金言253:プルーブン・テクノロジー

マネックスという証券会社がありますが、これとまったく別の業界で「マネXX」と陰口をたたかれる製造販売会社がありました。他社が開発した製品を何でもマネをして製造販売をするのでこういわれていました。しかし、この会社は、米国製品の日本での販売に貢献したとのことで、かつて米国大統領就任式典に招待されたほど成功しています。

スポーツシューズの業界でも、R&Dにコストをかけず、大手が高機能製品を市場に投入すると、高機能の部分は真似をせず、コスメティック(外観)だけを参考にして、あたかも最新のスペックをもつシューズのような雰囲気をもつ普及品をつくるメーカーがあります。一般消費者には、トップアスリートが要求する高機能は、オーバースペックなので実際にその機能を使う機会はないと思います。その不要な機能を除き外観をそれらしく表現するとで、トレンディーで低価格な製品を一般消費者に提供することができます。低価格の理由は、R&Dのコストをかけていないこと、また売れ筋商品のコピーのようなものですから、外れのリスクもあまりないからです。著作権の制限がありますので、全く同じ機能と外観を取り入れることができないので、機能が劣ることは仕方ありません。それに加えて、最新機能もどきが搭載されている雰囲気をもった低価格品のニーズに応えることができます。

大統領就任式に招かれた会社のほうは、他社の新製品を上回る機能を自社開発し、製品の魅力を上乗せして低賃金の海外生産で製造して日本市場に投入するので、機能と価格の両面で競争力があります。ギミックで商売しているスポーツシューズメーカーは、一番にはなれませんが、他社が開発した機能に、自社開発の機能を上乗せし、さらに化粧をほどこして出荷する会社は一番になることができます。二匹目のドジョウには違いがありませんが、証明済みの技術(プローブン・テクノロジー)を利用した製品開発なので、不良品発生率は高くありません。先行した会社と同様に売れてしまいます。

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