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グランビルの法則とは?8つの売買サインやFXトレード手法、移動平均線の設定を解説

グランビルの法則は、移動平均線を利用して売買ポイントを探る、チャート分析手法です。

移動平均線は世界中のトレーダーが参考にしている代表的なテクニカル指標ですが、なんとなく使っている人も多いのではないでしょうか?
トレンド方向の確認など、相場環境を認識するなら、向きや勢いだけでも掴めるでしょう。
しかし具体的な売買のタイミングまでは、ただ見ているだけでは分かりません。

そこで活用したいのが、グランビルの法則です。
グランビルの法則は、買うタイミングや売るタイミングを、移動平均線とローソク足の位置関係から教えてくれます。
その内容は、上級者のほとんどが理解しているため、初心者は知らないだけで不利になってしまうのです。

この記事では、エントリーや決済のタイミングを決める時に必須となるグランビルの法則について、詳しく説明いたします。
多くのトレーダーが意識するポイントを具体的に把握すれば、市場の方向性に合わせたエントリーや決済が可能になるでしょう。


グランビルの法則とは

チャート分析の手法には様々なものがありますが、その中心となるのが移動平均線です。
グランビルの法則は、この移動平均線のポテンシャルを最大限に引き出してくれます。

発表から50年以上が経ちますが、現在でも有効な手法として、全く色褪せることがありません。
初心者でも最優先で使うべき指標でしょう。

グランビルの法則では移動平均線とローソク足(価格)の関係から、買いと売り、合計8つの売買ポイントを指摘します。
これらのパターンを覚えておくことで、より的確なエントリーや決済ができるのです。

提唱したのは移動平均線の考案者

グランビルの法則は、アメリカの証券アナリスト・金融記者であるジョセフ・E・グランビル(Joseph E. Granville)が考案しました。
彼が1960年に発行した「グランビルの投資法則」という書籍で、アイデアが披露されています。

株価と200日移動平均線の位置関係から導き出された法則のため、当初は株式投資で用いられていました。
その後、他の市場でも同じように通用することが分かり、今ではFXトレードでも基本的な知識として広く用いられています。

そもそもグランビルは、移動平均線を考案した人物です。
そこからゴールデンクロスやデッドクロスも提唱しており、現在のテクニカル分析の基礎を作った人だとも言えるでしょう。

グランビルは自身は有名なトレーダーではありませんでしたが、証券アナリストとしてプレゼンテーションが上手く、多くの顧客を抱えていました。
そこから大きく普及して行ったのです。

グランビルの法則の基本的な考え方

グランビルは自身が考案した移動平均線から、下記のような特徴を発見しました。

  • 価格は移動平均線から離れると、再び移動平均線の方に戻ろうとする

  • 価格は移動平均線に沿って動くが、やがて移動平均線から離れて行こうとする

また、相場の状態は、次のような状態にあるとしたのです。

  • 価格が移動平均線の上にあるほど、買われすぎの状態

  • 価格が移動平均線の下にあるほど、売られすぎの状態

グランビルはこれらを元の価格が折り返すポイントを見極め、下図のような8パターンに整理しました。

パターンは買いのサインが4つ、売りのサインが4つ、合わせて8つです。
移動平均線が表示できるチャートならば、どんな種類の取引市場でも活用できます。

シンプルであるがゆえ、どのような相場にも活用でき、半世紀以上も世界中で使われ続ける法則となりました。
もちろんFXトレードでも有効です。
ただ目の前の相場の動きを使うので、長期的な相場の見通しには向いていません

では、次のパートで8つのパターンについての理解を深めていきましょう。

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グランビルの法則 買いの4パターン

ここから、グランビルの法則における個々のパターンを見ていきましょう。
まずは買うタイミングを見極める4パターンです。

  1. 新規買い(移動平均線を上抜け)

  2. 押し目買い(移動平均線を下抜け)

  3. 買い増し(移動平均線で反発)

  4. 短期の乖離買い(下降トレンド中の逆張り)

買いの法則①新規買い(移動平均線を上抜け)

最初の買いポイントは、下落傾向のトレンドの終端で発生します。
4つの買いサインの中で最初に出ることになるため、「新規買い」とも呼ばれます。

下記の2つが満たされることが条件です。

  • 下向きだった移動平均線が横ばい、あるいは上昇に転じている

  • 価格がその移動平均線を下から上に突き抜けた時

つまり、価格と移動平均線とがゴールデンクロスしている状態です。

ポイントは、下向きだった移動平均線の角度が横向きや上向きに変わっていること。
角度が変わらないままだと、価格が再びトレンド方向に戻ってしまう可能性が高くなります。

