金言206:太鼓持の復権

太鼓持のスキル
否定的な言葉を頻繁に口にだすと、相手にネガティブでやる気のない人物と思われます。
何かしようとすると、決まって「うまくいかない」とか「できない」とかいう人がいます。もし、この人が上司の指示に対して、否定的な言葉を口にするかわりに「できる限り努力してみます」と返事をしたらどうなるでしょうか。まず、言った本人は努力しないわけにはいきませんので、少しは積極的に取り組みます。重要なことは、言われた相手が肯定してくれる人に好意をもち、上機嫌になり、そのために本人を取り巻く環境はいっそう良いものになるという効果です。

昔お世話になった会社の経営企画室に、太鼓持がいました。社長の言うことには、何でも「それはいいですね!」「すぐやりましょう!」「うまくいきます!」と1オクターブ高い声で応える人物です。普段は、「社長の考えは間違っている」「自分はこう思う」と部下の前で低い声で自信たっぷりに話しています。ところが、社長の前ではひょう変します。部下が同席していようがいまいが、社長の指示には二つ返事で従います。「それはいいですね」とヨイショの返事をします。部下の前で反対していた案件は、社長の前では大賛成となります。

社長も人の子、ヨイショされると木にも登ります。
とりまきに肯定されたことで、機嫌が良くなり、もっといい指示を出してくるかもしれません。太鼓持も、賛成した手前、良い結果がでるよう努力します。案件は良好な環境で取り扱われます。ということは、良い結果がでる確率は高くなるはずです。

上記のように社長をヨイショして、上機嫌の上司のもとで仕事をするわけですから、関係者にとって太鼓持は、足を引っ張る存在ではなく、かえって役に立つサポーターの役割を果たします。当の太鼓持も順調に仕事がまわれば、社長の覚えめでたく、ますます本領発揮となります。あの工業高校卒の太鼓持ちは一流大学の情報工学卒の仲間を飛び越えて役員になっていました。

いままで、太鼓持を評価する気がありませんでしたが、上記のような機能を果たす限りにおいて評価することができそうです。
そうだ。あの太鼓持、見直してやろう。

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