金言186:経営者の責任

IR(投資家向け広報)の基本:アナリストが注目するのは会社の事業内容や数字ではなく、事業運営している経営者であるといわれています。

事例1
従業員の不注意で発生した事故に対して、経営者が経営責任を問われることがよくあります。一方、経営者が承認した案件にも関わらず、問題が発生すると担当従業員の責任で経営者は知らされていなかったといいます。この場合、知らなかったという言い訳で稀に一件落着するすることはありますが、通常、経営者は記者やレポーターの餌食にされてしまいます。

事例2
経営破たんしている会社が、銀行から新たな金融支援や債務放棄をしてもらって経営を立て直そうとします。某企業は、金融支援を受け、まず着手したのはリストラでした。従業員を減らし、幹部社員を入れ替えました。経営者は会社再建をすることが経営責任をとることだといい、辞任しません。再度、資金繰りに行き詰まり金融支援を受けます。そして、従業員を減らし、賃金カットをし、幹部社員を入れ替えて事業再構築をねらいます。そして、借金さえなければこの会社はすばらしい会社だと涙声でいいます。経営再建は、現経営者が辞めずに引き続きやるものだと信じて疑いません。

投資家の目線
投資家は、経営破たんしている会社は経営者の責任と考えます。借金の多寡で会社を判断しません。借金が多いという理由で会社が潰れることはありませんが、借金を減らしたからといって会社再建ができるわけでもありません。再建には儲ける仕組みが不可欠です。借金をつくった原因に注目します。誤った経営判断、儲からない事業内容、その会社を運営している経営者が良くないのです。会社を債務超過にした責任者には経営再建はできません。経営者を入れ替えて儲からない事業から撤退し優位性のある事業に経営資源を集中できる企業に投資家は関心を示します。

某金融業者のことば
「良いモノが売れるのではありません。売れるモノが良いモノなのです。」

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