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あんぱんと父

1週間経ってしまったが、4月1日は父の誕生日。
他界して5年が経ち、誕生会をする事はない普通の1日。
仕事が終わって、地元のスーパーで買い物。
ふと、あんぱんに目が行った。
そうか、今日セールになってるんだ。
お父さん、あんぱんが好きだったな。
その瞬間「お父さん…」と口から声が漏れてしまい
涙が出そうになってしまった。

思い起こせば5年前、亡くなったという連絡があり
急ぎ実家に帰り、色々な手続きを済ませて自宅に帰る途中
疲れて立ち寄った喫茶で、父の事を想いながらあんぱんを食べた。

その夜、父の夢を見た。
何故か父の幽霊?と電車に乗っていた。
「お父さん、生きている時は足が痛くて大変だったよね。
今はもう痛くないの?」
「ああ、もう痛くないよ。楽になったよ。」
と笑って話していた。
目が覚めて泣いている自分がいた。

父は晩年、職人としての長年の酷使で
膝に痛みがあり歩行が困難になっていた。
今は天国で、痛みを感じる事もなく
兄弟や友人と楽しく議論を戦わせているだろうか。

エイプリルフールだけど
私にとっては関係なく父に思いを寄せる日。

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