モメンタムとは?見方やMT4/MT5での使い方、計算方法、トレード手法を解説
FXのモメンタムとは、相場の勢いを判断するオシレーター系のインジケーターです。
使い方が単純で優位性が高いことから、初心者から上級者まで人気があります。
相場の環境認識からレンジ相場、トレンド相場までどんな相場にも対応できることがモメンタムの特徴です。
モメンタムは相場の方向性や勢いを判断するのに便利な指標ですが、FX取引でどのように使えば良いか分からない方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、モメンタムの意味や使い方、MT4/MT5での設定方法、トレード手法をご紹介します。
モメンタムとの組み合わせにおすすめのテクニカル指標も併せて解説しますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
モメンタムとは
モメンタムとは、現在の終値と過去の終値を比較して、その差がどのくらいあるのかを示すインジケーターです。
現在と過去の価格差をグラフで示しており、相場に勢いがあるかどうか判断できます。
インジケーターの分類としては「オシレーター系指標」となります。
オシレーター系とは「振り幅」「振り子」という意味の言葉で、相場の過熱感(買われすぎ・売られすぎ)を示す指標です。
モメンタムは「100」ラインを基準に、大きく乖離すればするほど価格の変化率が大きいと判断し、主に逆張りで使用します。
具体的なモメンタムの見方や使い方については後述しますので、ぜひ参考にしてください。
モメンタムの計算式
モメンタムは現在の価格を過去の価格で割って、市場価格の変化率を算出します。
具体的な計算式は以下のとおりです。
モメンタム = (当日の終値 – N日前の終値) × 100
※Nは期間を示しており、14を用いるのが一般的
14を使うということは、現在足の終値と14日前の終値の価格を比較して、どの程度相場の勢いが変化したかを分析します。
期間を長くすれば長期的なトレンド、逆に期間を短くすれば短期的なトレンドの勢いを掴むことができます。
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モメンタムの見方・使い方
ここではモメンタムの見方・使い方をご紹介します。
モメンタムの数値でトレンドの方向性を判断
モメンタムの傾きによってトレンドの勢いがわかる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
モメンタムの数値でトレンドの方向性を判断
モメンタムの最も一般的な使い方は、数値によってトレンドの方向性を見極めることです。
具体的には、以下のように判断します。
モメンタムが100ラインよりも上を推移:
上昇相場モメンタムが100ラインよりも下を推移:
下降相場
上のチャートを見ても分かるように、値動きとモメンタムの値動きがかなり似ています。
相場の方向性を簡単に掴めることがモメンタムの特徴です。
トレードに使うだけでなく、相場の環境認識にも使えます。
モメンタムの傾きによってトレンドの勢いがわかる
モメンタムの数値だけでなく、傾きにも注目することでトレンドの勢いが分析できます。
具体的には、以下のように判断します。
モメンタムの傾きが大きい:
トレンドの勢いが強いモメンタムの傾きが小さい:
トレンドの勢いが弱い
チャートを見ても分かるように、レンジ相場ではモメンタムが100ラインと頻繁に交差します。
ただ、相場が一方向に大きく動くトレンド相場では、モメンタムの傾きが大きくなります。
FXで大きな値幅を狙うなら、モメンタムの傾きが大きい場面を狙うのが有効です。
MT4/MT5でモメンタムを表示・設定する方法
それでは実際に、MT4/MT5でモメンタムを表示・設定する方法をご紹介します。
モメンタムはMT4/MT5にデフォルトで搭載されているインジケーターなので、外部サイトからダウンロードする必要はありません。
具体的な表示・設定方法の手順は下記のとおりです。
MT4/MT5を起動し挿入タブをクリック
オシレーター系のインジケーターから「Momentum」を選択
モメンタムの詳細設定
順を追って詳しく解説します。
MT4/MT5を起動し挿入タブをクリック
まずMT4/MT5を起動し、ツールバーから「挿入」タブをクリックします。
下記画像はMT4を利用していますが、MT5でも手順は同じです。
