金言205:自分流、商いの地平

沈むはずがないとされた豪華新鋭客船タイタニック号は、氷山に接触して沈没しました。沈没するまでに3時間海上に浮かんでいたそうです。

ボーイング707型機の直撃を受けても衝撃に十分耐えられるように設計された超高層ビルは911のテロ攻撃で崩壊しました。ツインタワーは飛行機が突っ込んでから崩壊するまで102分ありました。

沈まない船が沈んだ理由、崩壊しないはずのビルが崩壊した理由はともかく、多くの犠牲者をだした大惨事の原因は安全対策の不備、緊急避難の失敗と混乱とされます。タイタニックでは3時間、ツインタワーでは102分、避難する時間がありましたが、安全性への過信が犠牲者の数を増やしました。津波でも自分だけは助かると勘違いしてたくさんの人が逃げ遅れます。

風説の流布といいますか、天下大乱の際には、混乱状態でデマが飛び交い、状況判断を困難にします。911の惨事でも日頃の危機管理対策に沿って数多くの人たちがビル崩壊前に避難を終えて危機を脱しています。そういう人たちは、デマや乏しい情報による誤った状況判断に惑わされることなく、粛々と避難したにちがいありません。

今日はいくら投資していくら利益を確保するかというビジネスでも、同じようなことが起こります。トレードの世界では、アナリスト、エコノミスト、株屋、ワイドショーの経済評論家やコメント屋が、なにかと騒ぎます。そういうときに、彼らが発する騒音にわずらわされず、自分のスタイルを維持し、やるべきことを淡々と実行するトレーダーが生き残るそうです。

「連帯を求めて孤立を恐れず。砦の上に我らが世界を。」と50年も昔、催涙ガスに涙を流し冷たく痛い放水を浴びながら、キャンパスで過激な活動家が叫んでいました。

「トレーダーは、いつも孤独であるべきだ。自分と向き合い、心静かに、自分流のトレードを貫こう。」と先輩トレーダーがアドバイスしてくれます。
緊急避難でも、商売でも、自分流を貫き、「信念」をまげてはいけません。
商いの地平があります。

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