上図では、左側の点線部分では角度が下向きのままになっており、下降圧力の強さが見て取れるでしょう。
結果、すぐにラインを割って、元のトレンド方向に戻ってしまいました。
一瞬、ゴールデンクロスをしてはいますが、買いの1番には当てはめ難いと言えます。

それに対し、実線の赤丸部分では移動平均線の角度がほぼ水平になっているので、条件を満たしているわけです。

買いの1番では、トレンド転換の起点を底値圏で掴むことが求められます。
移動平均線が横向き、もしくは上向きに変化しているかを確認しましょう。

また、直近の相場が下降トレンドで進んできていることも大切です。
レンジ相場ではダマシが多くなり、値幅も取れないので収益に繋がりません。

なお、サインの確定はローソク足が閉じた時(終値)です。
その前に早まって動かないようにしてください。

買いの法則②押し目買い(移動平均線を下抜け)

買いサインの2つめは、新規買いの後の調整局面を利用した「押し目買い」です。

一旦は移動平均線を突き抜けた価格ですが、値動きにはジグザクに動くという特性があります。
「価格は移動平均線の方に戻ってくる」という原則からも、いずれ下降に転じ、移動平均線を下抜けする機会が生まれる可能性が高いのです。

ここでもサインとして成立するには、条件があります。

  • 移動平均線の傾きが上向きか横向きで、下向きにはなっていない

  • 一時的に移動平均線を下回った価格が、再び上昇を始めた時

下図では「法則の2番」が2回に分けて出現し、押し目買いのチャンスになっています。

ここでも移動平均線の傾きに注意しましょう。

価格だけでなく移動平均線も下降に転じると、トレンド転換に向かう可能性が高まります。
移動平均線の傾きが上向き、もしくは横向きをキープした状態で価格が上昇方向に反発したら、そこが買いのタイミングです。

さらに細かく見ると、ここでは下記のような買いポイントが想定できます。

  • 割り込んだ価格が、底を打って反転した時

  • 反転した価格が移動平均線を再び超えた時(ゴールデンクロス)

調整の底まで待って買う方法なら、より良い条件で買うことができます。
ただしタイミングを逃すと一気に上昇してしまう可能性もあるため、見極めるのが大変です。
右側の赤丸はそうした動きをしています。

再び移動平均線を突き抜けるタイミングを使う方法は、買いの1番と同じくゴールデンクロスとなるので、初心者でも判断しやすい方法です。
しかし価格の優位性としては低い結果となります。

取れる利幅を考えると、できるだけ調整の底で買えた方が良いでしょう。

買いの法則③買い増し(移動平均線で反発)

トレンドの方向性が確立すると、価格は大きく伸びて行きます。
それでも直線的に動いていくことは少ないものです。
所々で小さな戻りが起き、時には価格が移動平均線に接触します。
ここを買いポイントに設定するのが「買いの3番」です。

「価格の戻り」という意味では、先ほどの「買いの2番」(押し目買い)」と変わりません。
違うのは、「買いの2番」では価格が移動平均線を割り込む前提でしたが、「買いの3番」ではライン際で反発すると想定することです。

実際にチャートでは、落ちてきた価格が移動平均線に触れた瞬間、上昇方向に切り返すような動きがよく見られます。
あたかも水面を跳ねる小石のように、移動平均線上で繰り返しホップして行くのです。
これは、移動平均線がレジスタンスラインとして強く機能しているということを意味します。

反発するポイント=移動平均線なので、高度な知識や経験がいらないのも「買いの3番」のメリットです。
ラインを割り込まないので、移動平均線の角度も変わらず、気にする必要はありません。
4つの買いの法則の中で、最も初心者向けと言えるでしょう。

もともとのグランビルの法則では、トレンドの起点となる「買いの1番」の次に、先ほどの「買いの2番」が来るとしています。
しかし実際には、そこまで大きな戻しがない事も多いのです。

買いの3番は、4つある買いポイントの中で最も扱いやすく、使う機会も沢山あるので確実に覚えておきましょう。

なおこの3番は、「買い増し」あるいは「買い乗せ」「追随買い」などと呼ばれます。

活用する上で、難しいところがあるとしたら、移動平均線への接触を必須とするか否かです。

実際には必ずしも接触する必要性はなく、「接近」したら法則に当てはめるというのが一般的な解釈です。
確かにその方が使える機会も増えますが、どこまで近づいたら「接近」とするのかに、明確な基準はありません。
そこの見極めには、一定の能力が必要になります。

