でおそらく一足を使っているけど、このペースだと後ろのホットキングプローンやビートザクロック辺りは落とさず末脚を出せちゃうから。結果的にビビったことで後続の脚を削げなかった、セーフティが足りずにL1で甘くなったパターンだと思う。1200でスピードタイプでこれは一番やってはいけない負け方やね。今年のパートンは全体的に見ても本当に良くなかったと思うわ。帰ってきたモレイラはおろかNo.2の座も危ういかもしれんな。もうちょっと良い騎手だと評価していたんだけどね。今回は良くなかった。

8着6番枠ダノンスマッシュ(デットーリ)

 出負けして後方からの競馬、押してリカバーしつつ中団の後ろぐらいで我慢しながら進めていく。3~4角でも中団の外を回しながらで後方に下がりつつ直線。序盤で大外から追い出されるが反応一息でまだ後方にいる。しかしL1でようやく前が落ちてきたところで外からジリジリとこの馬らしい伸びを見せるが圏外、8着まで。

 まあ、かみ合ったとしてもこのメンバー構成で楽ではなかったと思っているが、展開的にはちょっとかわいそうではあったかな。ゲートが甘くなって(というより香港馬が速い)位置取りが後ろから、3~4角で内という選択肢も取れなかったしただ流れに沿って直線大外から追うしかなかった。しかも展開的にはエセロが日和ったことで上がり切らず3~4角でも速いラップを維持していたのでここでのロスも響いたし、L2の地点での反応はやっぱりちょっと地味だった。L1もそこまで来てないから力負けだとは思うけど、ハイペースまで上がっていたらもうちょっとやれたかなという感じ。まあ、この路線は日本馬は相当抜けてないと難しい。一度モズみたいな馬を連れていってハイペースにゴリゴリにしてどこまでやれるか見てみたいんだけどね。

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