20代で超おっさん化した人の話

若い頃は自分がいつかおっさんになるという実感があまりありませんでした。それはある意味現実逃避だったのかもしれません。人生の半分以上はおじさんなのです。

「おじさんになるのは仕方ないが、絶対にダメなおっさんになってはいけない」
小学生の頃からきちんと言葉に出して、教えなきゃいけないことです。
「みんなと仲良くしよう」とか言ってる場合じゃありません。

ダメなおじさんにさえならなければ人は幸せに生きていける。
僕は心の底からそう思います。

おじさんとしていかにカッコよく生きるか。
これは人間社会に突きつけられた最大の課題です。

■ダメなおじさんに共通すること
まずは何がダメなおっさんなのかを知らなければいけません。
ダメなおじさんたちを観察してきて思うことを簡単に列挙してみました。これは完全に僕の主観です。

・話を聞かない
・デリカシーがない
・待てない
・反応速度だけが無駄に早い
・プライドが異様に高い
・人としての成熟度が異様に低い
・やたらと人と話したがる
・会話の9割は何かの批判
・無駄に自虐的、もしくは無駄に自慢話が多い
・楽しいことを知らない
・自分の苦労話を語りたがる
・行動せずに、口ばかり動かす
・常にイライラしている
・イライラをすぐに表明する
・自分がお客の時はやたらと高圧的
・他者に対する感謝や尊敬の念が欠如
・人を楽しませようという姿勢が皆無
・わからないことを素直に人に聞けない

キリがないのでこれくらいで止めておきましょう。
年齢は関係なく、この中に当てはまることが5個以上あればそれはもう立派なおっさんです。

偉そうなことを書いてきましたが、僕も20代にして立派なおじさんと化していました。
イキがっていた当時の自分に言ってやりたい。
「お前、それ完全にただのおっさんだよ。」
年齢だけは若者で精神がおっさん。幸せになれるはずがありません。

生まれ落ちた瞬間は誰もが可愛い。それなのになぜ、あんな生物に成り下がってしまうのか。人は皆、生まれ落ちた瞬間からおっさん化を開始するからです。それは本能です。
放っておけば誰もがああなるのです。だからこそ抗わなければいけません。

■カワイイこそが正義
可愛いものに触れていない。
僕が20代で超絶おっさん化していた理由の一つがこれです。
正しいとか、間違っているとかそんなものばかりに触れていた。
それは精神を一気におっさん化させます。

北欧の環境少女、申し訳ないけどあれは完全におっさんです。世の中には可愛いものが沢山ある。それなのになぜあんなにも苦難の道を選ぶのか。それは精神がおっさんだからです。正誤を追求した成れの果てです。

ならないために出来ることはシンプル。
楽しいことや可愛いものに触れる。それだけです。
その時間の総数が精神のおっさん化を遅らせます。

おっさんとしての20代を過ごした僕はこのままではいけないと思い、無意識のうちに抵抗を開始していました。頑なに否定していたものを受け入れ始めました。

・ガンダムしか見なかった僕がけいおんを見るようになった
・パンクの流れを汲むものしか認めなかった僕がユーミンを聞くようになった
・ほぼ洋画しか見なかった僕が邦画も観るようになった
・ワンピースを読むようになった
・猫を超絶かわいがるようになった

全て30代の10年間のあいだで経験したこと。20代の僕では考えられないことです。
良いモノ、流行っているモノは頭ごなしに否定せずに一度きちんと向き合った方が良い。
それが僕の中での結論です。

ある意味僕がアニメの「けいおん」を見始めたのは人生のターニングポイントかもしれません。けいおんには楽しいと可愛いが満載です。
精神のおっさん化に抗いたい人はぜひ「けいおん」を見ましょう。

カワイイという概念を心の中心に持っている人は強いです

■おっさんではなく、おじさんへ
若者が未熟なのは仕方ありません。経験値が絶対的に少ないからです。
おっさんが未熟なのは、経験を教訓として生かせなかったから。これはもう完全に自分の責任です。誰かのせいにすることはできません。

レンタルビデオの延長料金を踏み倒そうとするおっさんの話を聞きました。
ありとあらゆる難癖をつけて、払わない方向に持っていくらしい。
「おっさん、それ万引きだから。警察呼ぶよ」
店員さんがそれを言えればどれだけ楽になるか・・・

財布の中にお金が入ってないのは仕方のないことですが、人間性が全く入ってないからっぽのおっさんほど悲しいものはないです。

女性でもおっさん化します。若者もおっさん化します。10代でも容赦なくおっさん化します。それは本能だからです。

自分はおっさん化していないだろうか?
それを常に意識することで確実に人生の質は上がります。

おっさんだった僕は、おじさんになるための修行を続けています。

ありがとうございます。有意義なことに使います。