オシレーター系のインジケーターから「Momentum」を選択
続いて、「インジケーター」→「オシレーター」→「Momentum」の順にクリックします。
詳細設定の画面が表示されるので「OK」をクリックすれば、モメンタムの表示が完了です。
モメンタムの詳細設定
デフォルトの設定を変更したい場合は「パラメーター」タブから、詳細設定を行います。
詳細設定では、モメンタムの期間や線の色などが変更可能です。
期間の数字を変更すればモメンタムの期間が変更できますが、おすすめしません。
なぜなら、モメンタムはデフォルトの期間が最も意識されるポイントであり、優位性が高いからです。
根拠や目的があって変更するなら良いですが、通常通り使うのであればデフォルトの「14」で使用することをおすすめします。
モメンタムの線の色を変更したい場合は「スタイル」の色を変更してください。
変更後「OK」をクリックすれば、変更点が反映されます。
モメンタムの使ったトレード手法
それでは実際に、モメンタムを使ったトレード手法をご紹介します。
今回紹介するトレード手法は以下の2つです。
モメンタムと移動平均線を組み合わせた順張り
モメンタムとRSIを組み合わせた逆張り
1つずつ順番に見ていきましょう。
モメンタムと移動平均線を組み合わせた順張り
まずは、モメンタムと移動平均線を組み合わせた順張り手法です。
移動平均線はトレンド系のテクニカル指標で、トレンド相場の順張りに役立ちます。
具体的には、移動平均線のパーフェクトオーダーとモメンタムを組み合わせて、トレードを行います。
上昇のパーフェクトオーダー&モメンタムが100ライン以上:
買いエントリー下降のパーフェクトオーダー&モメンタムが100ライン以下:
売りエントリー
パーフェクトオーダーは強いトレンドで発生し、FXで大きな利益を狙うのに有効です。
そのため、パーフェクトオーダー発生時に、モメンタムが100ライン以上なら「買い」、100ライン以下なら「売り」エントリーを狙いましょう。
モメンタムとRSIを組み合わせた逆張り
続いて、モメンタムとRSIを組み合わせた逆張り手法を紹介します。
RSIはオシレーター系のテクニカル指標で、レンジ相場の逆張りに有効です。
具体的には、以下のようなルールで取引を行います。
RSIが30以下&モメンタムが100ラインから下に大きく乖離:
買いエントリーRSIが70以上&モメンタムが100ラインから上に大きく乖離:
売りエントリー
逆張り手法は順張りに比べて大きな値幅を取りづらいですが、取引チャンスは多いです。
大きな含み損を抱えるリスクも低いので、低リスクでコツコツ運用したい人におすすめの手法です。
逆張り手法では、モメンタムが100ラインから大きく乖離(離れている)ポイントを狙っていきましょう。
モメンタム利用時の注意点
FX取引でモメンタムを使用する際の注意点は以下の2つです。
だましの可能性がある
単体で使わず他のテクニカル指標と組み合わせる
順番に詳しく見ていきましょう。
だましの可能性がある
モメンタムは相場分析に有効なテクニカル指標ですが、ときにはシグナル通りにならず、だましが発生する可能性があります。
モメンタムの100ラインの交差によってトレンドの発生や転換を分析できますが、必ずしもそのポイントで反発するとは限りません。
特にレンジ相場では、100ラインを頻繁に交差します。
だましを回避するために、ローソク足の大きさに注目しましょう。
ローソク足が大きければトレンドになりやすいですが、小さいローソク足が連続している場合は、レンジ相場が継続する可能性が高いです。
そのため、100ラインを交差したタイミングで順張りを狙うなら、大きいローソク足が出現するまで待ちましょう。
単体で使わず他のテクニカル指標と組み合わせる
モメンタムは単体で使わず、他のテクニカル指標と組み合わせて使いましょう。
前述した通り、単体で使うとだましの可能性が高くなってしまうからです。
モメンタムと相性良いインジケーターは、相場によって異なります。
トレンド相場:
移動平均線やボリンジャーバンドレンジ相場:
RSIやストキャスティクス
複数の指標を組み合わせると取引チャンスは少なくなりますが、妥協しないことが大切です。
モメンタムを他のテクニカル指標と組み合わせて、利益よりも勝率を重視していきましょう。
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