金言244:見切る

見切るとは、見込みがないと見限ること。
情報システム開発を本業としているソフト会社でのことです。
この会社の経営幹部は、赤字プロジェクトを発生させたプロジェクトマネージャーに復権を認めません。(子飼いの部下には危ないプロジェクトを担当させないとも言い換えることができますが)リーグ戦はありませんし、敗者復活戦もありません。赤字を出したら即「冷や飯」です。誤審の場合でも、大相撲行の行司差し違えといった当事者救済の仕組みはありません。

1)評価
赤字プロジェクト(受注した仕事の結果が赤字になること)の責任者は、いつも方法論で赤字を出しています。挽回のチャンスを与えても、開発方法論がずれているので、何回やっても良い結果は出せないとみなします。したがって、こういう人を温存すると赤字を繰り返すリスクが高いので、経営サイドとしては、もう一度チャンスを与えることなく主要なポストから外します。

2)選択肢
では、不適格の評価を受けた技術者に次はないのでしょうか。
この会社にいる限り、経営陣が入れ替わらない限り、直属の上司が代わる程度では、一度失敗した技術者には明日はありません。慢性的にそこそこの技術者が不足しているので、一度赤字を出したとしてもそこそこの技術をもった中堅社員は、そこそこの待遇で身分が保全されます。

赤字を出したのには理由があり、実務者レベルでは解決できない問題があったかもしれません。誤った経営判断による巻き添え、または、やむをえない事情や不可抗力などで不適格の評価を受けた技術者にとっては、転職か起業の選択肢があります。自己の開発方法論とか工程管理能力に瑕疵はないと考えている人は、職場を変えることによって気持ちよく仕事ができる環境を再び手に入れることができると思います。

3)信頼性
しかしながら、信頼性に問題がある人は、見切りの対象です。
嘘つきは、繰り返して嘘をつきます。嘘がばれそうになるのを恐れて嘘を重ねます。タバコをやめられない人、深酒をやめられない人、時間厳守ができない人、この人たちは信頼性に難有りです。禁酒・禁煙・納期などできない約束するからです。

できることなら、
何度もごまかされてがっかりするよりは、評価損が8%に接近したら例外なしで淡々と損切をして、健全な精神状態を保ちたいものです。

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