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ただ知りたかったんだと思う

広島平和記念資料館に行った。
長崎の原爆資料館には、修学旅行の引率等で数回行ったことがあり、戦争の悲惨さや原爆の恐ろしさなどは知っているつもりだった。

なぜ、広島の平和記念資料館に行こうと思ったのか。
田中泰延さんや幡野広志さんの書かれた記事を読んだことは、理由の一つだと思う。


正直なところ積極的に行きたかったわけではない
暗い気持ちになることは、想像がつくから
自分は、観てどうしたかったのだろう
知って、何を思うのだろう


広島は、何度か訪れていて平和記念公園にも来たことはあったけれど、タイミングと心の準備が合わなかった。今回は、たまたま一人で時間が取れたので、行こうと思った。

平和記念資料館の入り口には長蛇の列ができていた。資料館の中にも人がいっぱいで、場所によっては歩くのも大変なくらいだった。お客さんの多くが海外から来たであろう方々で驚いた。

 遺品が展示された方それぞれに人生があって、それが垣間見えるような展示だった。
「これからもおなかなどこわさぬよう 元気で遊びなさい。それが何よりも一番
 うれしいことです。」に自分の娘のことを重ねて読んでいた。
 土門拳さんが撮影された家族の写真が、すごく素敵だった。

展示を観ている最中に色々なことを考えた。なぜ、たくさんの人が来るのだろう。楽しく旅行すれば、いいのではないか。知ってどうするのだろう。知ったから何なのだろう。自分の中で簡単に答えが出ず、ぐるぐると悩んでいた。


3月1日から行われている企画展「ともだちの記憶」で展示されている絵。初め観たときにパプアニューギニアの国旗🇵🇬みたいで綺麗だなと思った。

これを読んだとき、すごく動揺した。背景を知ると作品の見え方が全く変わった。

私には、「歴史を知って戦争に反対しよう」や「過去を知ることで今に生かそう」などという高尚な目的はない。多分タイトルに書いたように自分の知らなかったことを知りたかっただけだと思う。何万人の方が亡くなったというデータではなく、人が生活をしていた。それが、一発の爆弾によって壊されてしまった。という背景を知ろうとしていたのだと思う。

今、家族で楽しく暮らせている日常を大切にしたいと思った。

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