要は、下図のような場合を、買いの3番に含めるかどうかです。

初心者の場合、まずは「接触」した場合に限って取引を行い、経験を積んだら「接近」も使ってみるのが安全でしょう。

買いの法則④短期の乖離買い(下降トレンド中の逆張り)

最後の買いサインは上昇トレンドではなく、下降トレンド中に発生します。

ここでのポイントは、移動平均線と価格の距離、つまり乖離です。
価格が離れているほど、移動平均線に向けて反発する可能性が高まります。
それは下降トレンドでも変わりません。

そのリバウンドを利用すれば、大きな値幅を狙えるというわけです。
もちろん急激な下落が生じている場合、価格は一方的に下がります。
そこで明確な反発が起きたことを確認し、損切り設定もしっかりしておきましょう。

買いの4番は下落中の一時的な戻りを狙うため、ポジションの保有時間は4つの買いの中でも最短です。
また、下落トレンド中の逆張りになるので、1番〜3番のような順張りとは感覚も異なります。
逆張りが好きな人や得意な人には向いていますが、慣れていない人は慎重になった方が良いでしょう。

グランビルの法則 売りの4パターン

続いて、売りのタイミングを示す法則についても解説します。

こちらも4つの種類があり、それぞれ買いの4法則とも対応しているのが特徴です。
そのため買いの法則が理解できれば、売りの法則も簡単にマスターできます。

  1. 新規売り(移動平均線を下抜け)

  2. 戻り売り(移動平均線を上抜け)

  3. 売り増し(移動平均線で反発)

  4. 短期の乖離買い(上昇トレンド中の逆張り)

売りの法則①新規売り(移動平均線を下抜け)

買いの法則での「新規買い」に当たるものが、この「売りの1番」です。

上昇トレンドで進んできた相場が下降に転じた際に出現し、下記が満たされることが条件です。

  • 移動平均線が横ばい、もしくは下落に転じている

  • 価格がその移動平均線を上から下に突き抜けた時

売りの1番は、価格と移動平均線とがデッドクロスしている状態です。

天井圏でこの動きが見られた場合、ここからトレンド転換が起きる可能性が高まります。
ここで売れれば価格的にも優位性が高くなるので、見逃さないようにしましょう。
4つの売りサインの中で最初に出現するため、「新規売り」とも呼ばれます。

売りの法則②戻り売り(移動平均線を上抜け)

売りサインの2つ目は、トレンド転換後の調整局面を利用した「戻り売り」です。

価格が下落に転じ、移動平均線を突き抜けて距離が出来ると、一時的に反発が生じて戻り相場となります。

ここでそのまま移動平均線を上抜けたら、戻り売りのチャンスです。
サインとして成立するには、次の2点が条件となります。

  • 移動平均線の傾きが下向きのまま変わっていない

  • 一時的に移動平均線を上抜けた価格が、再び下落に転じる

上図は、実はその前の「売りの1番」の続きのチャートです。
直後に2回、移動平均線を上抜けする戻り売りの機会が発生しているのが見えるでしょう。

ここでも押し目買いと同じく、2つの買いポイントが想定できます。

  • 上抜けた価格が切り返して下落に転じた時

  • 価格が再び移動平均線を下抜けた時(デッドクロス)

価格がピークを付け、そこから再び下落に転じるのを待つ2つ目の方法がベストですが、見極め力が必要です。
それよりは、移動平均線まで戻るゴールデンクロスを狙う方が初心者向きですが、売れる位置としては低くなるのが欠点となります。

いずれにしても、しっかりとした反発があり、再び下落に転じることを確認するのが重要です。

売りの法則③売り増し(移動平均線で反発)

下落トレンドの途中で定期的に発生する、一時的な逆行を利用する方法で、買いの3番と対応する法則です。
トレンドが確立すると移動平均線はサポートラインとして機能するので、戻ってきた価格はラインに接触すると反発し、再び下落に転じます。

トレンド中、繰り返し出現するのもメリットで、「売り増し」あるいは「売り乗せ」「追随売り」などとも呼ばれます。

タイミングが掴みやすく値幅も取れるので、4つの売りの法則の中で最も初心者向けです。

移動平均線を上抜けしないというのも、安心感に繋がるでしょう。
(もちろん上抜けした場合に備えて損切り設定は必要です)。

押し目買いと同じく、接触しないまでも接近したら法則に当てはめるという考え方もあります。
タイミングを見極める必要がありますが、経験を積んだらそちらも対象に入れてみましょう。

