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愛し君や 彼の地まで…

「気づいたのか?」
あの者は静かに問う。
湧き上がる憎しみや相反する様々な感情を抑えながら私は言う。
「いいえ、きづいてもいなければ、思い出してもおりません。」
あの者は静かに言う。
「そうか。」と。
暫くの沈黙のあと、
「それでいい。」

山に雪が降り積もる。
このまま、柔らかな白い雪に埋もれて
何度生きようとも
あの…には触れることは出来ないまま…
不意にくる、懐かしい…が包む。

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