なお上図では売りの3番の後に、移動平均線を上抜けする買いの1番や、ライン際で反転する買いの3番などが続いています。
このようにトレードチャンスを示すタイミングが続くのも、グランビルの法則の特徴です。

売りの法則④短期の乖離買い(上昇トレンド中の逆張り)

最後の売りサインは、下降トレンドではなく、上昇トレンド中に発生します。

移動平均線と価格が大きく離れると、価格はラインの方に戻る動きを見せるので、そこが売りのチャンスです。
その時点では「買いすぎ」相場になっており、短期的な反発で終わる可能性が高いので、そのリバウンドを利用します。

ただしトレンドの大きな流れに対しては逆張りになるので、ポジションの保有期間も短くなることには注意が必要です。
使いこなすにはある程度の力量が必要になるでしょう。

グランビルの法則の移動平均線や時間足の設定

実際にグランビルの法則を使うに当たって必要なのが、移動平均線の期間や、表示させる時間足を決めることです。
ここではそれぞれの設定について、いくつかの考え方を紹介します。

  1. 最適な移動平均線の期間は?

  2. 最適な時間足は?

最適な移動平均線の期間は?

グランビルの法則は株式市場の値動きを元に1960年に公開されました。
そこで設定されていた移動平均線の期間は200日です。

グランビル自身が普段から200日移動平均線を利用しており、投資家の間でもこの期間が重要視されていました。
指標は多くの人が意識することで効力が高まります。
そこで、当時の代表的な期間であった200日がそのまま採用されたというわけです。

FXでも200日移動平均線は多くのトレーダーに意識されます。
期間としてはかなり長くなるので、長期目線で取引する場合、現在でも有力な期間設定となるでしょう。

他に短期や中期のラインも表示させるのが、一般的な移動平均線の使い方です。
下図は、米ドル/円の2020年〜2021年の2年間の日足チャートに、3本の移動平均線(25日・75日・200日)を表示させたものになります。

また、FXではデイトレードやスキャルピングなど、短期目線での取引も活発です。
これらにおいて、日足ベースのチャートは環境分析には使えても、トレードのタイミングを具体的に決めるには精度が粗すぎます。
そのため、アレンジを加えなくてはなりません。

まず考えられるのは、使う時間足を、チャートごとに合わせることです。
例えば1時間足なら過去200時間分、5分足なら5分足×200本の平均値とします。
これは単純に日足の場合の期間設定(過去200本分の平均値)を使う方法です。

先ほどと同じく、200本に25本と75本を加えた結果が下図になります。

1時間足

15分足

5分足

時間足を変えても、同じように使えることが分かるでしょう。

もうひとつの方法は、日足をそのまま使う方法です。
ここで200日の平均を使うのは、期間として長すぎます。

上図は、1時間足に、日足の5日平均線と10日平均線を重ねたものです。

1日の時間足は、1時間足の24本に相当するため、ラインは階段状になっています。
そのため、5日平均線は1時間足では期間120、10日平均線は240期間です。

そこで、10日平均線と1時間足の240期間を並べると、下図のようになりました。

階段状になっている10日平均線の方が、的確なサインを出しているとも言えます。
様々なケースが考えられるので、色々試してみましょう。

最適な時間足は?

もともとの着想が日足ですから、現代でも日足チャートでは効力を発揮します。
しかしFXでは、より短いチャートの方が需要があるでしょう。

全体的な傾向としては、長い時間足ほどダマシが少なく安定した結果となります。
時間足が短くなるほど、どうしてもイレギュラーな動きが出やすくなるからです。

ただ、短い時間足では全く使えないというわけではありません。
ジグザグに動いていくという相場の基本は、時間足が異なっても変わることはなく、いわゆるフラクタル構造となるからです。

バランスが良いのは1時間足や4時間足でしょう。
それより短い時間足で売買のタイミングを決めるにしても、これらは環境分析のために必要となるので、必ず確認しましょう。

グランビルの法則を利用したトレード手法と注意点

売買ポイントが8ヶ所と、数は多いグランビルの法則ですが、個々の考え方はシンプルです。
ここでは、実際にグランビルの法則を使う時のおすすめの手法や注意点をお伝えします。

  1. 初心者におすすめのパターン

  2. 最強の組み合わせは、買いの1番と売りの4番

  3. ダウ理論との関係

  4. その他のテクニカル分析やインジケーターも併用しよう

  5. グランビルの法則は使えない?使わない方が良い場合

  6. 8つの法則は順番通りに現れるとは限らない

初心者におすすめのパターン

グランビルの法則には全部で8つのパターンがありますが、全てを満遍なく使う必要はありません。
自分の得意なパターンに絞って使うのも賢い選択です。

初心者の場合、2番(押し目買いと戻り売り)や3番(移動平均線への接近や接触)から試しましょう。

いずれもダマシが少なく、成功率が高く、十分な利益も望めるのがポイントです。
3番は「移動平均線への接近」も含みますが、当初は「接触」に絞っても良いでしょう。

1番(価格と移動平均線の交差)は、ゴールデンクロスやデッドクロスを使うので分かりやすい反面、ダマシに遭う可能性があるので注意しなければなりません。
また4番は逆張りになるので、他のものより難易度が上がります。

最強の組み合わせは、買いの1番と売りの4番

実際のトレードは、売りと買いがセットになります。
グランビルの法則にはそれぞれ4パターンがあるので、組み合わせは全部で12通りです。
この中で最強と言える組み合わせを上げるとしたら、買いの1番と、売りの4番が有力候補になるでしょう。

買いの1番は見つけやすく、トレンドの初期でエントリーできるため、最終的な利益幅も期待できます。
ただしダマシの可能性もあるので、損切り設定はしておきましょう。

安く買えたら、次は高く売る番です。
ここで最も優位性の高いのは売りの4番でしょう。
移動平均線から上方に大きく跳ねたところで決済すれば、最大限の利益が望めます。

下図のようになれば、理想的です。

安全策を取るのであれば、最初に移動平均線を抜けた直後の戻しを狙う方が確実ですが、下図のように必ず発生するとは限りません。

FXですから、もちろん売りの4番でポジションを建て、買いの2番で決済しても良いでしょう。

ただしどちらにしても、売りの4番は見極めるのが簡単ではありません。
下記で紹介するような、他の指標も使うようにしてください。

ダウ理論との関係

グランビルの法則は単独でも十分使えますが、他のテクニカル分析を併用すると更に高い精度が期待できます。

値動きに関して、グランビルの法則と並んで有名なのが、ダウ理論です。
ダウ理論では、波動の形状を使ってトレンドの継続や終了を予測します。

両者は似ている部分もありますが、ダウ理論では移動平均線は使いません。
論拠が異なっているため、組み合わせて使うと精度の向上が期待できます。

ダウ理論は6つの原則で構成されます。

  • 価格(平均)はすべての事象を織り込む

  • トレンドには短期・中期・長期の3種類がある

  • 主要なトレンドは3つの段階で形成される

  • 価格(平均)は相互に確認されなければならない

  • トレンドは出来高でも確認されなければならない

  • トレンドは明確な転換シグナルが発生するまで継続する

ここで重要なのは最後の「明確な転換シグナルが発生するまでトレンドは継続する」という原則です。
逆に言えば、明確な転換シグナルが発生すればトレンドは終わる、ということになります。

ここで言う転換シグナルとは、高根の切り上げや安値の切り下げが止まってしまうことです。

グランビルの法則ではトレンド転換後に1番(移動平均線を抜ける)が発生します。
事前に転換シグナルを観測できれば、1番の出現に備えやすくなるでしょう。

その他のテクニカル分析やインジケーターも併用しよう

役に立つのは、ダウ理論だけではありません。

ダマシの可能性がある1番や、本当に押し目や戻り目のタイミングなのかを測りにくい2番では、補足材料が必要です。
逆張りとなる4番でも、リスク軽減のために根拠は多いほど助かります。

下記のようなテクニカル分析やインジケーターも活用しましょう。

  • サポレジライン(トレンドライン、水平線ライン)

  • フィボナッチリトレースメント

  • ボリンジャーバンド

  • RSI

  • MACD

  • ストキャスティクス

トレンドラインや水平線ラインは、価格の伸び抑えるサポートラインやレジスタンスラインとして使えます。
それらがグランビルの8つ法則のいずれかと一致したら、そこで価格が折り返す確率がさらに高まるでしょう。

下記は最初に紹介したものですが、レジスタンスラインをブレイクした直後に、移動平均線を抜けています。

フィボナッチリトレースメントやボリンジャーバンドも同様です。
グランビルの法則はトレンド中の逆行を使いますが、これらのインジケーターは反発点の予測を行います。
併用するテクニカル分析として、グランビルの法則とは相性が良いでしょう。

下図は、ボリンジャーバンドの例です。

バンドをはみ出た時に戻る特性(青丸)も値幅が取れて良いのですが、移動平均線とバンドが重なる所で、売りの3番(赤丸)が効いているのがポイントです。

また、下記はフィボナッチリトレースメントを当てたものです。

水平のラインと移動平均線が一致している所で、こちらも売りの3番が効いているのが分かるでしょう。

また移動平均線だけでは決め難い売りの4番でも、フィボナッチリトレースメントが参考になるケースがあります。

毎回このように上手く決まるわけではありませんが、活用次第で売買の根拠に使えるでしょう。

RSI・MACD・ストキャスティクスなどは、相場の買い過ぎや売られ過ぎを数値化してくれるインジケーターです。
そのためブレイクの予測にも有効です。

下図はMACDを使っていますが、売買の1番と的確に同期し、根拠の強化になっています。

これらを使ってトレンドの初期を掴むことができれば、優位性のある取引が出来るでしょう。

ただしグランビルの法則は、トレンド相場で効果を発揮します。
上図でも、後半のレンジ相場(点線の矢印)では、タイミングは合っていても、収益にはつながっていないことが分かるでしょう。

グランビルの法則は使えない?使わない方が良い場合

多くの場面で使えるグランビルの法則ですが、時には使わない方が良いこともあります。

まず、移動平均線に角度が付かず、水平に近い形で上下の動きがほとんど見られない場合です。
移動平均線に一定の動きがないと、グランビルの法則は有効に働きません。
その状態で無理に使うと、ダマシが頻発してしまいます。

一度そこから移動平均線に角度が付くまで待ちましょう。
その場合、トレンド初期に出現する1番を見つけることは難しいかもしれません。
その後に出現するであろう、2番や3番で勝負しましょう。

また、そもそもテクニカル分析が通用しにくい場面では、グランビルの法則も実効性がありません。
例えば、重要な経済指標の発表や要人発言があると、内容次第で相場は突発的に反応します。
大きな事故や事件があった場合も同様です。
世情や相場が落ち着くまで、使用は控えた方が良いでしょう。

8つの法則は順番通りに現れるとは限らない

この記事では説明をしやすくするため、8つの法則に番号を付けましたが、実際の相場でその数字通りに出現する保証はありません。

傾向としては、1番で始まり、2番や3番の出現を経て4番に向かうという流れはあります。
しかし例えば、価格が移動平均線に近づく3番は、トレンドの途中で何回でも出現する可能性があるでしょう。

大きな調整が発生すれば、トレンド中のどこであれ、押し目買いや戻り売り(2番)の機会も生まれます。
移動平均線から価格が大きく離れることで発生する4番も、いつ出現してもおかしくありません。

ナンバーに惑わされず、目の前のチャートに集中しましょう。

グランビルの法則が勉強できる本

グランビルの法則は、書籍で学ぶのもおすすめです。
とは言え、グランビルの法則のみを伝える書籍はほとんどありません。
何冊かを読んで複合的に理解するのが良いでしょう。

FXチャート「儲け」の方程式

基礎的な部分から丁寧にチャートの読み方を説明している書籍です。
トレンド分析の解説の中で、グランビルの法則について紹介されています。

組み合わせて使いたいフィボナッチ系のインジケーターや、サブで使うオシレーター系の指標についても詳しく学べます。

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初心者だけでなく中級者でも役に立つ情報が掲載されており、月20万円の収益を目指したい人にはうってつけです。
難しいチャートでもシンプルな対応策が学べるようになっています。
グランビルの法則についてもかなり実践的な説明がされているので、理解がしやすいでしょう。

株を買うなら最低限知っておきたい 株価チャートの教科書

グランビルの法則を使うなら、移動平均線への理解は欠かせません。
この書籍ではチャート分析の手法として移動平均線をメインに取り上げており、豊富な実例で売買のタイミングを学べます。
対象は株式市場となっていますが、チャートの読み方は市場を超えて共通するので、十分参考になるでしょう。

世界一やさしい 株の練習帖 1年生

実際のチャートを元に、相場における重要な法則を系統立てて学べる書籍です。
その冒頭は、『「グランビルの法則」をマスターする』から始まります。

1時限目(第一章)は、「トレンドと買いの達人になる10の法則」であり、まずは買いから重視していることが分かります。
併用するインジケーターもMACDとボリンジャーバンドに絞っているので、初心者でも迷うことが少ないでしょう。

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